北海道大学の人件費削減に思う。

 北海道大学の教員人事に関する方針が話題を呼んでいるようですね。 

elm-mori.hatenablog.com

 id:petite-cerise氏が詳細についてレポートしていますが、基本的には氏が言う通り、一般運営費交付金の削減に係る承継教職員の人件費削減の話でしょうね。

d.hatena.ne.jp

 個人的にちょっと気になったのは、以下の点です。

目標は退職者の不補充,任期付き教員の雇い止め等により達成することとされています。目標達成できない部局では、新規の採用・昇任人事が行えなくなるほか、部局配分経費がカットされます。(上記ブログ)

 新規の採用・承認人事が行えなくなるということは資料には明記されていませんが、どこかしらで言及されたのでしょうか。

なお、各部局における教員人件費ポイントの削減に当たっては、女性教員、外国人教員、再雇用教員及び若手教員の採用に当たって、全学から部局に対して付与された教員人件費ポイントからの削減を行うことはできないものとする。(上記ブログ内資料)

 一部特定の属性を持つ教員採用については、ポイント削減が出来ないようになっています。つまり、これらの属性を持つ教員の採用を促すということでしょうか。しかし、再雇用教員の採用にあたってポイントを削減しないという意図はイマイチわかりません。何かしら、北大特有の事情があるのでしょうか。

(1)削減の適用除外
 本方策は、次に掲げる部局等には、それぞれに掲げる理由により適用しない。
① 医学研究科

(2)削減率の特例

歯学研究科

  設置基準の必置専任教員数が多い部局については、削減の緩和が打ち出されています。同じように、獣医学研究科や教育学研究院といった免許関連部局と思われる部局も削減率が比較的緩和されているように見えますね。今後のポイント削減においては設置基準や各種免許法との関係も重要になってくるということでしょう。

削減計画の初年度である平成 29 年度にあっては、人件費削減額(▲8.5 億円)が大きいことに鑑み、以下の経過措置を講じる。

 よく分からないのが、なぜ平成29年度だけこのように削減幅が大きいのかということです。第2期中期目標期間中における総人件費改革(全学的な人件費ポイントのゆるやかな削減)の進展状況はどうだったのでしょうか。

 第2期中期目標・中期計画において、各法人には「「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(平成18年法律第47号)及び「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定)に基づき,人件費を削減する。」という中期計画を課せられていました。これは平成23年度までの毎年度において、平成17年度比1%ずつ人件費を削減するものです。北大の実績報告書を確認すると、平成24年度以降、本中期計画に係る年度計画が策定されておらず、平成24年度以降の人件費改革に係る状況が不明です。人件費改革に関する過年度の対応は気になるところですね。

 本件は、程度の差こそあれ、各法人において生じている話です。人件費を取るか、教育研究経費を取るか、ということでしょう。各法人も退職教員の不補充等で対応していると思いますので、北大も同様に対応することになるのでしょうね。

 企業でのリストラの実態や効果はよくわかりませんが、国立大学法人でのこのような人件費削減は単なる経費節減であり、一般運営費交付金の削減に対応している場合は削減した分の費用が何かに使えるわけではありません。新しい手に打って出にくいのが厳しいところですが、学生のことを考え、中長期的に何らか対応を取っていくのでしょうね。