大学教育再生加速プログラムに思う 〜新しい申請形式は広まるか〜

平成26年度「地(知)の拠点整備事業」公募説明会及び「大学教育再生加速プログラム」事業説明会の開催について:文部科学省

 文部科学省では、平成25年度から、大学等が自治体と連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める大学等を支援することで、課題解決に資する様々な人材や情報・技術が集まる、地域コミュニティの中核的存在としての大学の機能強化を図ることを目的として「地(知)の拠点整備事業」を実施しています。

 また、平成26年度から、これまでの大学教育改革の成果をベースとし、教育再生実行会議等で示された新たな方向性(アクティブ・ラーニング、学修成果・指標モデル、入試改革・高大接続 等)に合致した先進的な取組を実施する大学を支援することで、国として進めるべき大学教育改革を一層推進することを目的として、「大学教育再生加速プログラム」を実施します。

 文部科学省HPに2つの外部資金に係る説明会の案内が掲載されています。そのうち、「大学教育再生加速プログラム」は今回が初のお披露目となり、本説明会でもまずは事業概要の説明を行うようです。

 webページにはすでに同プログラムの概要図が掲載されています。アクティブ・ラーニング、学修成果・指標モデル、入試改革・高大接続の3つのテーマについて、それぞれプロジェクトを募集するようですね。

 いくつか気になった点があります。

 文科省は、各テーマ毎、各テーマ共通の評価指標を事前に設定(それ以外に各大学個別の評価指標の設定は必須)

 どのような指標を設定するのか気になるところです。成果指標の設定は常に課題になるところですので、単純に「アクティブ・ラーニングを行っている授業○件」とするのではなく、より効果的な指標を示してほしいですね。そうすれば、今回採用されなかった大学においても、それを参考にして指標設定ができるでしょうし。

 大学等(大学、短大、高専)は、各テーマに合致したプロジェクトを申請(1大学1申請) 

 左側にある矢印の図中では、「個別学部・学科の改革プロジェクトを申請 」とありますが、プロジェクト単位は大学ではなく学部・学科単位なのでしょうか。だとすると、だいぶ小粒のプロジェクトという印象を受けます。より実質化を図っているとも考えられますが、年間500万円程度ならばその範囲が適当なのでしょうか。

 これまでの教育改革の取組状況について、事前に設定した基準をクリアした大学等のみ審査対象 

・全学での単位の上限設定(CAP制)  ・シラバスの充実(内容まで評価)  ・全教職員へのFD・SD   ・ティーチング・アシスタントの充実      ・全学でのGPAの充実(利活用まで評価)      等 

 恐らく最も重要な部分でしょう。外形的な部分のみではなく、内容・利活用まで評価されるようですし、どのような基準が示されるか注目です。全学での土台が作られている上で、各学部・学科の優れた取組を誘導するといったところでしょうか。

私立大学等改革総合支援事業に思う 〜改革状況のルーブリックになりうるか〜 - 大学職員の書き散らかしBLOG

 私立大学等改革総合支援事業の申請も、同様に大学の取組内容を申請の前提条件にしています。今後、国公私が対象となる事業には、同様の手法が取られるだろうと考えられます。

 補助事業自体がスタートアップ支援型から取組高度化への転換される中、大学として基本的(と指定されているよう)な取組は自力で整備していかなればならなくなります。基本的な取組はもちろん他大学でも行われているでしょうから、他大学の取組情報を収集し自大学に合うタイプを考えることが、職員として力を発揮できるところだろうなと思っています。