2014-01-01から1年間の記事一覧

2014年の大学業界を振り返る

2014年もそろそろ終わります。ということで、2014年の大学業界を振り返ってみます。下に、月ごとに大学全体及び国立大学に関連した出来事を示します。なお、下記は新聞記事のタイトルを基に作成し、選定は独断と偏見により行いました。 1月 ノバルティス論文…

セミナー「高大におけるカリキュラム改革を考える」に参加してきました。

E.FORUM教育研究セミナー「高大におけるカリキュラム改革を考える―探究力育成の視点から―」 大学全入時代を迎えて高校と大学の教育接続が改めて問われている現在、高大においては様々なカリキュラム改革が進んでいます。高校、特にスーパーサイエンスハイス…

高度専門職の能力水準に思う 〜スペシャリストはどのように働くのか〜

前回に引き続き、「高度専門職」に関連した大学職員の職業能力について考えてみます。 当たり前ですが大学職員とは職業の1種であり、その能力開発とは所謂職業能力開発に属すると理解しています。職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)では、職業能力開…

高度専門職の検討に思う 〜いったい何が良くなるのか〜

現在、中央教育審議会大学分科会大学教育部会では、職員の資質向上等に関する取組として、高度専門職について議論されています。ここで言う高度専門職とは、 IRや入学者選抜,教務,学生支援,人事や財務,広報等各分野に精通した「高度専門職」(中央教育審議会…

薬学教育の最近の動向に思う 〜質保証の王道〜

ディシプリンに応じた教育の質保証については弊BLOGでもたびたび取り上げてきました(分野別質保証に思う 〜新たな大学評価の在り方〜、2023年問題に思う 〜医学教育の新たな地平〜)が、個人的には最近特に注目しているのは薬学教育の動向です。薬学教育が6…

セミナー「若手職員の実践的能力を形成できるSDを求めて」に参加してきました。

名古屋大学高等教育研究センター第132回招聘セミナー若手職員の実践的能力を形成できるSDを求めて 各大学で改革を進めるために、大学職員の能力向上が不可欠であり、能力形成のためのSDのあり方が問われています。しかし、各大学ともSD実施のノウハウやリ…

大学職員系イベントカレンダーを作りました。

SD活動の高まりもあり、全国各地で様々な大学職員に関するイベントが行われています。そのようなイベント情報は、京都大学高等教育研究開発推進センターが運営するASAGAO kyoto-u メーリングリストや大学行政管理学会等主催団体のwebページで把握することが…

「教学マネジメントの改善と学修成果」シンポジウムに参加してきました。

『教学マネジメントの改善と学修成果』~学生支援型IRの可能性〜 大学間連携協働推進事業による教学マネジメントシステムに関するシンポジウムに参加してきました。当日は関西学院大学でグローバル大学創生支援シンポジウムが行われている中、目測で100名以…

認証評価基準細目省令の改正に思う 〜多面的入試は認証評価基準になるのか〜

文科省:大学入試内容、評価項目に追加へ - 毎日新聞 文部科学省は、大学の教育内容などを第三者機関が評価する「認証評価制度」の項目に、新たに入試内容を加える方針を決めた。中央教育審議会(中教審)が議論している大学入試改革の内容が「知識偏重型から…

分野別質保証に思う 〜新たな大学評価の在り方〜

いまや「質保証」と言えば、大学を巡る一つのキーワードになっています。特に、「教育の質保証」は、認証評価をはじめとして全ての大学が避けて通れない事項ですね。全ての大学に受審が義務付けられている大学機関別認証評価で質保証と言った場合、個別の学…

50年前のアメリカ大学教育改革に思う 〜現代日本の大学事情と似ているのか〜

たまに「日本の大学制度はアメリカの大学制度よりも◯十年遅れている」といった言説を聞くことがあります。たしかに、例えばIRについては、アメリカの高等教育機関においてIR組織が設置されるようになったのは1950~60年代であり、日米間の設置趣旨の違いはと…

U.S.News & World Best Global Universities Rankingsに思う 〜何が評価されているのか〜

1位ハーバード、東大24位 米誌が世界大学ランキング:朝日新聞デジタル 米誌のUSニューズ・アンド・ワールド・リポートは28日、世界の大学ランキングを初めて公表した。トップは米国のハーバード大で、上位10校のうち8校は米国の大学が占めた。日…

財政制度分科会の資料に思う 〜国立大学はどうなってしまうのか〜(後編)

(前編から続く) P30 国立大学法人運営費交付金の配分方式 ここでようやく運営費交付金の配分について言及されます。繰り返しますが、一般運営費交付金は「国立大学の教育研究を実施する上で必要となる基盤的経費」です。「必要となる経費」なので、各大学…

財政制度分科会の資料に思う 〜国立大学はどうなってしまうのか〜(前編)

財政制度分科会(平成26年10月27日開催)資料一覧 : 財務省 財務省の財政制度分科会(平成26年10月27日開催)資料の掲載されていました。ここでは国立大学法人の運営費交付金の配分方法について検討されましたが、その内容はすでに報道されています。 「国立…

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関に思う 〜大学は職業訓練を行うのか?〜

実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回) 配付資料:文部科学省 1 趣旨 職業教育については,若者が自らの夢や志を考え,目的意識を持って実践的な職業能力を身に付けられるようにするとともに,産業構造の変化や技術革新…

文部科学省行政実務研修生に思う 〜私感編〜

(業務編から続く) 5.研修生制度の是非 このような研修生制度については、「文科省の労働力を大学が負担している」と批判する声も聞いたことがあります。実際、大学はその場にいない者に対し給与を支払っている訳ですから、その意味では理解できる批判で…

文部科学省行政実務研修生に思う 〜業務編〜

(制度編から続く) 3.研修生の業務について 文科省研修について、私が受けた相談の中で最も多い質問は「毎日深夜まで仕事するんですよね?仕事についていけるか分かりません。不安です。」ということです。ほぼ例外無く、皆がこの点を気にしています。こ…

文部科学省行政実務研修生に思う 〜制度編〜

国立大学法人の職員にとって、外部機関での研修や出向と言えば、文部科学省での研修、所謂文科省研修生になることが真っ先に思い浮かびます。その他、各大学では(独)日本学術振興会や(一社)国立大学協会、関連するコンソーシアム、民間企業等など、様々…

学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会の概要 その3

(その2からの続き) 【国立大学の部】「学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会」(国立大学法人法改正の詳細について) - YouTube 学長選考の透明化について。大学改革を強力に進めていくため、大学のミッションを見据えた上で、学長を選…

学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会の概要 その2

(その1からの続き) 【国立大学の部】「学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会」(学校教育法改正の詳細について) - YouTube 今後のタイムスケジュールについて。内部規則の総点検については、12月中旬に進捗状況調査を行い、4月末に総…

学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会の概要 その1

改正学校教育法及び国立大学法人法等が成立し、平成27年4月1日の施行を待つだけとなりました。本件については、弊BLOGでも、関連する独立行政法人通則法の改正も含め、改正案の段階から言及してきたところです。 学校教育法及び国立大学法人法の改正案に思う…

世界大学ランキングに思う 〜何が評価されているのか〜

World University Rankings 2014-2015 - Times Higher Education You can view the full World University Rankings 2014-2015 top 400 below and explore the criteria used to assess the world’s greatest universities, while our in-depth analysis of …

Learning Agilityに思う 〜意思を実現するための姿勢〜

大学業界にいると「ラーニング・○○」という言葉は良く聞きますね。ラーニング・コモンズやラーニング・アウトカムズは比較的良く聞かれる言葉でしょうが、私が気になっているのはLearning Agility:ラーニングアジリティです。最近は、平常業務内7時間45分間…

大学の人材配置に思う 〜配置する側と配置される側〜

少し前にtwitter上でIR人材の話を拝見しました。業務の特性上、学内調整ができる者が良いというような意見もあり、まぁそれはそうなんだろうなと思いつつ、ちょっとそれとは違う思いも抱いたところです。職員の人材配置はどのように考えられば良いのでしょう…

弊BLOGのこれまでとこれから

平素より弊BLOGをご高覧いただきありがとうございます。 という挨拶から入りましたが、弊BLOGは平成25年9月28日に開設しそろそろ開設1年を迎えます。というわけで、これまでの記事内容、アクセスなどを振り返るとともに、弊BLOGを始めた理由やその効果などを…

IR・データ分析に思う その3 〜どのようなデータを組み合わせるか〜

IR・データ分析に思う 〜まず何をすれば良いのか〜 - 大学職員の書き散らかしBLOG IR・データ分析に思う その2 ~グラフをどう読むか~ - 大学職員の書き散らかしBLOG 大学IRをどのように進めていくかについて、特に初手をどのように取るかについては、弊BL…

学位名称の見直しに思う 〜個人的には筋が悪い話〜

学士の名称急増700種類、見直し求める報告書 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 研究者の代表機関である日本学術会議は17日、大学が卒業時に与える学位「学士」の名称について、約700種類と過度に多様化した結果、内容が不明確で国際的にも通用し…

地方の人口減少に思う 〜国立大学はどのような影響を受けるのか〜

首相、税制や社保改革の検討指示 地方創生で石破担当相に:政治:中日新聞(CHUNICHI Web) 安倍晋三首相は9日、石破茂地方創生担当相と官邸で会い、人口減少の克服と地域経済の成長に向け、税制や社会保障などの制度改革を検討するよう指示した。「地方創生に…

学生の満足度に思う 〜一体何に満足しているのか〜

今はどこの大学でも学生の満足度調査やそれに類似する取組を行っていますね。所謂授業評価アンケートの一部として組み込まれていることも多いと思いますし、学部学科など学位プログラム全体として満足度を調査することや卒業生や同窓生に調査することもある…

文部科学省出身の国立大学法人幹部に思う 〜異動官職の是非〜

東京新聞:国立大9割に 文科省「天下り」 理事ら幹部77人出向:政治(TOKYO Web) 全国の国立大学法人八十六校のうち約九割にあたる七十六校で、計七十七人の文部科学省出身者が理事や副学長、事務局長などの幹部として在籍していることが分かった。事実上の…