2013-01-01から1年間の記事一覧

経費の不正使用?に思う 〜2つのミスリード〜

不正経理:山形大工学部、余剰金をプールし転用- 毎日jp(毎日新聞) 山形大工学部(山形県米沢市)が、国に単年度決算を義務付けられている教育研究活動費について、使い切れなかった分はプールし、施設維持・管理費などに転用していたことが大学関係者への…

課外活動の事故に思う 〜大学はどこまで責任を負うのか〜

野尻湖飛び込み死 駒沢大生の両親が大学を提訴 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 長野県信濃町の野尻湖で5月、合宿中の駒沢大学吹奏楽部の部員2人が湖に飛び込んで死亡した事故で、学生に対する安全配慮義務を怠ったとして、死亡した千葉県…

業務の理論的裏付けに思う 〜日本語論文の探し方〜

日頃、業務やSDを行っている中では、自分のやっていることがどのような経緯や理論の上で成り立っているのか、学会等でどのような最近の研究が行われているのか、気にするようにしています。個別の業務を一般化モデルにすることで、自分以外の者へ引き継ぐ際…

「仕事が好き」という気持ち 〜社畜にならないために〜

先の記事にはたくさんのアクセスをいただいたようでありがとうございました。さて、今回は、大学のお話というよりは、仕事への心の持ちようのお話。 私は今の仕事が好きです。依頼されたことは依頼者の想定以上のものを作り上げようと思いますし、依頼されて…

大学図書館に思う 〜機能別分化は可能か〜

第15回 図書館総合展 図書館総合展とは、図書館を使う人、図書館で働く人、図書館に関わる仕事をしている人達が、“図書館の今後”について考え、「新たなパートナーシップ」を築いていく場です。当日会場では、図書館にまつわる様々なフォーラムやプレゼンテ…

卒業認定厳格化に思う ~考えないといけない4つのこと~

東京新聞:大学の卒業認定厳格化へ 留年増でも補助金減額せず:話題のニュース(TOKYO Web) 政府の教育再生実行会議は29日、留年する学生が増えて定員を超過した場合、大学への補助金などが減額される現在の制度を緩和するよう提言する方針を固めた。成績の悪…

大学評価に思う 〜評価は改善に役立つのか〜

イベント情報 | 大学マネジメント研究会 大学創生エンジンは、大学マネジメント研究会の若手メンバーを中心とする大学創生エンジン2013実行委員会が企画・開催しています。(中略)第三回目となる今回は、外部評価、自己点検評価、学生からの評価、大学ラン…

会計検査院に思う ~経費執行の「最後の砦」~

平成25年度「公的研究費の管理・監査に関する研修会」資料:文部科学省 研究機関における公的研究費の運営、管理について、モニタリング責任者や運営、管理の責任者が担うべき役割や、今後機関に対して要請させて頂く事項を説明。 以前、記事「研究費の不正…

SDの成果に思う ~有体物を作り出すということ~

引き続いて、SD関係の記事です。今回はSDの成果について。 勉強会をやりましょう、人を集めましょう、やりました。では、その後は?どういう成果があったの?とは、勉強会を企画運営した方ならば、必ず聞かれることだと思います。また、それに関連して、その…

私立大学等改革総合支援事業に思う 〜改革状況のルーブリックになりうるか〜

私立大学等改革総合支援事業:文部科学省 文部科学省では、平成25年度より「大学力」の向上のため、大学教育の質的転換や、特色を発揮して地域の発展を重層的に支える大学づくり、産業界や国内外の大学等と連携した教育研究など、私立大学等が組織的・体系的…

国立大学法人の謝罪に思う 〜謝る必要があるのかないのか〜

大学教員がtwitter上で発言した内容について、大学が公式に謝罪文書を出したことで話題になっています。 「滅びろ!」「地獄に落ちろ!」「神に逆らう不届きものめ!」 東北大教授が千葉ロッテに罵詈雑言、「不適切ツイート」と大学が謝罪 (1/2) : J-CASTニ…

学内勉強会の作法に思う 〜意識しているたった1つのこと〜

学内の勉強会って、きっとやってる人いるんじゃないでしょうか。私もやってます。今日は、学内勉強会を実施する際に意識している作法についてです。なお、業務時間外に、広く大学の話をする勉強会を想定しています。 勉強会と言えば、IT系が他分野に先んじて…

国立大学のロゴマークに思う ~形それぞれ意味それぞれ~

前記事では校歌についてお話ししましたが、今回はロゴマークについてのお話し 現在、全ての国立大学でロゴマークや校章、シンボルマークが制定されています。大学公式HPを見ると、たいてい左上の大学名の隣に掲載されていますね。 以下は全てのマークを確認…

大学歌に思う ~古風な校歌、ポップな校歌~

ナタリー - 小田和正が母校・東北大学に校友歌をプレゼント 小田和正が東北大学の校友歌として「緑の丘」と題した歌を制作した。 小田和正さんは東北大学の出身で、同大合唱団にも所属されていました。同大合唱団出身の知人によれば、だいぶ個性的な人だった…

国立大学法人運営費交付金に思う 〜なぜ定員管理をするのか〜

国立大学の機能等について話をする際、税金が投入されているつまり多額の運営費交付金が国庫から支払われているということは、必ず話に上がります。また、運営費交付金総額が年々減少していることにより、国立大学の教育研究機能が年々低下しているという指…

学内SDに思う 〜SDの効果を高めるためには〜

前記事にてStaff Development(SD)について触れたので、引き続きBLOGのネタとしてSDに関する専攻研究を調べました。例えば、 名古屋大学 高等教育研究センター(大学職員の主体性を尊重した職務遂行能力の形成-国立大学を中心に-,夏目) CiNii 論文 - 大学…

奨学金問題に思う 〜あるいは国費支出の妥当性について〜

中日新聞:「奨学金」世代間で見方に差 経済状況、大きく変化:暮らし(CHUNICHI Web) 奨学金/文科省 給付制導入先送り/運動受け無利子枠は拡大 大学生の奨学金について、いくつかのメディアで取り上げられていました。 一口に奨学金と言っても、国から出資され…

大学職員の職能開発に思う 〜あるいは「専門性」の胡散臭さ〜

大学職員の職能開発、つまりStaffDevelopment(SD)について初めて言及されてからずいぶん経つという印象です。平成20年に出された中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」では、大学職員の職能開発について、以下のとおり書かれています。 大学職員…

JMOOCSにおもう

日本版「ムーク」来春始動 大学講義を無料ネット配信 :日本経済新聞 大学講義を無料でネット配信する「MOOC(ムーク、大規模公開オンライン講座)」と呼ばれるサービスが日本で2014年春に始まる。放送大学や東京大学、NTTドコモなどの産学が連携し、…

ベネッセのオピニオン「大学再編への期待」に思う

ベネッセのオピニオン 「大学再編への期待」 ベネッセ教育総合研究所 ベネッセ教育総合研究所のwebサイトは、幼児教育から大学教育まで幅広く情報をカバーしているサイトであるため、よくチェックしています。その中にベネッセのオピニオン(以下、本オピニ…

大学経営人材の養成に思う

出版・情報サービス - 出版物・出版活動 高等教育研究叢書 詳細 - さて本日は、高等教育業界では知らない人はいないだろう、山本眞一先生(以下、筆者)の研究報告(以下、本報告)の中で特に気になった点をひもときながら、いつものようにオチのない話を展開…

東京工業大学の修士まで最短4年のニュースに思う

東工大、最短4年で修士に 18年度から :日本経済新聞 東京工業大は入学から通常6年かかる修士号の取得を最短4年で可能にする新たな制度を、2018年度に全学で導入することを決めた。大学と大学院の全ての授業を難易度に応じて番号付けし、学年ではなく達成…

医学部新設のニュースに思う 〜抑制五分野とは何か〜

朝日新聞デジタル:東北に医学部新設「検討を」 安倍首相、文科相に指示 - 政治 河北新報 東北のニュース/東北薬科大が医学部新設へ 定員100人、総合医養成 河北新報 東北のニュース/医学部新設、反対を表明 全国医学部長病院長会議 安倍晋三首相は4日…

業務改善のジレンマ

※今回はいつも以上にまとまっておらず、書きっぱなしジャーマンスープレックスです。 業務改善というのはどこの大学でも行われていると思います。学長自ら業務改善に乗り出す大学や若手職員に業務改善を担わせる大学など、一口に業務改善といっても、切り口…

異動官職について思う

「異動官職」という言葉をご存知でしょうか?主に国立大学法人や高専機構所属高専など(以下、大学等)において、地域ブロック内の大学等の課長部長職や文科省からの出向のような形で全国の大学等の課長部長理事事務局長などに配属する方を指します。それに対…

大学ランキングに思う

World University Rankings - Home - Times Higher Education TIMES Higher EducationのWorld University Ranking 2013-2014が発表されました。きっと、日本の大学がどうだこうだとかは他の方がお話しされるでしょうから、少し違ったことを書きます。 World …

大分大学の教職大学院設置のニュースに思う

大分大「教職大学院」開設へ…統合10周年 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) またしても大分大学の記事ですが、私は大分大学の関係者ではありません。 旧大分大と大分医科大が統合した大分大は1日、開学10周年を迎えた。大分市のホテルで…

博士課程教育リーディングプログラムの採択結果に思う〜あるいは、2つの技術科学大学について〜

平成25年度「博士課程教育リーディングプログラム」の採択プログラムの決定について:文部科学省 平成25年度の博士課程教育リーディングプログラムの採択結果が公表されました。その中で目についたのが、旧帝大に並んでの「豊橋技術科学大学」の採択。豊橋技…

東京大学広報誌「淡青」に思う

国立大学が法人化して以降、各大学は広報活動に力を入れており、昔ながらの明朝体で誰が呼んでいるのかわからないような広報誌からの脱皮を図っています。例えば、東京大学の「ACADEMIC GROOVE」や三重大学の「三重大X」などが代表格でしょうか。 そんな中、…

大分大学の禁煙推進担当学長特別補佐のニュースに思う

大分大に禁煙推進担当…学生喫煙率ゼロ目指す : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 健康増進法などもあり、公共スペースから喫煙場所がどんどん隔離および消滅しています。私は喫煙者ではないので特に思うところはありませんが、喫煙者の皆さんに…