学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会の概要 その3

(その2からの続き)


【国立大学の部】「学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会」(国立大学法人法改正の詳細について) - YouTube

  •  学長選考の透明化について。大学改革を強力に進めていくため、大学のミッションを見据えた上で、学長を選考する必要がある。そのため、学長選考会議が主体的に学長を選考するとともに、そのプロセス等を社会に発信することとした。学長選考会議が定める基準は、同会議が大学のミッションを考慮した上で、同会議が主体的に定めるもの。同基準には、学長に求められる資質や選考プロセス等に関する具体的な事項が想定される。学長選考会議の主体的な選考とは、候補者の選定や候補者への質問状などが想定されるが、意向投票の取扱いと学長選考会議の運営の2点に留意が必要。
  •  意向投票を行うのか、その結果をどのように取り扱うかは学長選考会議の判断によるが、意向投票を行う場合であっても、その結果を過度に尊重することは法の趣旨とは異なる。また、学外委員の役割を十分に果たせるように、適切な情報提供や会議日設定、欠席者へのフォローなど、積極的に会議に参画できる配慮が必要と考える。
  •  学長選考の結果の公表も定めているが、選考理由や過程などが対象となる。学長選考会議がなぜその者を学長にふさわしいと判断したのか、基準を満たしていることをどのように確認したのかなどを、可能な限り具体的に示してほしい。社会に対して説明責任を果たす観点からも重要。記者会見やホームページなどを通じて、分かりやすい形で公表してほしい。
  •  施行日は平成27年4月1日である。改正を先取りをして対応することは、強く期待している。すでに選考が始まっている場合は、4月1日以降に学長選考会議が候補者を選定することになるのであれば、改正が適応されることに留意してほしい。
  •  学長選考会議が定める基準は、誤解がないという前提に立てば、学長選考会議決定という形が適切。
  •  学長選考会議が行う学長の業績評価について。学長選考会議は常設の機関である。学長選考の基準も参照しながら、各大学が判断する適切な時期に、学長の業績評価を行ってほしい。どのように成果を測定するかも含めて、各大学で適切に判断してほしい。
  •  学長の解任は学長選考会議や文部科学大臣ができる。学長の解任の申し出に係る規則を整備してほしい。解任についても、学長選考会議が主体的に判断する必要がある。
  •  監事機能の強化について。監事は随時業務の執行調査ができる。それもあって、サポート体制を整備してほしい。文部科学大臣に提出する書類は監事が調査することになっており、今回の改正についても、監事に十分に説明し随時検討に関与するようにするなど、事務局としても対応してほしい。監事は法人の運営に直接携わることができない、監事をうまく巻き込んでほしい。
  •  経営協議会について。学外委員の数を全体の過半数と定めた。経営協議会については、社会や地域のニーズを反映した運営を国立大学に求められていることから、機能強化を図った。学外委員の出席確保も含め、学外委員に対する情報提供や人選など適切な運営を行ってほしい。学外委員からの意見に対する大学運営への反映状況については十分にフォローしてほしい。
  •  教育研究評議会については、副学長の役割変化に伴い、評議員にできることとした。教育研究評議会での審議事項に関わる副学長の参画などが想定される。大学法人としての意思を最終的に判断するのは学長であり、議長である学長が一切の権限を有するものである。経営協議会と教育研究評議会のそれぞれの専門性を活かし、しっかり運営をしてほしい。
  •  教育研究上重要な組織の長の任命について。法人化により教育公務員特例法の適応除外となったため、学長が教員の任命権を有する。学部長等の任命についても、学長が任命するものであるということを改めて明らかにした。
  •  学長選考基準については、従来定めたものと変わらない場合であっても、形式的に4月1日に改めて学長選考会議で決定してほしい。なお、基準は、4月1日に全大学が決定するものではなく、選考に間に合うように作成してほしい。学長の唐突な交代ということも想定できるため、十分に作成スケジュールを検討してほしい。

(終わり)