授業目的公衆送信補償金制度に関する留意点
文化庁と一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(以下、「SATRAS」という。)が開催した授業目的公衆送信補償金制度の説明会(以下、「説明会」という。)に参加し、何点が気になる点があったので、ここに記録しておきます。なお、今回の記事には誤りが含まれる可能性がありますが、それにより生じた損害には当方は一切責任を負いません。
- 1.従前の取り扱いはほぼ変わらない
- 2.対象者数をどのように算定するか
- 3.実態調査はどのような内容か
- 4.公開講座には対応する必要があるか
- 5.大学コンソーシアムは「学校その他の教育機関」に該当するのか
1.従前の取り扱いはほぼ変わらない
SATRASの説明ではさもすべての著作物の利用について補償金が発生するような口ぶりにも感じられましたが、これは授業目的公衆送信保障金制度(以下、「本制度」という。)の前提に立っているからです。学校その他の教育機関における複製等や、引用など著作権者の許諾を得ずに著作物を複製等できる取り扱いは、従前から変更ありません。
平成30年著作権法改正による「授業目的公衆送信補償金制度」に関するQ&A(基本的な考え方)(令和2年4月24日文化庁著作権課)
問1 平成30著作権法改正により「授業目的公衆送信補償金制度」を創設した趣旨と制度の概要を教えて下さい。この制度により、教育現場で新たにどのような行為が行えるようになるのでしょうか。
(答)
1.教育現場での著作物利用に関しては、従来から、対面授業のための著作物のコピー・配布や、対面授業の様子を遠隔地に同時中継する際の著作物の送信は、権利者の許諾なく行えることとなっていました。
本制度は、他人の著作物を授業等において公衆送信を行う際に適用される制度です。それは、平成30年度法改正時の新旧対照表を見れば明らかだと思います。そのため、そもそも公衆送信を行わないのであれば、本制度には該当せず、補償金支払いは発生しません。ただし、当然ながら、法令に定める著作権者の許諾を得ずに複製等できる範囲を逸脱すれば、各著作権者の許諾が必要になります。
改正前 | 改正後 |
---|---|
(学校その他の教育機関における複製等) (新設) 2 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第三十八条第一項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。 |
(学校その他の教育機関における複製等) 2 前項の規定により公衆送信を行う場合には、同項の教育機関を設置する者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。 3 前項の規定は、公表された著作物について、第一項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第三十八条第一項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合において、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信を行うときには、適用しない。 |
また、説明会資料では、今回の法改正に伴い著作権者の許諾なしに利用可能になった行為がわかりやすく示されています。
自分の頭の中にある補償金制度に該当するかを判定するイメージをフローチャートとして作成しました。大まかには、これに従って判断しています。「許諾なしに利用できる範囲」とは、著作権法に定める著作権者に許諾を得ることなく複製等が可能な行為や範囲を指します。
著作物が自由に使える場合は? | 著作権って何? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC
定められた条件で自由利用
著作権法では、一定の場合に、著作権を制限して著作物を自由に利用することができることを定めています。しかし、著作権者の利益を不当に害さないように、また著作物の通常の利用が妨げられないように、その条件が厳密に決められています。 なお、著作権が制限される場合でも、著作者人格権は制限されません
また、各授業形態との対応は、文化庁が作成した「授業の過程における利用行為と著作権法上の扱いについて」がわかりやすいです。
著作権法第35条のみではなく、他の取り扱いも含め、従前のとおり適切に権利対応に取り組んでいく必要がありますね。
2.対象者数をどのように算定するか
前項では、必ずしもすべての著作物を利用する授業が本制度に該当するわけではないことを示しました。ということは、申請の際に補償金の算出根拠となる対象者数も各授業の実施状況(受講状況)によりある程度は抑えられる可能性があります。
しかし、この実際の受講者数を基にした申請は、少なくとも大学では現実的ではないと考えます。理由は以下の3点です。
- すべての授業に対して本制度の対象となる著作物の利用をしているか詳細な確認を行うことが困難であること
- 各授業の各回に誰が受講(アクセス)するのか/したかを把握することが困難である可能性があること
- 該当するすべての授業のすべての受講者を把握できる段階が遅いこと
1.について、小規模大学では数十から数百程度、中大規模大学では数千程度の授業が開講されていることと思います。それら各授業の各回において、本制度の対象となる取り扱いを行っているか詳細に調べることはなかなか大変です。特に、学期初めに調査したとしても、13,14回程度のスライド内容はまだ不明という場合もあり得るでしょう。とりあえず、遠隔授業を行っているかで大きく網をかけて、そこから詳しく調べていくことになりますが、相当程度の時間を要することが想像できます。
2.について、1.で対象となる授業を同定したとして、その授業の各回の出席者を把握する必要があります。LMS等である程度把握できる可能性がありつつ、各授業により異なるプラットフォームを用いている場合は若干出席者把握の困難性が高まるかもしれないな、と感じてます。
3.については、例えば後学期の15回目に同制度の対象となる取り扱いを行う授業があった場合、対象者数は15回目の授業が終わらなければ確定しません。説明会では、申請・補償金支払いの前であっても著作権法第35条に沿った対応が可能と言われましたが、さすがに年度末近くなっての申請対応はいかがかとも感じます。
これらを踏まえると、遠隔授業を行う可能性/予定があるのであれば、5月1日時点全学生(非正規生を含む)を対象者として申請することが無難なように思えます。各学部により対応が異なる場合であっても、教養教育など学部を超えて履修する科目の存在を考えると、あまり単純化はできないかもしれません。
かといって、少なくない金額が動くにも関わらず、さも全学生を対象とすることが当然のように感じた協会の態度には思うところがありました。
3.実態調査はどのような内容か
説明会では、著作権者への補償金の分配のため実態調査を行うといった話がありました。前項の通り、各授業の実態調査はそう易々と行えるものではないでしょう。どの大学が調査対象となるのか、調査内容や調査項目はどのようなものかを早めに提示いただかなければ、大学としての対応もなかなかむつかしいと感じています。
4.公開講座には対応する必要があるか
説明会では公開講座に関する補償金の要件も言及がありましたが、この話は今までの取り扱いと異なる部分があると感じています。
改正前著作権法第35条の学校での著作物の利用では、「授業の過程における使用」とはあくまで正課の授業での利用に限定されていたと解釈していました。例えば、「学校その他の教育機関における著作物の複製に関する著作権法第35条ガイドライン」(平成16年3月著作権法第35条ガイドライン協議会)では、「同条第1項に関するガイドライン」として、以下の記載があります。
事項 条件 内容 授業の過程における使用 「授業」は、学習指導要領、大学設置基準等で定義されるもの 授業の過程にあたるかどうかは、左記条件に照らして授業を担任する者が責任を持って判断すること。
○ クラスでの授業、総合学習、特別教育活動である学校行事(運動会等)、ゼミ、実験・実習・実技(遠隔授業を含む)、出席や単位取得が必要なクラブ活動
○ 部活動、林間学校、生徒指導、進路指導など学校の教育計画に基づいて行われる課外指導
×以下の場合は、「授業」にはあたらない。
×学校の教育計画に基づかない自主的な活動(例:サークル・同好会、研究会)
×以下の場合は、「授業の過程」における使用に当たらない。
×授業に関連しない参考資料の使用
×校内 LAN サーバに蓄積すること
×学級通信・学校便り等への掲載
×教科研究会における使用
×学校ホームページへの掲載
ここから、公開講座や教員免許状更新講習などは「授業」や「授業の過程」に該当しないのではないかと思われたため、予防線として、担当教員には適正な引用の範囲内において著作物を利用するようお願いをしていました。
一方、「改正著作権法第35条運用指針(令和2(2020)年度版)(2020年4月16日著作物の教育利用に関する関係者フォーラム)では、「授業」の例として以下の項目が挙げられています。
「授業」の法解釈に変更がないとすれば私の解釈が誤っていただけなので別にそれはいいのですが、公開講座や教員免許状更新講習でも著作物の無許諾利用が一定程度可能であるのは私の中では大きな変化です。
本制度への対応については、遠隔で行う可能性があるならば授業と合わせて申請といったところです。対象人数は講座の定員とするにしても、例えば年度途中で新たにオンラインで行う公開講座が発生した場合はどうするのかという点は明らかではありません。
5.大学コンソーシアムは「学校その他の教育機関」に該当するのか
近年は大学間連携が推進されており、その場として各地に結成された大学コンソーシアムが活躍しています。インターネットを利用した講座等も行われる中、大学コンソーシアムが主催するオンライン公開講座は本制度に該当するのか、言い換えれば大学コンソーシアムは「学校その他の教育機関」に該当するのか、気になるところです。
「課題で大変」という学生への複雑な感情
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、各大学では遠隔授業が進められています。その際、学生からは「各授業で課題が出されるので、その対応で大変」ということをよく聞きます。これは、文部科学省からの通知*1等も踏まえ、遠隔授業への出席や理解度確認のために各授業で課題が出されているものと思います。
率直に言って、この未曽有のコロナ状況下で他者との協力もなかなかできずに課題を進めていくことは実際に大変だろうと思いますし、何とかしてあげたいとも思います。一方で、そもそも大学での学びとはこのようなものだと思う気持ちもあり、複雑な感情を抱いています。
法令上の学習時間
大学設置基準の定め
授業を履修し成績が評価されればその授業の単位が授与され、単位を集めることで卒業できるようになります(単位以外の卒業要件もありますが)。一部の例外を除き、多くの学生にとっては、ある意味では、授業は単位を取得するために履修していると言っても過言ではありません。
大学設置基準第21条では、単位について以下のとおり定められています。
第二十一条 各授業科目の単位数は、大学において定めるものとする。
2 前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。
一 講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。
二 実験、実習及び実技については、三十時間から四十五時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、大学が定める時間の授業をもつて一単位とすることができる。
三 一の授業科目について、講義、演習、実験、実習又は実技のうち二以上の方法の併用により行う場合については、その組み合わせに応じ、前二号に規定する基準を考慮して大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。
3 前項の規定にかかわらず、卒業論文、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、これらの学修の成果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には、これらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。
必要な自学自習時間
"一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容"とは、講義であれば、1回1時間×15週=15時間の授業時間に対し、事前事後学習1回2時間×15週=30時間(もっと単純化すれば予習1回1時間×15時間、復習1回1時間×15時間と言うこともできます。)を含むと考えられます。つまり、法令上は、単位の取得のためには講義時間と同じ時間の予習時間及び復習時間が必要になります。
多くの大学では、90分又は100分で2単位の講義を展開しています。この場合、予習復習時間は180分(3時間)又は200分(3時間20分)となります。1回の講義を受ければ、講義とは別にその日のうちに(とは限りませんが)3時間以上の学習が必要です。これが、いわゆる「単位の実質化」の法令根拠です。このため、様々な調査にて大学生の学習時間が着目されています。
履修できる単位数の制限
1日2コマの講義を受ければ6時間以上、3コマの講義を受ければ9時間以上の学習が必要です。実際にこの時間数を学習しようと思えば寝る間もないでしょうし、履修する授業の数によっては計算上一日24時間を超えてしまいます。そのため、各大学では、各学期等に履修できる授業の数を制限し、学生に過剰な学習時間を発生させないようにしています。これが履修単位制限(CAP:キャップ)です。例えば玉川大学では半期16単位のCAP制度を導入*2していますが、除外科目が多いとは言え、これはかなり厳しい(履修できる単位数が少ない)制度でしょう。
学習時間の実態
一方、全ての大学の全ての大学生が全ての授業において法令上の1単位の学習時間を満たしているかと言われれば、そうとは言い難い状況が明らかになっています。文部科学省国立教育政策研究所が行った「大学生の学習実態に関する調査研究」(平成26年度調査実施)の報告書では、以下のように書かれています。
1〜3年生では,大学の授業の予習・復習などの平均時間はいずれも5時間程度であった。1・2年生では授業への出席時間の4分の1,3年生でも3分の1程度の時間にとどまっている。
同様の調査票を用いて2007 年度に全国の大学生を対象に東京大学大学経営・政策センターが実施した調査(東大CRUMP 調査)の結果によれば2,1年生の授業に関連した自律的学習時間は,「0時間」が10.9%,「1〜5時間」が57.5%,「6〜10 時間」が16.4%であり,今回(2014 年度)の結果とほぼ同じである。今回,国立教育政策研究所が実施した調査(NIER 調査)と東大CRUMP 調査では,調査対象者の抽出方法,調査の実施時期(実施月)が異なるので,厳密な意味での比較をすることはできないが,この7年間で授業に関連する自律的学習時間が大きく変化したとは言えないと解釈しても良いと思われる。
また、昨年度に実施された文部科学省の全国学生調査(試行実施)では、学部3年生(医学など6年制課程は学部4年生)の平均的な1週間の生活時間として、授業への出席が平均17時間、予習・復習などの授業に関する学習時間が平均5時間であることが報告されています。
1単位の学習時間が不足していることは明確であり、国や各大学とも法令に応じた学習時間を確保しより学生の資質能力を高め、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)に応じた人材育成を加速しようとしています。
課題による学習時間の増加
今回のコロナ状況下においては、結果として課題による自学自習時間が増加していると推測でき、1単位の学習時間が法令上の値に近づいていると思われます。ある意味では、法令で想定されている大学での学びに近づいているのでしょう。
また、課題が多いのでなく、履修単位数が多すぎる可能性があります。小中高のように空き時間(1限から5限まで)を埋めるように授業を履修する「お弁当箱型履修モデル」では、前述の学習時間が飽和してしまいます。大学への学びの接続がなかなか難しいですね。
そうは言いつつもこの状況はどうにかしなければならない
そうは言っても、コロナ状況下の遠隔授業やそこで出される「課題」の問題は、どうにか学生に寄り添った対応をしなければならないと考えています。その理由は以下の3点です。
1.突如としてこのような状況になったため
大学教育における学習時間の確保については、それを徐々に学内に浸透させつつ、教育課程や各授業内容に合わせた形で段階的に進めていくべきものだと認識しています。そんな中、今回のコロナ禍が突如として起こり、特に新入生は大学への学びの接続や転換が全くできないまま、遠隔授業に突入しています。課題についてもただ宿題のようにこなすだけではなく、なんとか「大学教育はどのようなものか」を体感できる仕組みを設けなければならないと考えています。
2.学生の環境やそれへの支援が不十分であるため
遠隔授業ではそれを受講する情報機器・通信環境も重要な要素ですが、必ずしもすべての学生が十分な環境のもとに遠隔授業を受講できているとは言えないかもしれません。また、情報機器・通信環境に限らず、学生で相談する環境構築の支援がなければ、孤立して学習を進めざるを得ず、普段よりも課題の学習に時間がかかるかもしれません。各種アンケート*3を見ても、遠隔授業において孤独感を持ちながら学習していることに不安を感じる学生が一定数見受けられます。十分な学習環境を提供できるよう、物的心的経済的を問わず、何らかの支援を考えなければなりません。
3.課題の量や質等を制御できていないため
課題の量は多ければ多いほうが良いというわけではなく、やはり量や質、締め切りなどをある程度コントロールできることが望ましいでしょう。ただ、当然ながら各学生より履修している授業は異なるため、総体として課題をコントロール(マネジメント)することは至難の業(というかほぼ不可能)です。どちらかと言えば、各教員に必要な注意喚起を行いつつも、まずは課題を指示・提出するプラットフォームの整備や学生自身が課題取り組み状況を自己マネジメントできる方法の開発などを考えていきたいと思っています。
これらの状況は、多くの大学で生じているのではないかと思っています。考えているうちにあっという間に前学期が終わってしまうため遅きに失した感は否めませんが、後学期や将来のデジタルトランスフォーメーションに向け、検討を進めていきたいと思っています。
いくつかの所感
45、124という悪魔の数字
常々、大学設置基準にある1単位45時間の学習や卒業に必要な単位数124単位は、大学教育が縛られる悪魔の数値だなと感じています。特に、45時間の学習時間は「大学は、この省令で定める設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより」とあるにも関わらず、ほとんどの大学が到達できていないのではないかとも思います。
前述した複数の学生調査においても、2007年、2011年、2019年と授業時間数に対する自学自習時間の比率は大きく変わっていないように見えます。この10数年間で大学教育はそれなりに変容してきたのではないかと思っていますが、にも関わらず自学自習時間は増えていないように見えるのは、そもそも大学生の生活様式上この程度の数値が上限値なのではないかとも感じてしまいます。全国大学生活協同組合連合会が毎年実施している学生生活実態調査を分析すれば、何か傾向がわかるかもしれません。
授業を詰め込むと安心するのかも
履修する授業の数については、教育課程や学年進級、各種免許の教育課程との関係もありますが、なにより日本の雇用慣行(いわゆる就活)との関係が重要だと感じています。就活の各種行事や選考は平日に開催されることもあり、3年生になるまでに早めに単位を取得しておきたいと思い、授業を詰め込んでいるのかもしれませんね。
学習時間の確保には経済的支援が欠かせない
学習時間を確保するためには、それまで何かに費やしていた時間を使用する必要があります。アルバイトをせずとも良いように、経済的支援は欠かせないでしょうね。
学生の居場所はどこにあるか
今回のコロナ禍に限らず、履修する授業数を制限した場合、学生には授業がない時間帯(いわゆる空きコマ)が生じることが想定されます。その場合、学生はどこに居場所を確保すればよいのでしょうか。ラーニング・コモンズやワークスタディなど、学生がキャンパスに滞留できる仕組みも併せて考えたいと思っています。
*1:例えば、「大学等における新型コロナウイルス感染症への対応ガイドライン(令和2年6月5日)」4学修機会の確保等(2)遠隔授業の活用①
*3:例えば、第11回「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」4.「ICTを利用した教育を振り返る」資料
各国立大学の学位記授与式及び入学式の実施状況について(3月15日時点)
新型コロナウイルス感染症の国内感染の拡大を踏まえ、各国立大学の公式HPにて、各国立大学の令和元年度学位記授与式及び令和2年度入学式の開催状況を整理しました(3月15日時点)。
空欄はHPにて特に言及されていないことを意味しています。なお、「中止」には全員参加の式典は中止するが各学部学科等での学位記伝達式は行う、という状況も含まれています。
着色は前回(3月6日時点)から変更のあった箇所、又は、対応が決定した箇所です。各大学の実施詳細は各大学HPにてご確認ください。また、調べ切れていないところなど、誤りが含まれている可能性がありますのでご注意ください。
広島大学は、学長等のみが登壇し入学生は配信動画を見るという「無観客入学式」を行うようですね。また、授業開始日を遅らせる国立大学がいくつか出てきていることも注目したいです。
学位記授与式 | 入学式 | |
北海道大学 | 中止 | 中止 |
北海道教育大学 | 中止 | 中止 |
室蘭工業大学 | 中止 | 中止 |
小樽商科大学 | 中止 | 中止 |
帯広畜産大学 | 中止 | 中止 |
旭川医科大学 | 中止 | 中止 |
北見工業大学 | 中止 | 中止 |
弘前大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 3月中旬に公表 |
岩手大学 | 中止 | 通常通り開催予定 |
東北大学 | 総代のみで開催 | 新入生のみで開催→中止 |
宮城教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
秋田大学 | 中止 | 中止 |
山形大学 | 中止 | 中止 |
福島大学 | 中止 | |
茨城大学 | 中止 | 3月18日までに決定 |
筑波大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催→中止 |
筑波技術大学 | 卒業生・修了生のみで学部単位で開催 | |
宇都宮大学 | 中止 | 3月第3週中に決定 |
群馬大学 | 中止 | |
埼玉大学 | 中止 | |
千葉大学 | 中止 | 中止 |
東京大学 | 代表者のみで開催 | 中止 |
東京医科歯科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
東京外国語大学 | 中止 | |
東京学芸大学 | 中止 | |
東京農工大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
東京藝術大学 | 中止 | |
東京工業大学 | 代表者のみで開催 | 中止 |
東京海洋大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | 新入生のみで開催→中止 |
お茶の水女子大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
電気通信大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
一橋大学 | 卒業生・修了生のみで学部ごとに開催 | |
横浜国立大学 | 中止 | 中止 |
新潟大学 | 中止 | 中止 |
長岡技術科学大学 | 卒業生・修了生のみで開催→代表者のみで開催 | 新入生のみで開催 |
上越教育大学 | 中止 | 検討中→中止 |
山梨大学 | 中止 | 検討中→中止 |
信州大学 | 代表者のみで開催 | 新入生のみで開催→中止 |
政策研究大学院大学 | ||
総合研究大学院大学 | 中止 | 中止 |
富山大学 | 中止 | 3月下旬までに決定 |
金沢大学 | 代表者のみで開催 | |
福井大学 | 代表者のみで開催 | 代表者のみで開催 |
岐阜大学 | 代表者のみで開催 | 中止 |
静岡大学 | 中止 | 中止 |
浜松医科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
名古屋大学 | 中止 | 中止 |
愛知教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 中止 |
名古屋工業大学 | 中止 | |
豊橋技術科学大学 | 代表者のみで開催 | 中止 |
三重大学 | 中止 | 中止 |
滋賀大学 | 中止 | 検討中 |
滋賀医科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
京都大学 | 3月10日(火曜日)以降に公表予定→中止 | 3月10日(火曜日)以降に公表予定→中止 |
京都教育大学 | 中止 | |
京都工芸繊維大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | 新入生のみで開催 |
大阪大学 | 代表者のみで開催 | 中止 |
大阪教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | 中止 |
兵庫教育大学 | 中止 | |
神戸大学 | 中止 | 中止 |
奈良教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | |
奈良女子大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 中止 |
和歌山大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
北陸先端科学技術大学院大学 | 代表者のみで開催 | 新入生のみで開催 |
奈良先端科学技術大学院大学 | 開催予定→代表者のみで開催 | 開催予定→中止 |
鳥取大学 | 中止 | |
島根大学 | 中止 | |
岡山大学 | 中止 | 新入生のみで開催 |
広島大学 | 代表者のみで開催 | 新入生は入場せずに開催 |
山口大学 | 中止 | 新入生のみで開催 |
徳島大学 | 中止 | |
鳴門教育大学 | 中止 | |
香川大学 | 中止 | |
愛媛大学 | 中止 | 中止 |
高知大学 | 中止 | 3月17日までに公表 |
福岡教育大学 | 中止 | 3月中旬に決定 |
九州大学 | 3月9日を目処に決定→代表者のみで開催 | |
九州工業大学 | 中止 | 中止 |
佐賀大学 | 中止 | 中止 |
長崎大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
熊本大学 | 中止 | 3月19日に公表 |
大分大学 | 中止 | 中止 |
宮崎大学 | 全体式典は中止 | 延期 |
鹿児島大学 | 3月中旬までに対応を決定→中止 | 開催予定 |
鹿屋体育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 開催予定 |
琉球大学 | 代表者のみで開催 | 延期 |
各国立大学の学位記授与式及び入学式の実施状況について(3月6日時点)
※電気通信大学が欠落していたため追記しました。
新型コロナウイルス感染症の国内感染の拡大を踏まえ、各国立大学の公式HPにて、各国立大学の令和元年度学位記授与式及び令和2年度入学式の開催状況を整理しました(3月6日時点)。
空欄はHPにて特に言及されていないことを意味しています。なお、「中止」には全員参加の式典は中止するが各学部学科等での学位記伝達式は行う、という状況も含まれています。
着色は前回(3月4日時点)から変更のあった箇所、又は、対応が決定した箇所です。各大学の実施詳細は各大学HPにてご確認ください。また、調べ切れていないところなど、誤りが含まれている可能性がありますのでご注意ください。
学位記授与式の実施状況は概ね出揃いましたが、通常通り開催する予定なのは現時点の公表状況からは奈良先端科学技術大学院大学のみだと見受けられます。前回は3月4日時点の記事を公表しましたが、その時点の決定から変更になっている大学がいくつかありますね。また、宮崎大学及び琉球大学の「入学式は延期」が気になるところです。
学位記授与式 | 入学式 | |
北海道大学 | 中止 | 中止 |
北海道教育大学 | 中止 | |
室蘭工業大学 | 中止 | |
小樽商科大学 | 中止 | |
帯広畜産大学 | 中止 | |
旭川医科大学 | 中止 | |
北見工業大学 | 中止 | 中止 |
弘前大学 | 現在検討中→卒業生・修了生のみで開催 | |
岩手大学 | 中止 | 通常通り開催予定 |
東北大学 | 総代のみで開催 | 新入生のみで開催 |
宮城教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
秋田大学 | 中止 | |
山形大学 | 中止 | |
福島大学 | 中止 | |
茨城大学 | 中止 | |
筑波大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
筑波技術大学 | 卒業生・修了生のみで学部単位で開催 | |
宇都宮大学 | 開催予定→中止 | |
群馬大学 | 中止 | |
埼玉大学 | 検討中であり3月6日頃に公表予定→中止 | |
千葉大学 | 中止 | |
東京大学 | 代表者のみで開催 | |
東京医科歯科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
東京外国語大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | |
東京学芸大学 | 中止 | |
東京農工大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
東京藝術大学 | 中止 | |
東京工業大学 | 3月6日(金)17時頃に公表予定→代表者のみで開催 | 3月6日(金)17時頃に公表予定→中止 |
東京海洋大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 開催予定→新入生のみで開催 |
お茶の水女子大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
電気通信大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
一橋大学 | 卒業生・修了生のみで学部ごとに開催 | |
横浜国立大学 | 中止 | 中止 |
新潟大学 | 中止 | |
長岡技術科学大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
上越教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | 検討中 |
山梨大学 | 中止 | 検討中 |
信州大学 | 代表者のみで開催 | 新入生のみで開催 |
政策研究大学院大学 | ||
総合研究大学院大学 | 中止 | 中止 |
富山大学 | 中止 | |
金沢大学 | 開催予定→代表者のみで開催 | |
福井大学 | 代表者のみで開催 | 代表者のみで開催 |
岐阜大学 | 代表者のみで開催 | 中止 |
静岡大学 | 中止 | |
浜松医科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
名古屋大学 | 中止 | 中止 |
愛知教育大学 | 開催予定→卒業生・修了生のみで開催 | |
名古屋工業大学 | 開催予定→中止 | |
豊橋技術科学大学 | 代表者のみで開催 | |
三重大学 | 規模を縮小して開催→中止 | 中止 |
滋賀大学 | 中止 | |
滋賀医科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
京都大学 | 3月10日(火曜日)以降に公表予定 | 3月10日(火曜日)以降に公表予定 |
京都教育大学 | 中止 | |
京都工芸繊維大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
大阪大学 | 代表者のみで開催 | |
大阪教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
兵庫教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | |
神戸大学 | 中止 | |
奈良教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
奈良女子大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
和歌山大学 | 開催予定→卒業生・修了生のみで開催 | |
北陸先端科学技術大学院大学 | 代表者のみで開催 | 新入生のみで開催 |
奈良先端科学技術大学院大学 | 開催予定 | 開催予定 |
鳥取大学 | 卒業生・修了生のみで開催→中止 | |
島根大学 | 中止 | |
岡山大学 | 中止 | 新入生のみで開催 |
広島大学 | 代表者のみで開催 | |
山口大学 | 中止 | 新入生のみで開催 |
徳島大学 | 中止 | |
鳴門教育大学 | 中止 | |
香川大学 | 中止 | |
愛媛大学 | 中止 | |
高知大学 | 中止 | |
福岡教育大学 | 中止 | |
九州大学 | 開催予定→3月9日を目処に決定 | |
九州工業大学 | 中止 | |
佐賀大学 | 中止 | 中止 |
長崎大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
熊本大学 | 中止 | |
大分大学 | 中止 | |
宮崎大学 | 全体式典は中止 | 延期 |
鹿児島大学 | 開催予定→3月中旬までに対応を決定 | 開催予定 |
鹿屋体育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 開催予定 |
琉球大学 | 卒業生・修了生のみで開催→代表者のみで開催 | 延期 |
各国立大学の学位記授与式及び入学式の実施状況について(3月4日時点)
新型コロナウイルス感染症の国内感染の拡大を踏まえ、各国立大学の公式HPにて、各国立大学の令和元年度学位記授与式及び令和2年度入学式の開催状況を整理しました(3月4日時点)。空欄はHPにて特に言及されていないことを意味しています。各大学の実施詳細は各大学HPにてご確認ください。また、調べ切れていないところなど、誤りが含まれている可能性がありますのでご注意ください。
各大学のHPを見たところ、多くの大学では一目で対応状況が分かるページを設けているところが大半でした。ただし、千葉大学はそのようなポータルページが見つからなかったことと、政策研究大学院大学ではコロナウイルスに関する言及が全くなかったことが印象的でした。
私個人としては、学位記授与式よりも入学式の開催可否の方が影響が大きいと考えています。その意味で、各大学は入学式の開催可否について早急に検討・公表すべきでしょう。また、今ならまだ新入生への通知も郵送物への封入で間に合う可能性があります。
また、あまり語られない論点ですが、学生の課外活動についても対応がむつかしいところです。活動の自粛要請をしている大学も多いとは思いますし、各大学の管弦楽団など3月に定期演奏会や発表会などを行う団体は軒並み開催中止になっています。このまま4月の新歓時期にまで自粛が伸びると課外活動への影響は非常に大きいものになるでしょう。課外活動も大学や大学生としての活力の一つですので、正課ではないから、と単純に切り捨てることはできないと考えています。
学位記授与式 | 入学式 | |
北海道大学 | 中止 | 中止 |
北海道教育大学 | 中止 | |
室蘭工業大学 | 中止 | |
小樽商科大学 | 中止 | |
帯広畜産大学 | 中止 | |
旭川医科大学 | 中止 | |
北見工業大学 | 中止 | |
弘前大学 | 現在検討中 | |
岩手大学 | 中止 | |
東北大学 | 総代のみで開催 | 新入生のみで開催 |
宮城教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
秋田大学 | HP接続エラー | HP接続エラー |
山形大学 | 中止 | |
福島大学 | 中止 | |
茨城大学 | 中止 | |
筑波大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
筑波技術大学 | 学部単位で開催 | |
宇都宮大学 | 開催予定 | |
群馬大学 | ||
埼玉大学 | 検討中であり3月6日頃に公表予定 | |
千葉大学 | ||
東京大学 | 代表者のみで開催 | |
東京医科歯科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
東京外国語大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
東京学芸大学 | 中止 | |
東京農工大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
東京藝術大学 | 中止 | |
東京工業大学 | 3月6日(金)17時頃に公表予定 | 3月6日(金)17時頃に公表予定 |
東京海洋大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 開催予定 |
お茶の水女子大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
一橋大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
横浜国立大学 | 中止 | 中止 |
新潟大学 | 中止 | |
長岡技術科学大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
上越教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
山梨大学 | 中止 | |
信州大学 | 代表者のみで開催 | 新入生のみで開催 |
政策研究大学院大学 | ||
総合研究大学院大学 | 中止 | 中止 |
富山大学 | 中止 | |
金沢大学 | 開催予定 | |
福井大学 | 代表者のみで開催 | |
岐阜大学 | 代表者のみで開催 | 中止 |
静岡大学 | 中止 | |
浜松医科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
名古屋大学 | 中止 | 中止 |
愛知教育大学 | 開催予定 | |
名古屋工業大学 | 開催予定 | |
豊橋技術科学大学 | 代表者のみで開催 | |
三重大学 | 規模を縮小して開催 | |
滋賀大学 | ||
滋賀医科大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
京都大学 | 3月10日(火曜日)以降に公表予定 | 3月10日(火曜日)以降に公表予定 |
京都教育大学 | 中止 | |
京都工芸繊維大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 新入生のみで開催 |
大阪大学 | 代表者のみで開催 | |
大阪教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
兵庫教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
神戸大学 | 中止 | |
奈良教育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
奈良女子大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
和歌山大学 | 開催予定 | |
北陸先端科学技術大学院大学 | 代表者のみで開催 | 新入生のみで開催 |
奈良先端科学技術大学院大学 | 開催予定 | 開催予定 |
鳥取大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
島根大学 | 中止 | |
岡山大学 | 中止 | |
広島大学 | ||
山口大学 | 中止 | |
徳島大学 | 中止 | |
鳴門教育大学 | 中止 | |
香川大学 | 中止 | |
愛媛大学 | 中止 | |
高知大学 | 中止 | |
福岡教育大学 | ||
九州大学 | 開催予定 | |
九州工業大学 | 中止 | |
佐賀大学 | 中止 | |
長崎大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | |
熊本大学 | ||
大分大学 | 中止 | |
宮崎大学 | 規模を縮小して卒業生・修了生のみで実施 | 延期 |
鹿児島大学 | 開催予定 | |
鹿屋体育大学 | 卒業生・修了生のみで開催 | 開催予定 |
琉球大学 | 卒業生・修了生のみで開催 |
美大予備校では東京藝術大学の出願資格を得られない可能性がある。
「高校進学することなく、中卒後即座に大手美大予備校の昼間部に所属し、3年間誰よりもデッサンと色彩構成と立体制作に明け暮れ、現役で東京藝術大学デザイン科に合格する」
という事をキャリアパスとして考えています。
この進路の舵取りは一般的に考えて極論中の極論だとは思いますが、この事の是非を質問として問いたいです。いかがでしょうか。
結論から言うと、将来の夢はともかく、東京藝術大学の入学者選抜試験を受験できない(試験を受けて不合格になるのではなく、そもそも出願資格を得られない)可能性があるため必要な行動を慎重に考えたほうが良いですね。
以下、現在の状況を踏まえて、もし私が同じ質問を受けたたらどのような根拠でどのように回答するかという視点で整理します。なお、当該者が受験するであろう令和5年度入試に同じ状況であるかは保証しません。
1.大学入学者選抜に係る法令等
各大学で実施される大学入学者選抜は、好き勝手なんでもできるわけではなく、入学できる者や選抜方法の大枠が法令等により決まっています。各大学は、これらも踏まえ、入学者選抜試験を実施しています。
学校教育法
第九十条 大学に入学することのできる者は、高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に該当する大学は、文部科学大臣の定めるところにより、高等学校に文部科学大臣の定める年数以上在学した者(これに準ずる者として文部科学大臣が定める者を含む。)であつて、当該大学の定める分野において特に優れた資質を有すると認めるものを、当該大学に入学させることができる。
一 当該分野に関する教育研究が行われている大学院が置かれていること。
二 当該分野における特に優れた資質を有する者の育成を図るのにふさわしい教育研究上の実績及び指導体制を有すること。
学校教育法施行規則
第百五十条 学校教育法第九十条第一項の規定により、大学入学に関し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。
一 外国において学校教育における十二年の課程を修了した者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの二 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者
三 専修学校の高等課程(修業年限が三年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者
四 文部科学大臣の指定した者
五 高等学校卒業程度認定試験規則による高等学校卒業程度認定試験に合格した者(旧規程による大学入学資格検定(以下「旧検定」という。)に合格した者を含む。)
六 学校教育法第九十条第二項の規定により大学に入学した者であつて、当該者をその後に入学させる大学において、大学における教育を受けるにふさわしい学力があると認めたもの
七 大学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、十八歳に達したもの
第百五十一条 学校教育法第九十条第二項の規定により学生を入学させる大学は、特に優れた資質を有すると認めるに当たつては、入学しようとする者の在学する学校の校長の推薦を求める等により、同項の入学に関する制度が適切に運用されるよう工夫を行うものとする。
第百五十二条 学校教育法第九十条第二項の規定により学生を入学させる大学は、同項の入学に関する制度の運用の状況について、同法第百九条第一項に規定する点検及び評価を行い、その結果を公表しなければならない。
第百五十三条 学校教育法第九十条第二項に規定する文部科学大臣の定める年数は、二年とする。
第百五十四条 学校教育法第九十条第二項の規定により、高等学校に文部科学大臣が定める年数以上在学した者に準ずる者を、次の各号のいずれかに該当する者と定める。
一 中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部又は高等専門学校に二年以上在学した者
二 外国において、学校教育における九年の課程に引き続く学校教育の課程に二年以上在学した者
三 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設(高等学校の課程に相当する課程を有するものとして指定したものを含む。)の当該課程に二年以上在学した者
四 第百五十条第三号の規定により文部科学大臣が別に指定する専修学校の高等課程に同号に規定する文部科学大臣が定める日以後において二年以上在学した者
五 文部科学大臣が指定した者
六 高等学校卒業程度認定試験規則第四条に定める試験科目の全部(試験の免除を受けた試験科目を除く。)について合格点を得た者(旧規程第四条に規定する受検科目の全部(旧検定の一部免除を受けた者については、その免除を受けた科目を除く。)について合格点を得た者を含む。)で、十七歳に達したもの
令和2年度大学入学者選抜実施要項について(通知)
標記の要項について,国公私立大学関係者及び高等学校関係者等の審議を踏まえ,別紙のとおり定めましたので通知します。
先月末に公表した「大学入学者選抜の公正確保等に向けた方策について(最終報告)」を踏まえたルールや調査書の電子化について,関係の諸事項を加えております。
各大学においては,本要項に基づき大学入学者選抜を適切に実施するとともに,引き続き入学者選抜方法の工夫・改善を進めるようお願いいたします。
2.東京藝術大学の出願資格
東京藝術大学の2020年度(令和2年度)入学者選抜要項によれば、出願資格は以下のとおりです。
次のいずれかに該当する者で,本学の学部・学科で定める2020年度(令和2年度)大学入学者選抜大学入試センター試験(以下「大学入試センター試験」という。)の教科・科目のすべてを受験した者とする。【〔表3 〕9頁・〔表4 〕10頁参照】
(1)高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者及び2020 年3 月卒業見込みの者
(2)通常の課程による12年の学校教育を修了した者,又は通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者及び2020 年3 月修了見込みの者
(3)高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び2020 年3 月31日までに,これに該当する見込みの者
ア 外国において学校教育における12年の課程を修了した者及び2020年3 月31日までに修了見込みの者,又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの
イ 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者及び2020 年3 月31日までに修了見込みの者
ウ 専修学校の高等課程(修学年限が3 年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者
エ 文部科学大臣の指定した者
オ 高等学校卒業程度認定試験規則による高等学校卒業程度認定試験に合格した者(旧規定による大学入学資格検定に合格した者を含む。)及び2020年3月31日までに合格見込みの者で,2020年3月31日までに18歳に達する者
カ 本学において,個別の入学資格審査により,高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で,2020年3月31日までに18歳に達するもの
(1)は、通常の高校や中等教育学校(ざっくり言うと中学校と高校が一体化した学校)の卒業生が該当します。
(2)は、学校教育法逐条解説(コンメンタール)によれば、特別支援学校卒業生や高等専門学校3年次修了者が該当するものと考えられるようです。
(3)について、今回のケースに該当すると考えられるのは、ウ・オ・カです。
ウは、文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧に該当する学科等を修了した者が該当します。美術系の専修学校高等課程も散見されますので、場合によっては、美大予備校でも出願資格が認められるかもしれません。
オは、高等学校卒業程度認定試験(高認試験、昔の大検)に合格した者が該当します。美術予備校に関するウェブページでも、高認試験の受験を勧めています。
高卒資格がないけど美大にいきたい!美大受験に備えて何が必要?
美大だけに限りませんが、大学へ進学するためには高卒資格が必要です。すでに退学したのであれば、「高卒認定」を取得しておきましょう。高卒認定試験は毎年8月と11月に行われ、合格すると「高校卒業と同程度の学力を有する」と認められた証となるものです。16歳以上で受けられるため、18歳を待たずに取得できます。
高卒認定試験は全8科目を一度に受ける必要はありませんが、全て合格する必要が。そのため、美大合格に欠かせない基礎的な画力を伸ばす前に試験勉強に取り組む必要があります
※一部誤解を招く表現があります。「16歳以上で受けられるため、18歳を待たずに取得できます。」とありますが、試験の合格に関わらず、合格者と認められるのは満18歳の退場日の翌日からです。そのため、オには「2020年3月31日までに合格見込みの者で,2020年3月31日までに18歳に達する者」という表現があります。
カは、東京藝術大学が行う資格審査に合格した者が該当します。この審査は、「東京藝術大学個別入学資格審査に関する実施要項」に則り行われますが、審査の要件として高等学校相当の学習歴3年以上、学習歴の内容が高等学校学習指導要領に準ずると認められることが定められています。美術予備校がこれに該当するかは、ちょっとわからないですね。
3.東京藝術大学美術学部デザイン科の入学者選抜
東京藝術大学の2020年度(令和2年度)入学者選抜要項によれば、美術学部デザイン科の入学者選抜方法は以下のとおりです。
大学入試センター試験:3教科3科目または4科目(国語及び外国語は必須)
個別学力検査:鉛筆写生、デザインⅠ(色彩)、デザインⅡ(形体)
●1次:個別学力検査等の成績により合否を判定する。●2次:2次個別学力検査等までの成績に,大学入試センター試験成績と出願書類(調査書等)の審査を加え,総合的に判定し,合否を決定する。
センター試験成績がどこまで重みづけされるのかはわかりませんが、それなりに勉強が必要なのかもしれません。
同要項によれば、平成31年度入試のデザイン学科の結果は以下のとおりです。
入学定員:45
志願者数:665
受験者数:646
合格者数:44
入学者数:44
受験倍率:14.8
4.東京藝術大学の出願資格を得るためには
以上を踏まえ、美大予備校に通うという前提で東京藝術大学の出願資格を得るためには、以下の進路が考えられるかと思っています。2は限りなく少ないだろうと思うので、1か3が妥当なところでしょう。
- 高等学校に進学し、美大予備校にも通う(ダブルスクール)
- 文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧に該当する美大予備校に進学する
- 文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧に該当しない美大予備校に進学し、高等学校卒業程度認定試験に合格する
あるいは、大学が独自に行う個別の入学資格審査について東京藝術大学に問い合わせ、過去に美大予備校修了者に入学資格を与えたことがあるのか、具体的にはどの美大予備校かを聞いてもいいかもしれません(おそらく、個別事例なので教えてもらえないかもしれませんし、予備校では「高等学校相当の学習歴3年以上、学習歴の内容が高等学校学習指導要領に準ずる」と認められないのではないかと思いますが)。
いずれの進路にしろ、高等学校学習指導要領に準拠した教育を受ける/学習を行うことは必要ではないかと感じています。
大学はどのように避難所の運営に関われるのか。
鍵の所在不明、避難所開けず 埼玉県幸手市の2カ所|全国・海外のニュース|徳島新聞
市の危機管理防災課によると、13日午前1時に災害対策本部を設置し、避難所開設を始めた。小中学校や市の施設は市で管理していた鍵で開けられたが、幸手看護専門学校と日本保健医療大の校舎については鍵の所在が分からず、学校側とも連絡が取れなかったため、開けなかった。
多くの大学が避難所として指定されている中いつかこのような問題が生じるだろうなと思っていましたが、やはり発生していたようですね。
避難所の運営は基本的には市町村が行うでしょうが、平時はともかく、特に今回のように休日の夜間など一般的に大学が閉鎖(事務局の大半が不在)している時は大学側が扉の解鍵や備品の準備を主導しなければなりません。
おそらく、今回のようなケースには、
- 市町村職員が大学へ到着
- 守衛室から関係する大学職員へ連絡
- 関係する大学職員が大学に到着
- 関係する大学職員が市町村職員と連携して扉の解錠、備品の準備等を行う
のような順序で対応することになるでしょう。この場合、3.の職員が到着することができるのか、4.の職員が適切に対応できるのかがポイントになりそうです。私自身、一時期は勤務校の非常に近くに住んでいましたし、災害避難情報を踏まえ深夜に勤務校に避難(と言う名の所掌業務の災害対応)したこともあります。個人的には担当部署に災害時の初期対応について確認もしていましたが、もしその時になった場合はどの程度の権限で動けるのか不安でした。
例えば、信州大学は避難所等の運営協力に関する基本指針を公表していますし、東日本大震災などの対応経験も活かせるところが多くあります。このあたりも参考にしたいところです。
普段、(なぜかすでに災害対策本部テントが設営してある)避難訓練や(なぜか普段倉庫にしまってある備品がすでに机の上にある)避難誘導訓練を行うこともありますが、市町村役場と連携した避難所設営訓練も必要だなと感じたニュースでした。