2019-01-01から1年間の記事一覧

職員が自大学のことを知る3つの方法(この時期だからこそできることを含む)

先日、入職3年程度までの職員と会食していた際、勤務している大学のことを知るにはどのような方法があるのかという質問を受けました。幣BLOGでも何度か言及してきましたが、この時期だからこそできることを含め、以下の3つの方法を整理します。 1.教員が…

美大予備校では東京藝術大学の出願資格を得られない可能性がある。

anond.hatelabo.jp 「高校進学することなく、中卒後即座に大手美大予備校の昼間部に所属し、3年間誰よりもデッサンと色彩構成と立体制作に明け暮れ、現役で東京藝術大学デザイン科に合格する」という事をキャリアパスとして考えています。この進路の舵取りは…

大学はどのように避難所の運営に関われるのか。

鍵の所在不明、避難所開けず 埼玉県幸手市の2カ所|全国・海外のニュース|徳島新聞 市の危機管理防災課によると、13日午前1時に災害対策本部を設置し、避難所開設を始めた。小中学校や市の施設は市で管理していた鍵で開けられたが、幸手看護専門学校と…

修学支援新制度の対象から大学院生が除外されている件について

next49.hatenadiary.jp 修学支援新設度(以下、「新制度」という)については、確認申請書の提出締め切りが過ぎ、各確認者にて確認を行っているところでしょうか。そんな中、新制度の対象に大学院生が含まれていないことについて話題になっています。この件…

大学評価基準をそのまま内部質保証に用いるのは困難ではないか。

※本稿では、大学改革支援・学位授与機構が行う大学機関別認証評価を想定して記述しています。 教育の内部質保証活動においては、大学機関別認証評価の評価基準を活用する場合も多かろうと思います。それはそれでよいのですが、評価基準を内部質保証にそのま…

(Ver.3)修学支援新制度のためGPA分布表作成マクロを改変しました。

文科省Q&A更新の影響 警告ラインの考え方 今回の見解に関する所感 機能の追加 累積頻度0.25前後の者がわかる表を作成 「本シート以外印刷」機能 「本シート以外印刷(氏名非表示)」機能 ソースコード 文科省Q&A更新の影響 高等教育段階の教育費負担新制度に…

(ファイル公開停止)修学支援新制度のためGPA分布表作成マクロを改変しました。

※文科省のQ&Aに対応していなかったので、ファイルの公開を停止しています。 kakichirashi.hatenadiary.jp 前回GPA分布表作成マクロを作成したところですが、文科省への事前相談において下位25%以下の人数を分布図中に明記するように指摘された旨の話を耳にし…

修学支援新制度のためGPA分布表作成マクロを作成しました。

修学支援新制度では、申請時にGPA分布状況がわかる資料の提出が求められるとともに、継続時(適格認定時)においてもGPA下位25%にある支援者に対して警告措置を行わなければなりません。そのため、機関としてGPA分布状況を把握することが重要になります。そ…

修学支援新制度で注意したい3点

修学支援新制度は、そろそろ事前相談が行われている頃でしょうか。修学支援新制度においては、現時点で、以下の3点を注意したいと考えています。 1.授業料減免のスケジュール等 2.GPAの算出方法 3.既存の支援制度との関係 1.授業料減免のスケジュー…

修学支援新制度における学生等の確認要件を整理する。

前回、前々回に引き続き、修学支援支援新制度について整理します。今回は、支援措置の対象となる学生等の認定要件(以下、「支援認定要件」という。)についてです。 1.根拠法 2.概要 1.採用時の支援認定要件 2.継続時の支援認定要件(適格認定の基…

学生対応のリスクは常に存在している。

nikkan-spa.jp そんな中、今年5月、(自称)“ミスター中央大学”として活躍していたYouTuber・ステハゲが、中央大学当局から動画での言動が問題視され、結果として謝罪動画を投稿一部の動画を削除・修正するという事件が起きた。 今、Youtuberと大学側との関…

修学支援新制度の機関確認要件を整理する。

kakichirashi.hatenadiary.jp 前回に引き続き、修学支援新制度について整理します。今回は、特に機関確認要件に言及します。 1.根拠法 2.要件確認者 3.機関確認要件 1.実務経験のある教員による授業科目が標準単位数(4年制大学の場合、124単位…

修学支援新制度は給付型奨学金と授業料等減免の2本立てで整理する。

kakichirashi.hatenadiary.jp 前回、説明会の記録を記した修学支援新制度について、自分の整理も兼ねて、制度の解説等に関する記事をしばらく続けたいと思います。本日は、大まかな制度の整理です。 1.根拠法 2.制度の大枠 3.概念図 1.根拠法 大学等…

修学支援新制度説明会(国公立大学・高専向け)に参加してきました。

www.mext.go.jp 高校生の進学先として支援措置の対象の学校となるのか、修学支援新制度における大学等高等教育機関に対する機関要件の確認が6月下旬から始まります。 申請開始に先立ち、国立大、私大や国立高専など、確認を受ける各教育機関の設置者である、…

高等教育無償化(負担軽減新制度)は機関認定より運用の方が難しい。

高等教育段階の教育費負担軽減:文部科学省 文部科学省では、しっかりとした進路への意識や進学意欲があれば、家庭の経済状況に関わらず、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校に進学できるチャンスを確保できるよう、高等教育段階の教育費負担軽減のため…

総務の規範がまだわからない

人事異動により、事業系(教職課程・更新講習など)から総務系の担当者になりました。特命業務はいくつかあるものの、調査対応や簡単な人事労務管理など、まだまだ総務の規範は身についていません。大学事務の総務業務に関する先行研究も決して多くなく、デ…

学生をたらいまわしにしないために心がけているたった一つのこと

用件を聞いて該当部署に送り出す前に、該当部署に電話をかけ、「~~という件で~~という学生がこれから行くのでよろしく」と学生の前で電話をかけます。もし部署が違った場合も、誤った部署に誘導してしまうことを予防できます。

「研究力向上改革2019」への2,3の所感

研究力向上改革2019:文部科学省 我が国の研究力の現状は、論文の質・量双方の観点での国際的な地位の低下、国際共著論文の伸び悩み等にみられるように、諸外国に比べ研究力が相対的に低下していることが課題となっています。 このような現状を一刻も早く打…

こんなことを言う上司はクソだと言う経験則

「この事柄については法令に明記されており相手方も当然に対応しているはずなので、わざわざ通知文書に記載することない。」 私の経験則として、この手の輩は責任を取る気はありません。 こう言われたら 「その理論に則れば、道路交通法令に様々な交通ルール…

設置計画履行状況等調査の結果は他人事ではない。

設置計画履行状況等調査の結果について(平成30年度):文部科学省 この調査は,文部科学省令に基づき,大学等の設置認可及び届出後,原則として開設した年度に入学した学生が卒業する年度までの間,当該設置計画の履行状況について,各大学の教育水準の維持…

教職課程認定業務の思い出

人事異動の季節ですね。ということで、3月いっぱいで教職課程認定業務を離れることになりました。 思い起こせば、着任時は課程認定申請担当者になって戸惑った3つのことみたいな状態でしたが、毎年申請を行うことで、若干は教職課程のことも理解できてきたの…

新任大学職員の方へ贈るたった一つのアドバイス

業務の中で「おかしいな」「もっとこうすればいいのに」と思ったことがあれば、記録して後日見返せるようにしましょう。 今は変える力がなくとも、近い将来、必ずあなた自身の手で変えることができるようになります。

教職課程認定申請書を提出する際の直前の確認事項

3月25日(月)を最終日として教職課程認定申請書の提出が完了します。毎年申請書を持っていくたび、受理してもらえるか緊張しますね。 課程認定申請書は、内容は(確認事項等で指摘があるため)どうであれ、とりあえずその場で受理されなければ何も始まりま…

教学マネジメントには優先順位が必要である

www.mext.go.jp 文部科学省のホームページで中央教育審議会大学分科会教学マネジメント特別委員会第3回の議事録が公表されています。教学マネジメントについては、弊BLOGでも言及してきました。 教学マネジメントは広まるのか。 - 大学職員の書き散らかしBLO…

「仕事は楽ですか?」と聞くセンスのなさ

最近では「大学(事務)職員の仕事は楽だ論」があり、まぁまぁ各人が言う分には結構なんじゃないんですかねと思いながら眺めています。私も先日、知り合いから「仕事は楽ですか?」と聞かれました。 ただ、これはいろんな職業にも言えることかもしれませんが…

(メモ)現代教育講座9「高等教育の大衆化-大衆化の流れをどう変えるか-」(昭和50年,第一法規出版株式会社)

最近は1970,80年代に書かれた高等教育関連書籍を読み、当時の予想がどの程度成立しているのか考えています。今回は、そんな中で見つけた「現代教育講座9「高等教育の大衆化-大衆化の流れをどう変えるか-」(昭和50年,第一法規出版株式会社)」の「第5章 大…

仕事だから尋ねる、仕事だから答える

入職当時は人にものを尋ねることが非常に苦手でした。相手の時間を奪ってはいないか、こんなこと聞いてくるなと怒られないかなど色々を考えて、行動できなかったわけです。それを変えることができたのは「こっちも仕事だから尋ねる義務がある、相手も仕事だ…

教職課程の履修は4段階で整理する。

最近、教職課程の履修について相談を受けることがままあります。その場合、4つの段階で整理し、どの段階の問題なのか、どの段階で対応すべき話なのかを考えるように助言しています。 以下の図は、それらの段階を図示したものです。もし問題が発生した場合、…

転任先の労務管理にはご用心

先日、4月から他機関への短期転任が決定している友人と会食をしていた折、こんなはずじゃなかったという話をいくつか聞きました。なかなか自分には無い視点だったので、本人の許可を得て、ここに書き記しておきます。(すでに転居を伴う異動は内示があったこ…

3つのポリシーに係る模式図の作成とそこから見えてくる課題

引き続き、3つのポリシーに関する話題です。 教学マネジメントを巡る昨今の議論では、質保証に焦点があたり、3つのポリシーと教育課程との関係がわかりにくいと感じています。そのため、改めて、大学における教育課程等と3つのポリシーの関係を自分なりに…