自分を守るためのボス・マネジメント

 人事異動などで自分よりも当該業務の経験が浅い上司が赴任することってありますよね。あるいは、能力的にちょっと微妙って人が上司として配置されることもあるかもしれません。通常マネジメントというと上司から部下への方向が多いですが、部下から上司をコントロールするボス・マネジメントということも十分に考えられます。私の実践上、ボス・マネジメントのコツは以下の点に整理できると考えています。

1.たてる

 一番目にこれがあるのは意外かもしれませんが、上司である以上ある程度はたてることが必要です。と言っても媚びへつらうのではなく、ちゃんと話を聞き理解しようとすることやないがしろにしないことなど、基本的な人間関係を押さえるということですね。他大学の職員と交流する場において年下の上司を持つ方や管理職クラスの方にボス・マネジメントを相談しても、まずこのように助言されることが多かったです。(もしかしたら私のパーソナリティに依るものかもしれませんが。。。)

2.手順だけではなく意義目的なども伝える

 これは対上司のみに限りませんが、業務の手順だけではくその意義や目的なども併せて伝え、なんのためにその業務をやっているのかということも意識してもらえることが必要です。加えて、私の場合は、最低限守らなくてはいけないラインや将来的な業務の展望(廃止条件など)も併せて伝えるようにしています。

3.上司の上司を味方にする

 上司の上司と話を通じておくと、いろいろとやりやすくなります。場合によっては、だんだんに話をあげていくというよりは、二人同時に話をすることもやっています。これに関連して、上司と業務上の相談をする際は少し大きめに話をして、上司の上司に聞こえるようにすることも意識していますね。

4.いなくなることを意識させる

 私がいなくなっても仕事が回るように、業務を差配したり委任したりしています。自分の口からは「いなくなっても」ということは言いませんが、上司やそのまた上司から「〜〜がいなくなっても」という言葉が聞かれるようになれば、考えてもらっているなと感じます。これに関連して、上司がそのまた上司と業務上の相談をしているときは、基本的には振られるまでは口をはさまず、耳だけ立てるようにしています。ただ、最初からこれはできないので、様子を見ながら徐々にというところでしょうか。

5.得意な分野を見つける

 職務経歴などから得意な分野や仕事方法を見つけ、それに関連する部分は積極的に役割を担ってもらうようにします。上司の仕事のスタイルを見つけるということに近いですね。

6.あきらめる

 いろいろ手を尽くしても、もしかしたらどうにもならないような人もいるかもしれません。その場合は、自分が異動するか相手が異動するかまであきらめ、普通に接するしかないのでしょう。その際にも意識すべきなのは、3.にある上司の上司と理解を通じるということ、また他部署や後任者への実害を最低限に抑えるということだと思っています。

 

 上司がうまく仕事を動かせなかった時に、実害をこうむるのは結局は自分です。自衛手段としてのボス・マネジメントは今後とも意識していきたいと思っています。