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大学教務実践研究会第4回大会に参加してきました。

大学一般

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 12月3日に開催された大学教務実践研究会第4回大会に参加してきました。全国各地から百数十名位程度の参加ということで、ニーズが高い様子が感じられました。

 以下に講演および分科会で話された内容をおおまかに記します。なお、私が理解できた範囲で記録したものであり、内容の正確性を保証するものではありません。

「大学職員の皆さんへの期待」(竹下 名古屋大学理事・事務局長)

  • サザエさん症候群にならないような職場を作らないといけないと思っている。本人が職場でやりがいや存在価値を感じながら仕事をできるということが大切。そのためには、本人の努力とともに、職場内外で仲間を作ることがひつようである。他職員とどれだけネットワークを作れるか。研修とは、元気になるためにするものである。
  • 富山県に赴任した際、県の計画づくりに携わった。その時に、県の計画ではなく、県民の計画であるとして計画策定を進めることとなった。誰のための計画であるかということを意識した結果であろう。今の職場においても、誰のための仕事なのかということを考えている。
  • 教職員課長だった際、管理職のみならず、一般教員が組織マネジメントを学ぶカリキュラムを作った。今もチーム学校と言われているが、協力した方が絶対に良い結果になる。
  • 大学のミッションとして教育研究社会貢献があり、職員は教員のサポーターであるとともにパートナーにならなければならない。大学職員は大学運営の主役になりうる。システム作りをするのは教員と職員との共同作業である。名古屋大学の施設マネジメントが日本建築学会賞を受賞した際、教職共同で取り組んだことが評価され、表彰状の宛先に事務組織名も記載されることとなった。専門性を持って一緒に取り組んでいくと、外部からも評価されることになる。
  • 施設部の毎週打ち合わせでは、1,2年目の職員が司会を担当し、施設担当理事や部長を含め、担当者と意見交換している。また、若手職員の発案により、施設管理の失敗事例集を作成している。若い職員の意識は変わってきた。
  • 「多忙感」とは仕事が多いがその意味がわからない状態、「多忙」とは意味がわかる仕事がたくさんある状態である。組織目標と自分の役割がどう関係しているのかを理解することが大切であり、これはやりがいにも通じる。目標計画とは大学本部だけの話ではない。部局には部局の方向性や特色、課題があり、事務部はそれにどのように関わっていくかということが必要である。それを踏まえて、個人の目標・計画を考えることになり、自分自身の仕事の有用性が見えてくる。
  • 戦略や戦術を持って仕事をしてほしい。また、他のチームをどう動かすかということも大切。若い職員も、チームとしての力の向上や他のチームへの影響を考えてほしい。名古屋大学では、財務部職員の取組により、科研費採択状況が向上した。財務部の目標として、縦割りではなく他部署のサポートや連携強化を掲げている。
  • 横浜国立大学の事務局長だった頃には、若手職員がYNU CREDOを作成・配布し、職員の心構えを示した。また、名古屋大学では、課長や課長補佐、係長登用試験の際に、組織づくりについても考えてもらっている。名古屋大学でも様々なことに取り組んでいるが、これは職員自身が大学を動かしているという意識を持ってもらうためである。自分が動いていると自覚してもらう環境づくりが大切である。大学教育に関する専門性を身につけ、教務系職員からもURAのような人材が出てきてほしい。

(質疑応答からの抜粋)

  • 図書館の職員ではなく大学図書館の職員がほしい」と言っている。大学として、組織として何を行うのか、それを支援する事務部として何を行うのか、その下の課や係として何を行うのか、ということを考えることになる。目標計画は管理職だけではなく一般職員も一緒に考える必要がある。管理職が業務の必要性や大切さをしっかり部下へ伝えることも大切である。
  • 職員の育成について、着任した大学において職員のキャリアパスを策定してきた。現在では、各職階に必要な知識技能やそのための研修づくりにも取り組んでいる。
  • 大学の情報を職員を知るためには、会議資料の共有や会議の設定などがある。教員だけではなく、職員も会議のメインテーブルに付くこともあり得る。教員だけではなく職員も荒波に向かう船の舵を取るべきだということは教員からも言われた。
  • 横のつながりを確保し縦割りではない仕事するため、部長会議の開催による部長間の意見交換や管理職全員を集う場の設定、プロジェクト型業務の仕組みづくりなどに取り組んだ。他の部と連携したらこんなに良いことができるという意識を持つこと、また、そのためのネットワーク作りが大切である。
  • 任期付きの職員のモチベーション維持について、正規職員への登用の道を作ることも一つであるが、どんなに大切な仕事を担っているのかということを伝えるように管理職には依頼している。非常勤職員向けの研修も開催している。研修の費用対効果の問題もあるが、成長の機会を与えることも大切である。

教職課程認定申請業務にあたっての事務職員の心構え〜免許法の改正を控えて〜(小野 龍谷大学世界仏教文化研究センター事務部、周藤 東京学芸大学部財務施設部経理課)

  • 免許法の改正に伴うスケジュールについて、施行は2019年4月からであり、2019年度入学生から新法でのカリキュラムになる。省令改正ではパブリックコメントが行われるが、年度内の予定は不透明である。教職に関するコアカリキュラムについては6月に決定されることになっている。
  • 再課程認定は、手引きにある平成31年度開設予定に沿って行われると推測される。以前の再課程認定では、申請を忘れていた大学があった。施行規則の制定後、認定基準の改正が行われる。免許法、施行規則、認定基準が揃わないと全体像がわからない。改正基準等に関する説明会はブロックごとに行われる予定だと聞いている。
  • 在学生が残っていれば、現行法のまま対応することになる。新法に引き継がれない科目の場合、非常勤講師の労働問題などが生じる可能性もある。
  • 学力に関する証明書も様式が変更される。法改正後もしばらくは現行法の対応が中心となるが、新法を適用した学力に関する証明書を検討しておいてたほうが良い。システム改修の可能性を考えると、2018年3月には検討・作成を終えるのが良い。現行様式の不備を解消するチャンスでもある。現行法から新法へ読み替えた学力に関する証明書についても、検討する必要がある。
  • カリキュラムについて、詳細は施行規則で示される。おそらくは、12月に出された答申と同じような形になるであろうと思っている。必要選任教員数については基準があきらかにならないと対応にしにくい。
  • 再課程認定について、別途申請様式が用意される可能性もある。
  • 学内に向けて、おおまかな検討スケジュール表を作成してはどうか。
  • 再課程認定については全員が初心者になる。現行法の条文を読める者を増やすことも大切である。
  • 現場の理屈や大学の事情、裏道というのはダメであり、ルールを守る気持ちを持ってほしい。自分が責任を取れなくなってから問題が顕在化する可能性が高い。
  • まずは、単純に法律や基準などを理解できるようにする必要がある。また、免許法の単位数は個人が免許を取得する際の最低限であって、大学としての教職課程の最低限ではない。介護等体験など通知等で定められるものがあること、法令や基準などは常に変更があり得るものであることについても注意が必要である。
  • 情報収集については態度等に留意が必要である。また、再課程認定に向け今できる準備として、学内の勉強会開催や小まめな情報共有、法令などの根拠を明確にすることがある。学生対応においても、十分に当該学生に対する情報収集が必要である。
  • 学内で伝え合う、教えあう、相談し合う環境づくりが大切である。また、教職事務は高い専門性が求めれるため、プロの大学職員として意識を持ってほしい。