大学教員は更新講習を受講することができない。
最近、教員から何件か教員免許状更新講習(更新講習)に関する相談を受けています。その内容は、講習の内容ではなく、「自分の持っている教員免許状が修了確認期限を迎えるのだがどうすれば良いか」「今年の更新講習で講師を務めたが、講習は免除されるのか」といったものです。結論から言うと、そもそも大学教員が更新講習を受講できるケースは少なく、結果として保有する免許状は一時的な休眠あるいは失効状態になることが多いと考えます。
まずは根拠法を確認します。
(効力)
第九条 普通免許状は、その授与の日の翌日から起算して十年を経過する日の属する年度の末日まで、すべての都道府県(中学校及び高等学校の教員の宗教の教科についての免許状にあつては、国立学校又は公立学校の場合を除く。次項及び第三項において同じ。)において効力を有する。(有効期間の更新及び延長)
第九条の二 免許管理者は、普通免許状又は特別免許状の有効期間を、その満了の際、その免許状を有する者の申請により更新することができる。
3 第一項の規定による更新は、その申請をした者が当該普通免許状又は特別免許状の有効期間の満了する日までの文部科学省令で定める二年以上の期間内において免許状更新講習の課程を修了した者である場合又は知識技能その他の事項を勘案して免許状更新講習を受ける必要がないものとして文部科学省令で定めるところにより免許管理者が認めた者である場合に限り、行うものとする。(免許状更新講習)
第九条の三
3 免許状更新講習は、次に掲げる者に限り、受けることができる。
一 教育職員及び文部科学省令で定める教育の職にある者
二 教育職員に任命され、又は雇用されることとなつている者及びこれに準ずるものとして文部科学省令で定める者
第六十一条の四 免許管理者は、免許法第九条の二第一項の規定による申請をした者(免許法第九条の三第三項各号に掲げる者に限る。)が次の各号のいずれかに該当する者(第一号、第二号及び第五号に掲げる者については、最新の知識技能を十分に有していないと免許管理者が認める者を除く。)であるときは、免許法第九条の二第三項の規定により、免許状更新講習を受ける必要がないものとして認めるものとする。
三 免許状更新講習の講師
四 国若しくは地方公共団体の職員又は次に掲げる法人の役員若しくは職員で、前二号に掲げる者に準ずる者として免許管理者が定める者
イ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人及び同条第三項に規定する大学共同利用機関法人
ロ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人
ハ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人
(講習を受講できる者)
第九条 免許法第九条の三第三項第一号に規定する文部科学省令で定める教育の職にある者は、次に掲げる者であって、普通免許状若しくは特別免許状を有する者、普通免許状に係る所要資格を得た者、教員資格認定試験に合格した者、免許法第十六条の三第二項若しくは第十七条第一項に規定する文部科学省令で定める資格を有する者又は教育職員免許法施行法(昭和二十四年法律第百四十八号)第二条の表の上欄各号に掲げる者とする。
一 校長、副校長、教頭、実習助手、寄宿舎指導員、学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第七条に規定する職員その他の学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員のうち栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭並びに栄養教諭以外の者並びに教育委員会の事務局において学校給食の適切な実施に係る指導を担当する者並びに免許法施行規則第六十九条の三に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校又は就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(以下「幼保連携型認定こども園」という。)(次項第一号において「学校」という。)において専ら幼児、児童又は生徒の養護に従事する職員で常時勤務に服する者
二 指導主事、社会教育主事その他教育委員会において学校教育又は社会教育に関する専門的事項の指導等に関する事務に従事している者として免許管理者が定める者
三 国若しくは地方公共団体の職員又は次に掲げる法人の役員若しくは職員で、前号に掲げる者に準ずる者として免許管理者が定める者
イ 国立大学法人法第二条第一項に規定する国立大学法人及び同条第三項に規定する大学共同利用機関法人
ロ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人
ハ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人
ニ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人(幼保連携型認定こども園を設置するものに限る。)
ホ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であつて、文部科学大臣が指定したもの
四 前三号に掲げる者のほか、文部科学大臣が別に定める者
2 免許法第九条の三第三項第二号に規定する文部科学省令で定める者は、次に掲げる者であって、普通免許状若しくは特別免許状を有する者、普通免許状に係る所要資格を得た者、教員資格認定試験に合格した者、免許法第十六条の三第二項若しくは第十七条第一項に規定する文部科学省令で定める資格を有する者又は教育職員免許法施行法第二条の表の上欄各号に掲げる者とする。
一 学校の校長、副校長、教頭又は教育職員であった者であって、教育職員となることを希望する者(前項第一号から第三号までに該当する者を除く。)
二 次に掲げる施設に勤務する保育士(国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の四第五項に規定する事業実施区域内にある施設にあっては、保育士又は当該事業実施区域に係る国家戦略特別区域限定保育士)
イ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第六項に規定する認定こども園(幼保連携型認定こども園を除く。)
ロ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十九条第一項に規定する保育所
ハ 児童福祉法第五十九条第一項に規定する施設のうち同法第三十九条第一項に規定する業務を目的とするもの(幼稚園を設置する者が設置するものに限る。)
三 教育職員に任命され、又は雇用されることが見込まれる者
おそらく、教育職員免許法施行規則第61条の4第1項第3号に更新講習の講師は更新講習を受講する必要がない旨規定されているため、講師を務めた自分自身の取り扱いについて疑義が生じているものと推測できます。ただし、そもそも、更新講習規則第9条第1項及び第2項に定める更新講習を受講できる者に「大学教員」は含まれていません。そのため、「大学教員」という立場だけでは、基本的には更新講習を受講できず、免許状を更新することができないと考えます。
ちなみに、教育職員免許法施行規則第61条の4第1項第4号には大学の職員に関する言及がありますが、教員免許更新制の実施に係る関係省令等の整備について(通知)(平成20年4月1日文部科学事務次官)では、
具体的には以下の職にある者が想定されるが、この他の職にある者についても、上記の観点から各都道府県の判断により適切に定めること。
学校法人の理事長
学校法人の理事
第61条の4第1項第1号及び第2号に定める職に就いたことのある者であって、国等の学校教育又は社会教育に関する専門的事項に関する職にある者
と例示されています。また、例えば和歌山県教育委員会の例を見ると、大学等に派遣されている元学校教員などが想定されているのだと思われます。この点は各都道府県教育委員会によって異なると思われますので、必要に応じて確認が必要でしょう。
さて、基本的には大学教員は更新講習を受講できないとしましたが、以下の場合においては、現在の立場が「大学教員」であっても更新講習を受講できると考えます。
- 過去に学校にて教育職員として勤務した経験がある者(更新講習規則第9条第2項第1号)
- 学校の教育職員を兼務している者(例:教育学部教授が附属学校長となっている場合、大学教員が同一法人内の学校で非常勤講師として勤務している場合など)(更新講習規則第9条第1項第1号)
- 教育委員会や学校法人等との協議の上、当該機関等で勤務する者を一括して「教育職員となることが見込まれる者」と取り扱う場合に含まれる者
3番目のケースについては、教員免許更新制の実施に係る関係省令等の整備について(通知)(平成20年4月1日文部科学事務次官)において
また、大学、高等専門学校、研究機関、青少年教育施設その他の特定の機関等に勤務する者について教員になる可能性が高いと認められる場合には、当該機関等と教育委員会や学校法人等との協議の上、当該機関等で勤務する者を一括して「教育職員となることが見込まれる者」として認めることも可能とすること。
とあるため、対応は不可能ではないと考えています。ただし、私はこの例を適用している機関を知りません。もしかしたら、教育単科大学にて教育委員会との協議の上対応している例があるのかもしれません(しかし、この場合は受講対象者である証明を誰からもらうのでしょうか)。
もし、上記の3ケースに該当し、かつ、更新講習受講期間(修了確認期限または有効期間満了日の2年2ヶ月前から2ヶ月前までの間)に更新講習の講師を務めた場合は、更新講習の受講が免除される可能性があります(厳密に言えば、旧免許状所持者の場合は、2番目のケースのみ免除される可能性があり、1番目と3番目のケースは免除の対象となりません)。免除を受けるには各都道府県教育委員会に申請が必要となりますので、忘れずに問い合わせる必要がありますね。
このように、教員免許更新制から大学教員は除外されていると感じますが、良し悪しもあるなと思っています。特に、国立大学の教員養成系学部においては「ミッションの再定義」にて学校現場で指導経験のある大学教員の割合を向上させる目標を記載している(実質的には書かされた?)こと、また、教員需要の減少期における教員養成・研修機能の強化に向けて―国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議報告書―において教育学部と附属学校との連携の重要性が記載されている状況の中で、附属学校の教育活動に大学教員が携わる際に必ずしも教員免許状が必要ではないとは言え、そもそも大学教員は更新講習の受講すらできないということはもう少し何とかならないかと感じています。
ケースメソッドから考えるメタ認知の大切さ
週末は金沢で行われたケースメソッドの勉強会に参加していました。実際に生じた事例(ケース)をシナリオ化しその際の意思決定を追体験するとともに、自分自身でもシナリオ作りを体験すると言うなかなか個性的な内容であり、自分の弱み(予算の裏付けへの対応が十分ではないこと)を知れたのは収穫でした。そんな中、最も印象に残ったのは、終了後の懇親会にて企画運営者が発言された「ケースシナリオを作っていると、今自分自身が直面している困難すらも如何にしてケースシナリオに落とし込むか、考えてしまう」と言うことです。これってまさにメタ認知のことだなと感じました。
色々と自分の意に沿わないことも多い中で、当然、自分の感情も左右されます。ただ、それに振り回されるのではなく、自分の言動は果たして自分が目指すところに近づくものだったのか、一歩引いて省みないといけないなと思っています。そうしなければ、自分の思考や言動を変えることや他者に影響を与えることができず、結局は何も変わらず、変えることができません。
振り返ってみると、ケースメソッドを体験した際には、シナリオ上に主役として設定された人物としての視点(一人称視点:FPV)とそれを取り巻く状況を俯瞰する視点(三人称視点:TPV)を往還しながら、自身の意思決定を組み立てていました。当然これはシナリオ上だからできることであり、現実では他者との理解協働を通じてTPVを得て行くこととなります。メタ認知には、職務や職階、学内外などを超えて、他者の存在が大きく影響するのかもしれません。
意思決定のトレーニングのみならず、ケースメソッドには自分自身の内省を進める効果もあるなと感じた次第です。次回は2月に開催されるようです。興味のある方は参加されてはいかがでしょうか。
【研修拠点】SDリーダー養成プログラム -2nd half 合宿型研修-(2/3-4)
金沢大学SDLP(合宿型研修)では参加者が「研修バックワードデザインスキル」及び「SDリーダー研修設計・実践プログラム」を通して、SD研修を設計・運営できるスキル、「組織デザインと組織埋め込みスキル学習プログラム」を通して、企画・設計したSD研修を自大学で実践・定着させるスキルを学習し、SDリーダーとしてケースメソッド型SDを実施することを目的として開催いたします。
大学の名を冠した駅はどれほどあるのか。
相模鉄道は11日、JR東日本に乗り入れる直通線について、横浜市神奈川区に設ける新駅の名称を、近くの横浜国立大学(保土ヶ谷区)にちなんで「羽沢横浜国大」とする方針を明らかにした。
新しく横浜国立大学の名を冠した駅ができるようです。横浜国立大学には何度か行ったことがありますが、現在の最寄駅である横浜市営地下鉄三ッ沢上町駅からはだいぶ登り坂を歩いた記憶がありますので、それが解消されるのでしょうね。ところで、大学の名を冠した駅って、全国にどれほどあるのでしょうか。
上記wikipediaのページから、駅名に「学」「大」が付く駅・停留所のうち、近隣施設に大学等の記載があるものを以下のとおり抽出しました。そのため、例えば「大泉学園駅」など、大学附属学校等のみが駅周辺施設のものは記載していません。また、wikipediaに記載されていた関連情報を併記しています。一部、見落としがあるかもしれません。
都道府県 | 駅名 | 路線名 | 主な最寄り大学等 | 備考・特記事項 |
---|---|---|---|---|
北海道 | あいの里教育大駅 | JR北海道札沼線 | 北海道教育大学札幌校 | ※あいの里教育大学と言う大学は存在しない |
北海道 | 学園前駅 | 札幌市営地下鉄東豊線 | 北海学園大学 北海商科大学 |
|
北海道 | 北海道医療大学駅 | JR北海道札沼線(学園都市線) | 北海道医療大学当別キャンパス | ※大学名が変更されたため、大学前駅から北海道医療大学駅に改称 |
青森県 | 弘前学院大前駅 | 弘南鉄道大鰐線 | 弘前学院大学 | ※2008年8月31日までは西弘前駅であったが、地元住民・商店街に事前に連絡もなく1週間前に改名が発表された |
宮城県 | 東北福祉大前駅 | JR東日本仙山線 | 東北福祉大学ステーションキャンパス館 | |
福島県 | 福島学院前駅 | 阿武隈急行線 | 福島学院大学宮代キャンパス | |
茨城県 | 研究学園駅 | 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス | ※筑波大学の最寄り駅ではない | |
栃木県 | 板倉東洋大前駅 | 東武鉄道日光線 | 東洋大学板倉キャンパス | ※地元請願によって建設された請願駅 |
栃木県 | 自治医大駅 | JR東日東北本線 | 自治医科大学 | |
群馬県 | 高崎商科大学前駅 | 上信電鉄上信線 | 高崎商科大学 | |
埼玉県 | 獨協大学前駅 | 東武鉄道伊勢崎線 | 獨協大学 | ※駅名称変更に要する費用(約3億円)は獨協大学が全額負担する |
千葉県 | 印旛日本医大駅 | 北総鉄道・京成電鉄 | 順天堂大学さくらキャンパス | ※駅名に「印旛日本医大」とあるが、日本医科大学のキャンパスがあるのではなく、付属病院である「日本医科大学千葉北総病院」があることからこの名がある |
千葉県 | 学園前駅 | 京成電鉄千原線 | 千葉明徳短期大学 | ※「学園前」という駅名称は、元々この地に明治大学のキャンパスが建設される計画を考慮して付与されたものであるが、この計画は後に中止となった |
千葉県 | 女子大駅 | 山万ユーカリが丘線 | 和洋女子大学セミナーハウス | ※和洋女子大学の移転(誘致計画では1982年)を見越してこの駅名が付けられたが、同大学の移転は中止となった |
千葉県 | 船橋日大前駅 | 東葉高速鉄道東葉高速線 | 日本大学船橋校舎 | ※日本大学関係者による請願駅として開設が決まったもので、駅舎の設計も同大学の教授が行った |
東京都 | 大塚・帝京大学駅 | 多摩都市モノレール線 | 帝京大学八王子キャンパス | ※多摩モノレール側は当初「大塚駅」で公示予定で準備も進めていたが、急に帝京大学側から、「『帝京大学駅』にして欲しい」との要望があったことから、併記の形となった |
東京都 | 学芸大学駅 | 東京急行電鉄東横線 | ※東京学芸大学が移転した後も名称が変わらず | |
東京都 | 学習院下停留場 | 都電荒川線 | 学習院大学 | |
東京都 | 駒沢大学駅 | 東京急行電鉄田園都市線 | 駒澤大学 | |
東京都 | 駒場東大前駅 | 京王電鉄井の頭線の駅 | 東京大学駒場キャンパス | |
東京都 | 成城学園前駅 | 小田急電鉄小田原線 | 成城大学 | ※「財団法人成城学園」の要請を請ける形で駅を設置したことから「成城学園前」となる |
東京都 | 玉川学園前駅 | 小田急電鉄小田原線 | 玉川大学 | ※玉川学園が駅を誘致して宅地開発を行い、その資金で学校建設を行うために開設された |
東京都 | 中央大学・明星大学駅 | 多摩都市モノレール線 | 中央大学多摩キャンパス 明星大学日野キャンパス |
※新駅名称を周辺自治会および中央大学が「中央大学駅」を、明星大学が「明星大学駅」をそれぞれ主張し、地元議員・周辺自治会を巻き込んだ陳情が行われ、また一部には地名の東中野を含めてほしいという意見もあった |
東京都 | 東大前駅 | 東京メトロ南北線 | 東京大学 | |
東京都 | 都立大学駅 | 東京急行電鉄東横線 | ※1991年に都立大学は敷地が手狭であったことなどから、広大な用地が確保できる多摩ニュータウンへ移転したが、駅名は変更されなかった | |
東京都 | 一橋学園駅 | 西武鉄道多摩湖線 | 一橋大学小平国際キャンパス | ※一橋大学駅と小平学園駅を統合し、一橋学園駅が開業 |
東京都 | 明大前駅 | 京王電鉄 | 明治大学和泉校舎 | ※1935年に、明治大学予科(当時)が駅の近くに移転したのに伴い、「明大前」(明治大学前)と名付けられる |
神奈川県 | 県立大学駅 | 京浜急行電鉄本線 | 神奈川県立保健福祉大学 | |
神奈川県 | 市大医学部駅 | 横浜シーサイドライン金沢シーサイドライン | 横浜市立大学 | |
神奈川県 | 東海大学前駅 | 小田急電鉄小田原線 | 東海大学湘南キャンパス 神奈川大学湘南ひらつかキャンパス |
|
神奈川県 | 六会日大前駅 | 小田急電鉄江ノ島線 | 日本大学湘南校舎 | ※現在の駅名は日本大学の請願により「湘南日大前」という駅名が提案されたことに始まる |
新潟県 | 新潟大学前駅 | JR東日本越後線 | 新潟大学五十嵐キャンパス | |
富山県 | 大学前停留場 | 富山地方鉄道富山市内軌道線呉羽線 | 富山大学五福キャンパス | |
石川県 | 野々市工大前駅 | 北陸鉄道石川線 | 金沢工業大学 | ※野々市工業大学と言う大学は存在しない |
福井県 | 福大前西福井駅 | えちぜん鉄道三国芦原線 | 福井大学文京キャンパス | |
山梨県 | 都留文科大学前駅 | 富士急行大月線 | 都留文科大学 | ※都留文科大学周辺でのまちづくりのために設置が要望された請願駅である |
長野県 | 北新・松本大学前駅 | アルピコ交通上高地線 | 松本大学 | ※松本大学開校により2002年に現駅名に改称 |
長野県 | 大学前駅 | 上田電鉄別所線 | 長野大学 | |
静岡県 | 常葉大学前駅 | 天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線 | 常葉大学浜松キャンパス | ※浜松大学の名称変更に伴い常葉大学前駅に改名 |
愛知県 | 愛知大学前駅 | 豊橋鉄道渥美線 | 愛知大学 | ※愛知大学が豊橋駅から豊橋校舎までのスクールバスを廃止したため1968年に大学前駅として営業再開し、2005年より現在の愛知大学前へと改称している |
愛知県 | 大森・金城学院前駅 | 名鉄瀬戸線 | 金城学院大学 | |
愛知県 | 芸大通駅 | 愛知高速交通東部丘陵線 | 愛知県立芸術大学 | |
愛知県 | 徳重・名古屋芸大駅 | 名古屋鉄道犬山線 | 名古屋芸術大学 | ※名古屋芸術大学との契約により2005年より現在の駅名を使用しているが、旧駅名が通称として用いられている。 |
愛知県 | 名古屋大学駅 | 名古屋市営地下鉄名城線 | 名古屋大学東山キャンパス | |
三重県 | 暁学園前駅 | 三岐鉄道三岐線 | 四日市大学 | ※暁学園が萱生城跡へ本部移転するのに合わせて移設し、暁学園前駅に改称 |
滋賀県 | 大学前駅 | 近江鉄道本線 | びわこ学院大学 | |
京都府 | 鍼灸大学前駅 | JR西日本山陰本線 | 明治国際医療大学 | ※旧名の明治鍼灸大学にちなむ |
京都府 | 京都精華大前駅 | 叡山電鉄鞍馬線 | 京都精華大学 | |
大阪府 | 大阪教育大前駅 | 近鉄大阪線 | 大阪教育大学柏原キャンパス | ※大阪教育大学の移転に伴い、同大学と柏原市からの要請を受けて1991年に開業した駅 |
大阪府 | 関大前駅 | 阪急電鉄千里線 | 関西大学千里山キャンパス | ※花壇前駅→千里山遊園駅→千里山厚生園駅→千里山遊園駅→女子学院前駅→花壇町駅→関大前駅と日本で最も駅名を変更した駅として知られている |
大阪府 | 阪大病院前駅 | 大阪モノレール彩都線 | 大阪大学吹田キャンパス | ※彩都線は大阪大学医学部および付属病院の要請を受け、万博記念公園から当駅までが先行して整備された |
兵庫県 | 学園都市駅 | 神戸市営地下鉄西神・山手線 | 兵庫県立大学 神戸市外国語大学 |
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奈良県 | 学園前駅 | 近鉄奈良線 | 帝塚山大学 | ※男子校の新設を望んでいた帝塚山学院と沿線開発を推し進める近鉄の考えが一致し、1941年に帝塚山学園の帝塚山中学校が開校し、学園の最寄に当駅が設けられた |
奈良県 | 学研北生駒駅 | 近畿日本鉄道けいはんな線 | 奈良先端科学技術大学院大学 | ※奈良先端大学前の副名称がつけられている |
和歌山県 | 和歌山大学前駅 | 南海電気鉄道南海本線 | 和歌山大学栄谷キャンパス | ※1984年に和歌山県や和歌山市および和歌山大学が設置を要望したことが始まりである |
鳥取県 | 鳥取大学前駅 | JR西日本山陰本線 | 鳥取大学鳥取キャンパス | ※鳥取県及び鳥取市の要望で設置された駅 |
広島県 | 山陽女子大前駅 | 広島電鉄宮島線 | 山陽女子短期大学 | |
香川県 | 農学部前駅 | 高松琴平電気鉄道長尾線 | 香川大学三木町農学部キャンパス | |
愛媛県 | 愛大医学部南口駅 | 伊予鉄道横河原線 | 愛媛大学医学部 | |
福岡県 | 九州工大前駅 | JR九州鹿児島本線 | 九州工業大学 | |
福岡県 | 小波瀬西工大前駅 | JR九州日豊本線 | 西日本工業大学 | |
福岡県 | 九産大前駅 | JR九州鹿児島本線 | 九州産業大学 | ※建設にあたり九州産業大学が建設費(約1億2千万円)のうち半分を負担 |
福岡県 | 九大学研都市駅 | JR九州筑肥線 | 九州大学伊都キャンパス | ※九州大学移転事業に伴って進められている伊都土地区画整理事業の一環として設置された駅である |
福岡県 | 教育大前駅 | JR九州鹿児島本線 | 福岡教育大学 | |
福岡県 | 久留米大学前駅 | JR九州久大本線 | 久留米大学 | |
福岡県 | 箱崎九大前駅 | 福岡市地下鉄箱崎線 | 九州大学箱崎キャンパス | |
福岡県 | 福大前駅 | 福岡市地下鉄七隈線 | 福岡大学 | |
福岡県 | 福工大前駅 | JR九州鹿児島本線 | 福岡工業大学 | |
福岡県 | 馬出九大病院前駅 | 福岡市地下鉄箱崎線 | 九州大学医学部・歯学部・薬学部 | |
長崎県 | 大学駅 | 松浦鉄道西九州線 | 長崎県立大学佐世保校 | |
長崎県 | 大学病院前停留場 | 長崎電気軌道 | 長崎大学医学部・歯学部 | |
長崎県 | 長崎大学前停留場 | 長崎電気軌道 | 長崎大学文教キャンパス | |
熊本県 | 崇城大学前駅 | JR九州鹿児島本線 | 崇城大学 | |
熊本県 | 東海学園前駅 | JR九州豊肥本線 | 東海大学熊本キャンパス | |
大分県 | 大分大学前駅 | JR九州豊肥本線 | 大分大学旦野原キャンパス | ※「JR豊肥線大分大学前駅設置期成会」により2000年秋ごろから新駅設置が働きかけられていた |
大分県 | 別府大学駅 | JR九州日豊本線 | 別府大学 | |
鹿児島県 | 純心学園前停留場 | 鹿児島市電唐湊線 | 鹿児島純心女子短期大学 |
改めて見返すと、大学トリビアの宝庫だなと感じます。大学の名称変更に合わせて駅名を変えたもの、大学が移転したにも関わらず名称が以前のままのもの、移転計画を見込んで名称を付したものの移転されなかったもの、大学等の要請により設置されたもの、本当に様々ですね。調べていて非常に楽しく、調べてまとめるというBLOGの楽しさを思い出しました。
「新しい経済政策パッケージ」における大学関連箇所
平成29年12月8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」が公表されました。同パッケージから、特に大学に関連する箇所を抽出しました。なお、本記事では省略していますが、文章の補注にも重要な情報が記載されていますので、興味のある方はご一読ください。
第2章 人づくり革命
3.高等教育の無償化
(これまでの取組と基本的考え方)
高等教育は、国民の知の基盤であり、イノベーションを創出し、国の競争力を高める原動力でもある。大学改革、アクセスの機会均等、教育研究の質の向上を一体的に推進し、高等教育の充実を進める必要がある。
高等教育の負担軽減については、これまでも、授業料減免の拡大とともに、奨学金制度については、有利子から無利子への流れを加速し、必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるよう充実を図ってきているほか、返還猶予制度の拡充による返還困難時の救済策の充実などに取り組んできた。また、今年度からは、意欲と能力があるにもかかわらず、経済的理由によって進学を断念することがないよう、給付型奨学金制度を新たに創設したほか、卒業後の所得に連動して返還月額が決定されることによって、所得が低い状況でも無理なく返還することを可能とする新たな所得連動返還型奨学金制度を導入した。また、無利子奨学金についても低所得者世帯の子供に係る成績基準を実質的に撤廃するとともに、残存適格者を解消することとした。
最終学歴によって平均賃金に差があることは厳然たる事実である。また、貧しい家庭の子供たちほど大学への進学率が低い、これもまた事実である。貧困の連鎖を断ち切り、格差の固定化を防ぐため、どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校、大学に進学できる社会へと改革する。所得が低い家庭の子供たち、真に必要な子供たちに限って高等教育の無償化を実現する。このため、授業料の減免措置の拡充と併せ、給付型奨学金の支給額を大幅に増やす。
(具体的内容)
低所得者層の進学を支援し、所得の増加を図り、格差の固定化を解消することが少子化対策になるとの観点から、また、真に支援が必要な子供たちに対して十分な支援が行き届くよう、支援措置の対象は、低所得世帯に限定する。
第一に、授業料の減免措置については、大学、短期大学、高等専門学校及び専門学校(以下「大学等」という。)に交付することとし、学生が大学等に対して授業料の支払いを行う必要がないようにする。住民税非課税世帯の子供たちに対しては、国立大学の場合はその授業料を免除する。また、私立大学の場合は、国立大学の授業料に加え、私立大学の平均授業料の水準を勘案した一定額を加算した額までの対応を図る。1年生に対しては、入学金についても、免除する。
第二に、給付型奨学金については、学生個人に対して支払うこととする。これについては、支援を受けた学生が学業に専念できるようにするため、学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるような措置を講じる。在学中に学生の家計が急変した場合も含め対応する。
また、全体として支援の崖・谷間が生じないよう、住民税非課税世帯に準ずる世帯の子供たちについても、住民税非課税世帯の子供たちに対する支援措置に準じた支援を段階的に行い、給付額の段差をなだらかにする。
(支援対象者の要件)
支援対象者については、高校在学時の成績だけで判断せず、本人の学習意欲を確認する。他方、大学等への進学後については、その学習状況について一定の要件を課し、これに満たない場合には支援を打ち切ることとする。具体的には、大学等に進学後、単位数の取得状況、GPA(平均成績)の状況、学生に対する処分等の状況に応じて、支給を打ち切ることとし、これを内容とする給付要件を定める。
(支援措置の対象となる大学等の要件)
こうした支援措置の目的は、大学等での勉学が就職や起業等の職業に結びつくことにより格差の固定化を防ぎ、支援を受けた子供たちが大学等でしっかりと学んだ上で、社会で自立し、活躍できるようになることである。このため、支援措置の対象となる大学等は、その特色や強みを活かしながら、急速に変わりゆく社会で活躍できる人材を育成するため、社会のニーズ、産業界のニーズも踏まえ、学問追究と実践的教育のバランスが取れている大学等とする。具体的には、①実務経験のある教員による科目の配置及び②外部人材の理事への任命が一定割合を超えていること、③成績評価基準を定めるなど厳格な成績管理を実施・公表していること、④法令に則り財務・経営情報を開示していることを、支援措置の対象となる大学等が満たすべき要件とし、関係者の参加の下での検討の場での審議を経て、上記を踏まえたガイドラインを策定する。
(実施時期)
こうした高等教育の無償化については、2020 年4月から実施する。なお、上記で具体的に定まっていない詳細部分については、検討を継続し、来年夏までに一定の結論を得る。
(生活困窮世帯等の子どもの学習支援)
子どもの学習支援事業を高校中退者を含む高校生世代等において強化するとともに、社会的養護を必要とする子どもや生活保護世帯の子どもの大学進学を後押しする。
第2章 人づくり革命
8.来年夏に向けての検討継続事項
(1)リカレント教育
人生 100 年時代においては、これまでのような、高校・大学まで教育を受け、新卒で会社に入り、定年で引退して現役を終え、老後の暮らしを送る、という単線型の人生を全員が一斉に送るのではなく、個人が人生を再設計し、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択を行い、新たなステージで求められる能力・スキルを身につけることが重要である。また、人工知能などの技術革新が進む中で、生涯を通じて学び直しを行うことが必要である。このため、国も多様な支援策を用意していく必要がある。
高齢者もひとり親家庭の方も義務教育を受けることができなかった方、自らの意志で高等学校や大学に進学しなかった方も、出産・育児等で離職した方も、フリーター・ニート・ひきこもりの方も、病気など生活上のハンディを抱える方も、誰にとっても「いつでも学び直し・やり直しができる社会」を作るため、幾つになっても、誰にでも学び直しと新しいチャレンジの機会を確保する。
このため、人生 100 年時代を見据え、その鍵であるリカレント教育を抜本的に拡充するとともに、現役世代のキャリアアップ、中高年の再就職支援、様々な学校で得た単位を積み上げて卒業資格として認める仕組みの活用など、誰もが幾つになっても、新たな活躍の機会に挑戦できるような環境整備を、雇用保険制度等の活用も含めて、来年夏に向けて検討する。
(2)HECS等諸外国の事例を参考とした検討
今後、引き続き、大学改革や教育研究の質の向上と併せて、オーストラリアのHECS等諸外国の事例も参考としつつ、中間所得層におけるアクセスの機会均等について検討を継続する。
第3章 生産性革命
3.Society 5.0 の社会実装と破壊的イノベーションによる生産性革命
(3)イノベーション促進基盤の抜本的強化
②若手研究者の活躍促進
- 国立大学及び若手研究者一人当たりの研究費と研究成果を見える化した上で、科研費の種目・枠組みについて本年度から能力のある若手研究者が研究費を獲得しやすくなる等の改革を進める。また、各大学が可能な限り若手教員に研究費を重点配分することを促すインセンティブシステムの導入を検討する。
- エフォート管理や業績の評価及び処遇への反映等の基本原則の設定、クロスアポイントメントや年俸制の導入、自ら外部研究費を獲得する力を身につけるべきシニアから今後活躍が期待される若手への本務教員ポストの振替や、シニア教員の流動性の向上等メリハリある処遇を含め多様なキャリアパスを踏まえた仕組みなど、人事給与マネジメントシステムの改革の在り方について検討を進める。
- 意欲と能力のある若手研究者に留学機会を付与する措置を拡充するとともに、海外大学との共同学位が取得できる国際教育連携を促進し、また海外の博士号の取得と帰国後の活躍の場が確保されるようなシステム改革について来年度中に検討する。
③大学のイノベーション拠点化
- 指定国立大学の一部で始まっている学長を統括補佐する副学長(プロボスト)の設置を促進しつつ、外部人材の経営層への登用を含め、トップのリーダーシップがより発揮でき、経営力が向上する最適な経営と教学の役割分担を促進する仕組みについて所要の改革を進める。
- 一法人複数大学化等の組織再編を含め、イノベーションを軸とした国公私立の枠を超えた大学の連携や統合・機能分担の在り方について来年度中までに成案を得て、所要の改革を進める。
- 大学及び国立研究開発法人等に対して自助努力による多様な資金獲得を促し、大学等への寄附を促進する観点から、評価性資産の寄附に係る非課税要件の緩和等について検討する。
④官民資金のイノベーションの促進
- 公共事業分野等における既存事業において、先進技術の積極的な導入等促進することにより、科学技術イノベーション転換を図る取組を来年度から実施する。公共調達分野においてもベンチャー活用等を促進するため、具体的な課題の設定、研究開発から調達、事業化までのステップアップの仕組み構築などを念頭においたガイドラインを来年度中に策定する。
- 「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」の内容を着実に実行しオープンイノベーションを推進する。また、産学連携の実績に応じた資金配分、官民協同した研究課題コンペティションやアワード型制度など、民間の研究開発投資を呼び込む新しい研究開発支援手法の検討や公募型研究開発資金の基金化に取り組む。これらにより、国の研究開発資金の効果的活用を図るとともに、400 兆円を超える民間留保資金をイノベーションへの投資へと誘導する。また、地域ごとの産学官金連携・ベンチャー支援の仕組みを構築するとともに、出資可能研究開発法人の拡大や、大学・研究開発法人によるベンチャー支援に伴う株式・新株予約権の取得・長期保有を可能とする。
- SIPや挑戦的かつハイインパクトな研究開発である ImPACT 等の好事例について、国立研究開発法人・大学での研究継続、成果の企業への譲渡、ベンチャーによる事業化等の促進に取り組み、出口戦略を構築する。
第3章 生産性革命
3.Society 5.0 の社会実装と破壊的イノベーションによる生産性革命
(5)成長分野への人材移動と多様で柔軟なワークスタイルの促進
①個人の力を引き出す雇用・教育環境の整備
- 労働移動支援助成金(「雇用保険二事業」)等について、人材のキャリアアップ・キャリアチェンジを後押しすることに重点化して再構築する。また、年齢、就業年数、役職等の節目におけるキャリアコンサルティングの活用や中高年の再就職支援等を推進する。あわせて、転職・再就職が不利にならない柔軟な労働市場を確立するため、「年齢にかかわりない多様な選考・採用機会の拡大のための指針」を年度内に策定する。
- 社会人が各ライフステージで実効性のある学び直しを行うことができるよう、公的職業訓練(「雇用保険二事業」等)や教育訓練給付(雇用保険の「失業等給付」)により支援する。
・IT業界にとどまらずITを活用する幅広い産業の人材が基礎的なIT・データスキルを標準的に装備するため、公的職業訓練や一般教育訓練給付の充実を図る。
・技術革新等に伴って新たに求められる専門的・実践的なスキルの習得を支援するため、専門実践教育訓練給付について、専門職大学等の教育課程を給付の対象とするほか、大学が提供する「職業実践力育成プログラム」、専修学校が提供する「職業実践専門課程」、IT・データ分野を中心とした「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」等と連携して、対象講座の拡大を図る。
- プロジェクトマネージャーのマンツーマン指導による事業化・起業支援の人材育成プログラムの創設や、独創的な技術課題への挑戦に対する支援を通じて、イノベーションの担い手となる突き抜けた人材の育成や活用を強化する。
- 大学等において、産業界のニーズを継続的に把握しながら、企業の実際の課題やデータ等を用いた実践的な教育を行うことを推進するため、産業界と教育界による「官民コンソーシアム」の取組を本年度内に開始する。
- 学科縦割りの打破、学部・大学院の一貫制教育システムの促進など工学系教育改革を進めるため、本年度内を目途に大学設置基準の改正等を行う。
意見の背後に感情を察してはならない。
嫌な、気が向かない仕事や人との関わりとはどこにでもあるものだなと感じています。
例えば、様々な提案事項や案について、まぁ様々なところから様々なご意見をいただくわけです。それらは決して肯定的なものではなく、批判的なものもあります。このようなご意見に向き合うときには、「貶されている」「攻撃されている」「非難を受けている」など意見の背後にある回答者の感情を考えず、あくまでご意見そのものを過不足なく捉えなければならないと思っています。それらしくいい加減に言うと、感情を不活性化して目的最適化を戦略的に達成しなければならないわけです。
一時期に仕事がうまくいかず周りが全て敵に見えた際には、「あぁは言っているけれども、本当はみんな僕の成長を期待しているツンデレキャラなんだよなぁ」と脳内変換して乗り越えたことがありました。
大学教務実践研究会第5回大会に参加してきました。
名古屋大学東山キャンパスで行われた大学教務実践研究会第5回大会に参加してきました。全国各地から教務系の担当者が参加されていたようで、内容的には教職課程担当者が多いように感じました。
同大会で話された内容を簡単にまとめましたので共有します。なお、あくまで私が理解できた範囲において記載したものであり、内容の正確性は保証しません。
教職課程認定申請・変更届実務における職員の力量(山口 文部科学省初等中等教育局教職員課課長補佐)
- 教職課程とは、今回初めて認定基準に掲載された言葉であり、免許法により免許状の授与の所要資格を得させるための教育課程のことである。この教職課程の認定を行う行為が課程認定である。
- 各法人等から文科大臣へ課程認定申請が行われた後、中教審へ諮問を行い、審議・答申を経て、各法人へ認可を行うこととなる。
- 学校教育が公教育であるがゆえに、教員免許状の授与については法律等で一定の制限を課しているものである。また、学校制度と連携して免許状の種類が定められており、原則として該当する免許状を有する者でなければ教壇に立てないこととしている。
- 大学等には、教職課程と学士課程とがうまく連携した状態で教育活動を行うことが求められている。そのため、大学としての多様性と資格としての標準制を両立する必要がある。教職課程には大学による養成の原則と開放制の原則がある。免許状制度は、大学の単位履修によって免許状が授与できるものとみなされた上で、教員採用試験により教員となるという二重構造になっている。
- 文科省に対し変更届が大量に届いているが、変更届を提出してない大学があるのではないかと危惧している。申請書は多ければ年間200校程度から提出がある。各大学と丁寧なやり取りを行いたいが、なかなか時間的に難しい現状もある。
- 申請を行う場合は学科の設置と同時並行と行うことが多く、学科の目的等の把握がポイントとなる。例えば、工学系の学科の場合、工業ではなく美術・工芸の免許種を取得する申請を行う場合、工業高校では教員採用されない可能性があることなどを指摘することになる。対して、変更届については、授業科目の編成などの変更に伴う際に提出することとなる。作成にあたっては、教員がどのような動きをしているのかをアンテナを張りながら情報収集する必要がある。特に、教員異動は突発的に発生することがあり、要注意である。
- 3年から2年半ほど前に教職課程の設置や申請する免許種を検討することとなる。必要に応じて、学科等の目的も見直しが必要である。その後、2年半から1年半前ほど前に教育課程の編成や教員組織の確定が必要である。教職課程に対する教員への理解も必要である。1年半前から1年前に文科省へ事前相談を行うこととなる。12月の最終週や2月上旬の予約が多いが、他機関も同じことを考えるため、12月中旬までに事前相談に来ることが望ましい。
- 文科省への連絡相談については、3年前から2年半前に学科等の目的・性格との相当関係などの相談を行うこととなる。漠然としたものではなく、具体的な相談内容を定めてほしい。また、旧学科から新学科への移行の相談も行うこととなる。その後、2年半から1年までに、メール等で教育課程や教員組織の配置の相談、1年前までに申請内容に関する相談や予定外の教員異動に関する相談等が発生する。
- 自大学だけではなく他大学等にも相談できる者がいるか、全学共通教育科目や他学科開講科目が変更になった場合教職課程への影響があるかを確認できるか、人事異動に関わらず窓口を一元化できているかなどがポイントとなる。また、業績不十分となった場合の対策検討、後任教員の確保、高齢者教員死亡等に係る危機管理などにも対応が必要である。特に、4つ以上の授業を担当する教員については、人事に関する危機管理が大切になっている。
- 文書作成の際は記述に矛盾がないようにしてほしい。また、口頭説明により補完するではなく、一つの文書のみで意味が完結するようにしてほしい。さらに、対外的に説明できない文書やプログラムが十分に練られていない教育課程も見受けられる。設置審に提出する文書との整合性も確認してほしい。教職課程は、学生に免許状を取らせるために設置する課程ではなく、教壇に立ちたい学生に教育方法を教育する課程であることを説明できる必要がある。教え方を実践できるような教育課程及びそれがわかる申請書にしなければならない。
- 緊急時に必要な対応として教員人事の不測事態や申請書の誤り等があるが、特に設置審査での指摘事項を適切に反映する必要がある。緊急に変更が必要な場合は、文科省に対し、変更箇所がどこでありどのような事実に基づいてなぜ変更するのか、変更しなければならないのかを説明してほしい。その後、変更案を何種類か手元に準備し、文科省へ相談することになる。必ず複数の変更案を準備してほしい。
- これまでの事例として、「教育の方法及び技術」シラバスの授業計画について、「パソコンでのレポート提出」とあったが、これは「情報機器及び教材の活用」の内容には該当しない。また、業績書においては、資料作りやポスター発表が業績として記載されていた事例があったが、業績として認められないこととなる。さらに、様式第8号においては、学生からの取得希望が教職課程を設置する理由として記載されている事例が毎年いくつもあるが、教員養成の理念・構想を記載してほしい。
- 様式第2号(概要)について、各学科等の認定年度はチェックしているため、忘れずに記載してほしい。直近の認定年度があるかは、審査側にとって重要なポイントである。10年以上前の認定は、基本的にはあてにしていない。また、備考欄には大学設置審査に関する情報などを記載することとなるが、記載された情報は必要に応じてこちらでも確認している。複数の団地がある場合は、必ず記載してほしい。
- 様式第2号(教育課程及び教員組織)について、選択必修科目などの場合は「備考」欄にその旨を記載してほしい。単位数の記載についても、数え間違いが多い。専任教員については、免許種によっては授業科目のどこに括弧無しの専任教員を記載するか割振が必要となることになる。
- 中高については教科名の記載忘れも多い。一般的包括的な科目について、削減する場合はその科目で一般的包括的な内容を満たせるのかをしっかりと確認する必要がある。また、共通開設欄の「他」については、他学部他学科や全学共通教育科目の状況を把握しておく必要がある。5月ごろに全ての授業科目について点検してほしい。「免許法施行規則に定める科目区分」は必ず法令上の表記と合致させてほしい。
- 養護に関する科目について、学問領域に合わせて科目区分を構成しているが、過去の答申等も参照して内容を精選してほしい。看護学科の科目だけで養護に関する科目に対応することは厳しい。栄養に係る教育に関する科目について、過去に通知文書を発出しているため、必ず参照してほしい。
- 教科又は教職に関する科目について、司書教諭の科目などが含まれることが多い。66条の6科目は全学共通教育科目であることが多い。セメスター制等学期制の変更に伴う単位数の削減は各大学で発生しやすく、注意してほしい。
- 教職に関する科目について、単位数の計算ミスが発生しやすい。全ての事項が必修科目となっているか確認してほしい。中高は単位数が異なっているため注意してほしい。
- 特別支援教育に関する科目については、領域を正しく記載してほしい。併せて、領域に合わせた業績を提出してほしい。表を作って確認すると良い。単位数の記載も誤りが多い。
- シラバスについて、コアカリができたたた授業計画は策定しやすくなったのではないか。コアカリに対応した授業回数は規定がないが、概ね3分の2がコアカリ内容、3分の1が発展的内容であると認識している。各授業回の内容は異なるものとわかるように表記してほしい。また、学生が予習復習を行えるようにするため、テキストや参考書・参考資料等も記載してほしい。
- 様式4号について、履歴書には科目の内容と連携するような事項等を記載してほしい。また、業績書は過去10年以内の業績を記載いただきたい。最大数は3枚であるため、担当授業科目に合致する業績を記載する必要がある。概要欄の200字は目安であり、短くとも良い。
(質疑応答は省略)
教職課程(免許法改正に伴う在学生、科目等履修生の取り扱いについて)(小野 龍谷大学文学部教務課)
- 免許法改正時に気にすべきは、教育課程の内容に加え、現行学生の未履修科目対応、編入学生・大学院生への対応、学力に関する証明書の変更、現行課程の廃止方法などもある。免許法は、条文だけではなく、附則も気をつけなければならない。特に、経過措置については、平成10年免許法改正時の状況も参照した方が良い。
- 平成10年免許法改正時には、卒業までに今のカリキュラムを習得すれば在学時のカリキュラムで免許を取得でき、また、卒業後に間をおかずに大学院生や科目等履修生として身分を繋げば一体として旧法適用身分を維持できるとしていた。また、編転入学年度が旧法の学年であれば旧法の適用となっていた。
- 教職実践演習導入時の免許法改正時には、科目等履修生を正規学生と見なさず、また、一部空白期間があっても旧法が適用されていた。さらに、総合演習が必修である旧法の学年に編入学した場合は、単位修得年度によって対応が異なっていた。
- 今回の免許法改正では、正規学生としての身分が途切れた段階で旧法のカリキュラム(以下、「旧課程」)が適用されず、また、新法のカリキュラム(以下、「新課程」)の授業内容を含む科目を旧課程の学生に受講させそれを新課程の科目に読み替えることができることとなっている。
- 条文解説として、卒業までに免許状授与の所要資格を得なかった者に対しては、改正後の規定に基づき必要な単位を修得する必要があるとしている。施行規則附則第3条では、旧課程と新課程の対応関係を示しており、科目区分ごとに読み替えられることとしている。なお、新課程の科目を旧課程の科目に読み替えることはできず、必要に応じて旧課程の科目を開講することになる。ただし、同一の科目を旧課程、新課程それぞれ異なる名称で開講し、入学年度が異なる学生(旧法年度の入学生及び新法年度の入学生)がともに履修する形で開講することは可能であると考える。
- 追加された事項が含まれる科目については、新たに当該事項を含む授業科目を履修する必要はなく、既存に修得した授業科目でみなすことができる。ただし、「特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解に対する理解」(以下、「特別の支援」)と「総合的な学習の時間の指導法」(以下、「総合的な学習」)は、新課程の授業科目の追加履修又は履修状況に応じて単位修得をみなす対応が必要となる。
- 担当者としては、これらの情報を踏まえ、まずは旧課程と新課程の授業科目の読み替え表を作成することとなる。ここでは、旧課程の全科目が新科目に読み替え可能になると考えている。ただし、「特別の支援」については、追加履修が必要となるため、2018年度から当該内容を含む1単位以上の科目を新たに開設し、旧課程で所要資格を満たすことのできない可能性のある学生に履修させること対応が考えられる。また、「総合的な学習」については、教科又は教職に関する科目の中に当該事項を含む科目があれば、あるいは、「特別活動の指導法」授業の中に「総合的な学習」の内容を含んで開講していれば、読み替えの対象となる。
- 一般的な話として、科目等履修生が履修するカリキュラムの年度は大学の裁量で決められる。一番わかりやすいのは、入学年度のカリキュラムで対応することである。
- 2018年度入学の大学院生が一種免許状を取得しようとする場合、2018年度は旧課程、2019年度は新課程の授業を履修することになる。一方、同様の者が専修免許状の取得を目指す場合、2018年度2019年度とも旧課程の授業を履修することになる。これは、学部開講科目は科目等履修生として、大学院開講科目は正規学生としての身分を有するためである。
- 2019年4月1日以降に入学した3年次編入学生の場合、新課程の授業を履修することになるため、本来ならば2021年度から開講すべき新課程の3年次開講科目を2019年度から開講することになる。このままでは同一学年にも関わらず新課程と旧課程の2つのカリキュラムが存在することになり、現場での対応が非常に複雑になる懸念がある。必要に応じて、2018年度に開講する編入学生の募集要項にも記載する必要があるだろう。
- 旧課程の在学生がある程度少なった段階で、旧課程の科目を開講しない決定を慎重に行うこととなるだろう。
- 再課程認定においては、旧法の理解も十分に持つことが必要である。また、新ルールを理解するためのコツは「間違い探し」である。
- 法令違反ではないが無理矢理な形で教育課程を構成した場合、教育課程や業務内容が継承できない可能性が高くなる。危うい状態で教育課程を編成している場合、法令改正があれば、認定基準違反となる可能性もある。
- 書式の体裁が不適切であった大学、対応できる者が一人しかない大学、実際の状況が申請書等が大きく異なる大学等、事務体制が満足に整備されていないと思われる大学等があった。維持・継続できる体制を整備することが大切である。
講習を受講しただけでは免許状は更新されない。
千葉県教育委員会は27日、県立の特別支援学校に勤務する50代女性教諭と公立中学校の40代男性教諭が必要な教員免許更新手続きをしてなかったとして、失効日にさかのぼって失職の手続きをとったと発表した。失効後に行った授業は適切に行われていたとして、生徒への影響はないとしている。
女性教諭は別の免許を取得して期限が自動延長されたと誤解し、男性教諭は更新手続きの途中で手続きが終了したと誤認していたという。
滋賀県教委は31日、県内の公立中学校の30代の男性教諭が教員免許の更新手続きを怠ったまま4年間勤務していたと発表した。男性は平成25年に採用されていたが、県教委は同日付で採用は無効と通告し、男性は退職した。
県教委によると、男性は教員免許の期限が25年3月31日で切れるため、23年9月に更新に必要な講習を受講。受講後は県教委に申請し、更新講習修了確認証明書の交付を受ける必要があるが、男性は受講のみで手続きが済んだと誤解。そのまま手続きを怠ったため、免許が更新されないままになっていた。
今年も教員免許の失効に関するニュースが出ていました。平成21年度以降、教員免許状には有効期限または確認期限が設定され、このようなニュースがちょこちょこと出てくるようになりました。
教員免許の更新のためには、教員免許状更新講習を受講・修了するのみではなく、入手した講習修了証明書を添えて免許を所管する都道府県教育委員会に申請を行う必要があります。また、専修免許状など新たな免許状を取得した場合は、同じく都道府県教育委員会に延期申請を行う必要があります。ただし、平成21年度以降に初めて免許状を取得した者(新免許状所持者)の場合、複数の免許状を所持する場合の有効期間は最も遅く満了となる免許状の有効期間に自動的に統一されます。このあたりの制度の違いも話をややこしくしている要因でしょう。
更新関係手続方法 | 東京都公立学校教員採用案内「東京の先生になろう」
教員免許更新制は、その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すことを目的とし、平成21年4月1日から導入されました。
お手持ちの教員免許状の区分を以下で確認した上で、手続をお願いいたします。
今年度は各都道府県にて教員免許のデータベースを構築する動きがあり、その調査過程の中でこのようなケースが表出されているものと推測しています。