2014年の大学業界を振り返る
2014年もそろそろ終わります。ということで、2014年の大学業界を振り返ってみます。下に、月ごとに大学全体及び国立大学に関連した出来事を示します。なお、下記は新聞記事のタイトルを基に作成し、選定は独断と偏見により行いました。
1月
2月
3月
- STAP論文撤回同意
- 長野大学が公立大学法人移行へ向け上田市に要望書提出
- 龍谷大学法科大学院が募集停止発表
- 新潟大学法科大学院が募集停止発表
- 佐賀大学が芸術学部新設構想を発表
- 京都大学総長を国内外から公募する方針であることを発表
- 日本学術会議が臨床研究に関する提言発表
- 「トビタテ!留学JAPAN」プロジェクト開始
4月
- 文部科学省が学校教育法改正案を与党に提出
- 長岡造形大学が長岡市を設置者として公立大学法人化
- 夙川学院大学が募集停止発表
- 久留米大学法科大学院が募集停止発表
- 鹿児島大学法科大学院が募集停止発表
- 近畿大学入学式をつんく♂さんがプロデュース
5月
6月
7月
- 平成26年度「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)の選定
- 京都大学次期総長に山極教授を選出
- 研究不正疑惑に対し東京大学医学部生3人が大学に説明を求める
- 東京理科大学経営学部が久喜市から全面移転することが決定
- 北海道大学が5.3億円の公的研究費の不適切経理があったことを公表
8月
- 平成26年度大学教育再生加速プログラム(AP)の選定
- 東北地方における医学部設置に係る構想審査会構想審査結果が発表され、東北医科薬科大学が選定
- 東京大学が研究不正疑惑に対し説明会開催
- 代々木ゼミナールが模試の一部廃止や校舎集約化を発表
- 「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」策定
9月
10月
- 国立大学運営費交付金の新配分方針案が公表
- 千葉大学が新学部構想を発表
- 静岡大学法科大学院が募集停止発表
- 早稲田大学が小保方氏の博士号取り消し猶予を発表
- 北海道大学の学生がイスラム国への参加を目的とした渡航未遂
- 大阪府立大学と大阪市大学が新大学設置へ向けた基本方針を公表
- 幸福の科学大学の設置不認可
- 名古屋大学教授、名城大学終身教授がノーベル物理学賞受
11月
- 東京大学新総長に五神教授を選出
- 聖トマス大学が廃校発表
- 警察官が京都大学へ立ち入り騒ぎになる
- 山口大学の国際総合科学部の新設が正式決定
- 東京工業大学元教授らが研究費搾取容疑で逮捕
- 群馬大学医学部附属病院が腹腔鏡手術による医療事故公表
12月
- 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の制定
- 山口東京理科大学が公立大学法人化決定
- 新潟産業大学が公立大学法人移行へ向け柏崎市に要望書提出
- STAP細胞実験に関する理化学研究所の検証結果発表
- 愛知学院大学法科大学院が募集停止発表
- 大学入試に関する中央教育審議会答申が公表
今年一番の出来事と言えば、学校教育法の改正でしょう。国公私全てに影響を与えることであり、大学の在り方について考えさせられる出来事でした。弊BLOGでも、折に触れて言及してきました。
- 組織運営部会審議まとめ(素案)に思う 〜50年経っても変わらないこと〜
- 学校教育法及び国立大学法人法の改正案に思う 〜結局、教授会は何を話し合うのか〜
- 改正学校教育法等に思う 〜審議過程から分かること、分からないこと〜
- 学校教育法及び国立大学法人法の施行規則改正案に思う 〜改正の影響は少ないが。。。〜
- 学校教育法及び国立大学法人法等の改正に関する実務説明会の概要 その1
また、今年はSTAP細胞、J-ADNI、ディバオンといった大型の研究不正に揺れた一年でもありました。1月から始まり12月に検証結果等が報告されるという一年間通した出来事であったとともに、公正研究推進に関する各種のガイドラインも策定されました。ガイドラインが適切に運用されているかは、来年度以降の様子を見ないといけませんね。
1月からの出来事を振り返ると、毎月のように法科大学院の学生募集停止が発表されていることに驚きます。平成16年から始まった法科大学院制度が、10年経って新たな時代に入ったことを感じます。その他、教養系や地域科学系の新学部設置や公設民営として設置された大学の公立大学法人化も今年の特色でしょうか。SGU、AP、COCという補助金も出揃い、特にSGUは話題になっていたことも印象に残っています。
新聞記事に現れていないところでは、「100円朝食」や「ネット出願」「都心回帰」も今年よく聞かれたキーワードだったかなと思います。これらの取り組みはまだしばらく継続するのではないかと考えています。
皆さんの大学では、今年1年間どのような出来事が特徴的だったでしょうか?