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若手による業務改善はいずれ行き詰まる。

その他

 なんとなく業務改善は若手職員が主になって行うものという空気があるなと感じています。実際、中期目標・中期計画に「若手職員による業務改善を推進する」みたいな文言がある国立大学法人もあります。ただ、大きな目で見ると、これって必ず行き詰まるのではないでしょうか。

 若手職員による業務改善の背景には、何物にも染まっていない視点で業務を見つめ非効率的な箇所を改善する方向性があると推測します。実際上の方と話をすると「自分たちはこのやり方でずっとやってきたので改善点に気づきにくい」という言葉を聞いたりしますし、特に国立大学が法人化した直後は法人化後採用職員への(根拠のない)期待は大きかったようですね。また、本務以外の取組を検討することによる若手職員の能力開発という面もあるのでしょう。

 しかし、若手職員は基本的には経験が低く、それゆえその組織の中で立ち回る能力も低いため、業務改善となると概ね身の回りの「できそうなこと」に傾きがちです。例えば、ファイル整理だったりグループウェアの利用だったり書類作成の工夫であったりですね。これはこれで大切なことです。だた、このような状況が何年も続くと「できそうなこと」が刈り尽くされ荒廃した狩場で立ち尽くすか、あるいは何年か前にやったままになって継続しなかった取組を再度行うループ状態になるかのどちらかになることが推測できます。こうなると、やっている若手職員もやらせている上司や担当部署も、何のためにやっているのか分からなくなることが容易に想像できます。たまにスーパー若手職員みたいなのが現れ画期的なことをやったりしますが、まぁ発生確率がかなり低い事象でしょう。

 若手職員による業務改善を止めろと言うつもりはありません。細やかな手技の改善は大切なことですし、能力開発という目的も(十分な効果があるかという点は置いて)無視できない点です。ただ、「若手職員だけの業務改善」ではその効果は漸近的に0に近づきます。実際に業務を動かしているのは係長や課長補佐など若手職員よりも上のポジションでしょうし、管理職級が動かなければ本当の意味での「業務改善」にはならないでしょうね。

 というわけで、もしこのような状態に陥っている場合の業務改善の方向性について、幾つか考えてみました。

1.他部署からの業務改善要求に応える

 自分の身の回りのことを自分で考えるからアイデアが貧困になるとも考えられるため、他部署へ業務改善要求を出すとともに、他部署からの業務改善要求に応えるような業務改善活動にしてはどうでしょうか。他部署からの要求にどのような方法でどれほど応えられたかを公表すれば、効果があった取組も学内共有することも可能でしょう。

2.共通テーマを定める

 例えば「打ち合わせ・会議時間の短縮」などその年度の共通業務改善テーマを設け、それに資する改善を全ての部署で取り組むような業務改善活動にしてはどうでしょうか。同じことに取り組むため、従来よりも手法や成果の共有が捗ると思われます。

3.職員を大幅に減らす

 そもそも業務を改善する必要性を感じなければ業務改善をしません。そのため職員を大幅に減らして、必要な業務手順と不要な業務手順を仕分けしなければ業務をこなせないようにしましょう。まぁこれはただのネタですが。

 いつも嫌な気分になるのは若手職員への無根拠な期待です。よくあるようなイノセンスなものの有効性への期待と同じでしょうが、勝手に期待して勝手に失望するのはやめてほしいと思っています。確かに活躍している若手職員は全国にいます。ただ、それはごく一部であり、そのような者がその大学から生まれるかは極めて低い確率でしょう。若手職員への期待と同じように、若手職員は中堅職員や管理職に対して期待しており、それに応えられることこそが組織を活性化するのだろうと考えています。