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文部科学省行政実務研修生に思う 〜制度編〜

 国立大学法人の職員にとって、外部機関での研修や出向と言えば、文部科学省での研修、所謂文科省研修生になることが真っ先に思い浮かびます。その他、各大学では(独)日本学術振興会や(一社)国立大学協会、関連するコンソーシアム、民間企業等など、様々な研修・出向先があると思いますが、全国的な規模感で言うと、文科省研修生が最も大きいものでしょう。しかし、この文科省研修の制度や実態は、ほとんどと言っていいほど情報が公表されていません。少なくとも、web上で検索しても、あまり体系的な情報が出てこないところです。

 私自身も文科省研修経験者であり、後輩からもよく研修について相談を受けています。その度に色々と答えてはいるのですが、きっと全国にも同じような不安や疑問を持っている方も多いのだろうと思います。そこで、文科省研修生とはどのような制度で実際にどのように業務を行うのか、あるいはその他諸情報について、過度に私感を挟まないことを心がけながらここに記録しておきます。本稿は3部(制度編、業務編、私感編)で構成する予定です。なお、最新の情報や各大学の事情とは異なっている可能性がありますので、参考程度にご覧ください。

1.本稿で扱う「文部科学省行政実務研修生」とは

 一言で文科省への研修と言っても、複数の形態があります。規模が最も大きいのは、大学に籍を置いたまま文科省で勤務する「行政実務研修生」でしょう。所謂文科省研修生と言った場合は、これを指すことが多いです。大学に籍を置いてますので、給与支払いや人事労務管理は大学が行います。本稿では、この行政実務研修生(以下、「研修生」という。)を言及の対象とします。研修という形では、大学に籍を置きながらも一年間文科省で勤務し一年間海外の大学で勤務する「国際業務研修生:LEAP」という制度もあります。これも給与支払いや人事労務管理は大学が行います。LEAPについては、こちらのBLOG(2012-03-26 - Clear Consideration(大学職員の教育分析))にまとめられています。

 大学を辞職し(という体にし)文科省職員として定められた期間勤務する「交流人事」という制度もあります。3年間程度文科省職員として勤務し、その後大学へ戻るというルートですね。大学を辞職してますので、給与や人事労務管理文科省が行います。その他、少数ですが様々研修・出向ルートがあるようにも聞いています。

 これらに類似する研修・出向は、国立大学法人大学共同利用機関法人のみならず、関連独立行政法人や私立大学などにも及びます。また、都道府県や市町村の教育委員会所属の職員の方や小中高の教諭の方も文科省へ研修へいらしています。

 国立大学法人大学共同利用機関法人から研修生として赴任している者は、2年目研修生やLEAP研修生などを含め、転任待ちを除けば、毎年100名程度という認識です。

2.研修生としてのパス

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 図1に、研修生の代表的なパスを示します。概ね研修生は一年間という研修期間中半年毎に部署を異動します。その後半に差し掛かった頃、大学職員を辞め文科省職員となるのか、「転任試験」を受けるかどうかの決断を迫られます。転任試験の結果により、不合格の場合は文科省職員とならずに大学に戻ることになりますが、合格の場合にもすぐに文科省職員になれるとは限りません。官庁の職員数は定員が決まっていますので、定員が空いていない場合、定員が空くまで研修生の身分に留まり続ける所謂「転任待ち研修生」となります。転任待ちの期間は人により様々ですが、1年2年程度や長い場合はそれ以上待つというケースがあります。

 さて、ここまでざっくりと研修生のパスを書いてきました。人事の話なのでこのようにスムーズにいくとは限らないのですが、それ以上に言いたいのは、これは私が見聞きした中で代表的だと判断した例であり、実態は大学によりだいぶ異なるということです。例えば、一年間ずっと同じ部署で勤務する大学もありますし、大学の方針として転任を許さないこともあります。また、転任試験を経ずにもう一年間研修を継続する「2年目研修生」についても、許す大学と許さない大学があります。少なくとも、研修生として赴任される際は、半年間で部署の異動があるのかないのか程度は所属大学に確認しておいても良いかもしれません。

(業務編に続く。)