学生の選挙活動には注意すべきことがある。

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衆議院は、正午から開かれた本会議で、大島衆議院議長解散詔書を読み上げ、解散されました。各党は、来月10日公示、22日投票の衆議院選挙に向けて、事実上の選挙戦に入ります。

 衆議院が解散となり、10月22日投票の選挙戦となりました。選挙権年齢が18歳に引き下げられたこともあり、今回も大学に期日前投票所が設けられるかもしれません(前回の参院選と異なり予期されなかった選挙ですので、可能性はそれほど高くはないかもしれませんが…)

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 学生による選挙活動も色々なところで行われるとは思いますが、そんな中思い出すのは学生が公職選挙法違反に巻き込まれた?事件ですね。

違法選挙バイト、学内に掲示 報酬もらい被買収容疑 宮崎【西部】 

 11月の衆院選で、運動員としての届けがないのに宮崎1区の無所属候補派の陣営から報酬を受け取ったとして、宮崎県警が、宮崎公立大(宮崎市、浜野崇好学長)の学生10人を公選法違反(被買収)の容疑で書類送検していたことが5日、分かった。学生たちは、陣営が大学学生課に依頼して学内の掲示板に掲示したアルバイト募集の求人票をみて応募していた。

 調べでは、学生たちは、同選挙区で立候補し落選した小城正克氏派の選挙運動総括主宰者、無職A被告(45)ら2被告=いずれも公選法違反(事後買収)の罪で起訴=から、選挙後の11月11日ごろ、宮崎市内の選挙事務所などで、ビラ配りや街頭演説などを手伝った報酬計約23万円を受け取ったとされる。

 公選法では、報酬を受け取っての運動は選挙カーの運転や手話通訳などに限られ、県選挙管理委員会への届け出も必要だが、A被告らは届け出ていなかった。

 大学によると、衆院選公示前の10月23日、A被告から同大学生課にファクスで求人票が届き、掲示を依頼された。「こじょう正克後援会事務所」の名で、業務は「事務一般」、時給は1千〜800円だった。

 同大の山根彰事務局長は「小城氏が立候補していたことは、職員はみな知っていたが掲示を取りやめなかった。本当に申し訳ない」と話している。

(2003年12月05日 朝日新聞夕刊)

「動機は若さの訴え」 小城氏陣営の2人、大学生買収初公判/宮崎

 衆院選の宮崎1区で落選した小城正克氏派の選対幹部で、公選法違反(事後買収)の罪に問われた日向市高砂町、無職A被告(45)と宮崎市霧島2丁目、同B被告(54)の初公判が24日、宮崎地裁(蛭田振一郎裁判官)であった。検察側は両被告が宮崎公立大学生に金を渡し選挙運動させたのは「候補者の周りを若者で固め、若さをアピールするためだった」と指摘した。両被告は起訴事実を認めた。

 起訴状によると、両被告は11月11日ごろ、同市内の選挙事務所などで、運動を手伝った大学生10人に報酬計約23万円を手渡したとされる。

 大学生10人は同法違反容疑で書類送検された。被告人質問でA被告は「公選法の細かい規定には無知だったはず。将来を考えると申し訳ない」と学生らに謝罪した。

●宮崎公立大が再発防止へ対策

 宮崎市の宮崎公立大(浜野崇好学長)で24日、事務組合議会が開かれ、同大が掲示した求人票に応じ選挙事務所でアルバイトした学生が公選法違反(被買収)容疑で書類送検された問題について、大学側が経緯を説明した。事務局のミスを認め、(1)選挙関係の求人は一切受け付けない(2)掲示の決定は職員ではなく課長決裁にする、などの対策を始めたことが報告された。

(2003年12月25日 朝日新聞朝刊 )

  書類送検された学生は、最終的には地検で不起訴処分になりました。新聞データベースを調べたところ、神奈川県や大阪府静岡県、福岡県などでも、県議選や府議選にて、同様の事件が発生していました。

 上記の宮崎県の事件は14年ほど前のものではありますが、現在でも公職選挙法には選挙活動について様々な制約が記されおり、学生が抵触する可能性があります。

公職選挙法

(買収及び利害誘導罪)
第二百二十一条  次の各号に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
一  当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。
二  当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対しその者又はその者と関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導をしたとき。
三  投票をし若しくはしないこと、選挙運動をし若しくはやめたこと又はその周旋勧誘をしたことの報酬とする目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し第一号に掲げる行為をしたとき。
四  第一号若しくは前号の供与、供応接待を受け若しくは要求し、第一号若しくは前号の申込みを承諾し又は第二号の誘導に応じ若しくはこれを促したとき。
五  第一号から第三号までに掲げる行為をさせる目的をもつて選挙運動者に対し金銭若しくは物品の交付、交付の申込み若しくは約束をし又は選挙運動者がその交付を受け、その交付を要求し若しくはその申込みを承諾したとき。
六  前各号に掲げる行為に関し周旋又は勧誘をしたとき。

 選挙活動に対する注意点については、概ね以下のサイトにまとめられています。

大学生として知っておきたい選挙違反 ~18歳選挙権時代を考える~

18歳からの政(まつりごと)入門(10) 選挙運動に報酬はない|大石格|日経カレッジカフェ | 大学生のためのキャリア支援メディア

選挙運動の「アルバイト」はルール違反!? 選挙を手伝うときの「注意ポイント」 - 弁護士ドットコム

 職員としても押さえておきたいところですね。