国立大学・国立大学法人職員の実情

転任先の労務管理にはご用心

先日、4月から他機関への短期転任が決定している友人と会食をしていた折、こんなはずじゃなかったという話をいくつか聞きました。なかなか自分には無い視点だったので、本人の許可を得て、ここに書き記しておきます。(すでに転居を伴う異動は内示があったこ…

群馬大学と宇都宮大学の共同教育学部を考える。

headlines.yahoo.co.jp 群馬大学(前橋市)と宇都宮大学(宇都宮市)は21日、2020年度から全国初の「共同教育学部」を設置することをホームページ上で公表した。少子化の影響で教員採用数が減るのに伴い教育学部の縮小が求められる中、教員養成機関としての…

(追記あり)2019年度の国立大学運営費交付金配分の概況と所感

(12月24日追記) 「2-1.文部科学省概算要求時の状況」を追記しました。 ---- 2019年度予算:文部科学省 国立大運営費交付金 1割を「重点支援枠」に 政府19年度予算案方針 - 毎日新聞 政府は2019年度予算案で、国立大学法人運営費交付金のうち教育や研究の評…

国立大学の留年状況を知る。

※リストから東京芸術大学が欠落していたため追記しました。 修学指導や学生支援などに関わる指標の一つとして留年率があります。認証評価においても、留年に関する言及があります。 大学改革支援・学位授与機構 6-1-① 各学年や卒業(修了)時等において…

平均給与などから見る国立大学職員の現状と変遷(その3〜東京大学を例に)

前回、前々回に引き続き、各国立大学法人が公表している役員の報酬等及び職員の給与の水準から、今回は東京大学の事務・技術職員の職位別の状況を確認します。なお、書かれている推測について、裏を取ったわけではなく、全て私の妄想です。 東京大学の事務・…

平均給与などから見る国立大学職員の現状と変遷(その2)

前回に引き続き、各国立大学法人が公表している役員の報酬等及び職員の給与の水準から、今回は事務・技術職員の職位別の状況を確認します。 公表資料の中には、職位別年間給与の分布状況があり、代表的な職階(多くは課長、課長補佐、係長、主任、係員)の人…

平均給与などから見る国立大学職員の現状と変遷(その1)

toyokeizai.net では、国立大学の大学職員になると、どのくらいの給与がもらえるのだろうか。さらに、教授などその「教員」になると、給与はどのくらいになるのだろうか。各国立大学の年収は、文部科学省が毎年実施・公表している、「文部科学省所管独立行政…

人事の凍結は人勧対応が一因である可能性からの財務コミュニケーションの話

相変わらず国立大学界隈では景気の良い話を聞きません。退職した教育職員の後任人事の凍結も普通に聞かれるようになりました。その要因は各大学により様々でしょうが、一つには人事院勧告への対応ということもあるのだろうと思っています。 平成29年人事院勧…

北海道大学の人件費削減に思う。

北海道大学の教員人事に関する方針が話題を呼んでいるようですね。 elm-mori.hatenablog.com id:petite-cerise氏が詳細についてレポートしていますが、基本的には氏が言う通り、一般運営費交付金の削減に係る承継教職員の人件費削減の話でしょうね。 d.haten…

「文科省の言うことを聞かなければ交付金を減らされる」は本当か?

様々な場面でよく聞くのが「文科省の言うことを聞かなければ交付金を減らされる」ということです。これって本当でしょうか。私個人としては、少なくとも国立大学においては都市伝説と同程度の信憑性だと考えてます。 冒頭の文章を二つに分けてみましょう。前…

国立大学の学費値上げには反対です。

現行の制度では学費を値上げしてもその分(あるいはその分以上に)運営費交付金が削減されます。つまり、学費を値上げしても、国立大学の教育研究等活動の質向上につながる可能性は極めて低いです。これを考えると、つまり学費値上げが誰の得になるのか、もう…

第3期中期目標・中期計画ではIRはどのように言及されているのか。

前回に引き続き、各国立大学法人の第3期中期計画(素案)を眺めていきます。今回はIRについてです。今流行のIRについて、第3期中期目標期間における各法人のスタンスを明らかにします。 1.仮説 仮説1:大部分の法人がIR活動に関する中期計画を記載してい…

第3期中期目標・中期計画では職員の能力開発はどのように言及されているのか。

各国立大学の第3期中期目標・中期計画の素案(平成27年6月):文部科学省 国立大学法人の第3期中期目標・中期計画の素案が公表されていました。一部ではニュースになっていました。 全国の国立大学 33校が文系学部などの再編計画 NHKニュース 全国86の…

国立大学事務職員はどの程度学務業務に従事しているのか。

職員と学生の関わりに思う 〜非学務系職員は学生と関われるのか?〜 - 大学職員の書き散らかしBLOG 以前のエントリーのとおり、私は学務系の業務に就いたことがありません。そのため学務系の業務に関する相場観がつかめないことが多いです。また、学生が大学…

国立大学の重点支援枠はどのように選択されたのか。

国立大改革「地域・特色・世界」の3つの枠組みで強みを生かせるか 文部科学省の国立大学改革に向けた新方針「三つの枠組み」で、各大学の選択結果が明らかになった。大学側の”改革意思表明“を手がかりに、文科省は2016年度の概算要求で、国立大運営費交…

地域における国立大学の役割に思う その5

(続く) 図17及び図18に、有識者調査及び自治体調査における大学院就学への対応の回答を示します。図17が有識者調査の結果、図18が自治体調査の結果です。図17から、各大学とも概ね同じ傾向であり、8割程度の有識者は原則として大学院就学を認めていないこ…

地域における国立大学の役割に思う その4

(続く) 図13に、自治体調査における大学と地域との交流の障害について地域側に問題があると回答した要因の結果を示します。各設問において、比較的ポジティブ回答の割合が高く、自治体の者としては大学よりも地域側に障害が多いと認識している可能性が示唆…

地域における国立大学の役割に思う その3

前回までの有識者調査結果の分析に引き続き、今回は自治体調査結果の分析を行います。なお、自治体調査は、各大学が設置されている県及び県内各市の中堅幹部(課長)を対象として行われました。 図9に、自治体調査における各大学の総合評価の結果を示します…

地域における国立大学の役割に思う その2

(前回から続く) 図5に、大学と地域との交流の障害について大学側に問題があると回答した要因の割合を示します。概ね各大学が同様の傾向を示し、問5「教員の研究分野・研究課題が分かりづらい・PR不足」が3大学との高いポジティブ回答割合を示しています。…

地域における国立大学の役割に思う その1

一般社団法人 国立大学協会 <What's New> 「政策研究所 研究報告書「地域における国立大学の役割に関する調査研究(Web版)」(12/12) 「政策研究所 研究報告書「地域における国立大学の役割に関する調査研究(Web版)」を公開しました。 一般社団法人国…

国立大学のスクールカラーに思う 〜同じ色はあるのか?〜

前回は国立大学の広報活動について、特に大学公式キャラクターに着目しました。今回は、同じ広報活動でも、スクールカラーに着目します。 校風という意味合いでも使用されることがあるスクールカラーという言葉ですが、実際に「色」で以て表現している大学も…

国立大学の広報活動に思う 〜公式キャラクターは活躍しているのか?〜

新年あけましておめでとうございます。本年も弊BLOGを宜しくお願い申し上げます。 さて、最近では国立大学においても何らかの形で広報活動に力を入れる大学がほとんどだろうと思います。受験生、留学生確保というだけではなく、地域貢献という点からも国立大…

文部科学省行政実務研修生に思う 〜私感編〜

(業務編から続く) 5.研修生制度の是非 このような研修生制度については、「文科省の労働力を大学が負担している」と批判する声も聞いたことがあります。実際、大学はその場にいない者に対し給与を支払っている訳ですから、その意味では理解できる批判で…

文部科学省行政実務研修生に思う 〜業務編〜

(制度編から続く) 3.研修生の業務について 文科省研修について、私が受けた相談の中で最も多い質問は「毎日深夜まで仕事するんですよね?仕事についていけるか分かりません。不安です。」ということです。ほぼ例外無く、皆がこの点を気にしています。こ…

文部科学省行政実務研修生に思う 〜制度編〜

国立大学法人の職員にとって、外部機関での研修や出向と言えば、文部科学省での研修、所謂文科省研修生になることが真っ先に思い浮かびます。その他、各大学では(独)日本学術振興会や(一社)国立大学協会、関連するコンソーシアム、民間企業等など、様々…

文部科学省出身の国立大学法人幹部に思う 〜異動官職の是非〜

東京新聞:国立大9割に 文科省「天下り」 理事ら幹部77人出向:政治(TOKYO Web) 全国の国立大学法人八十六校のうち約九割にあたる七十六校で、計七十七人の文部科学省出身者が理事や副学長、事務局長などの幹部として在籍していることが分かった。事実上の…

夏期一斉休業に思う 〜国立大学法人職員の夏休みは長いのか?〜

さて、夏休みですね。大学職員をしていると「大学は休みが多くて良いよね。」と言われることはもはや大学職員あるあるネタでしょうし、恐らく教員もそうなのだろうと思います。ところで、実際、大学職員の夏休みって多いんでしょうか? 国立大学法人ではちょ…

国立大学法人の教育研究環境に思う 〜教育環境と研究環境、どちらの違いが大きいか〜

以前弊BLOGにて、国公大学の学生教員職員数の関係を示し、国公立大学における教育環境を明らかにしました(国公立大学の教育環境に思う 〜情報の可視化により見えてくること〜 - 大学職員の書き散らかしBLOG)。今回は、費用面から、国立大学の置かれた環境…

国立大学一般職員会議に思う 〜変化し続けるコクダイパン会議〜

コクダイパン会議スタッフのBlog ということで、第8回コクダイパン会議の開催場所及び開催日程をお知らせします!! 【第8回コクダイパン会議】日程:平成26年10月12日(日)〜13日(月・祝)場所:東北大学 川内北キャンパス 国立大学一般職員会議、通称コク…

スーパーグローバル大学創成支援事業の申請状況に思う 〜切実な国立大学〜

平成26年度「スーパーグローバル大学創成支援」公募申請状況について:文部科学省 平成26年度「スーパーグローバル大学創成支援」公募申請状況について、結果をお知らせいたします。 「スーパーグローバル大学創成支援」(以下、「SG」という。)の申請状況が…