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業務の理論的裏付けに思う 〜日本語論文の探し方〜

 日頃、業務やSDを行っている中では、自分のやっていることがどのような経緯や理論の上で成り立っているのか、学会等でどのような最近の研究が行われているのか、気にするようにしています。個別の業務を一般化モデルにすることで、自分以外の者へ引き継ぐ際あるいは他大学や他業務の者に説明する際に役立つとともに、現状から理想的なモデルを目指した改善を行うことも可能になると思っているためです。

 理論的な部分を調べる際には、個別のHPをブックマークしチェックするとともに、特に日本語論文等のデータベースを活用しています。もちろん、図書館や書店を活用した文献収集なども行いますが、なるべくお金をかけず、どこでも(特別な契約をした学内LANでなくとも)活用でき、論文等本文を入手できるのが理想ですよね。ということで、私が普段利用している3つのデータベースを紹介します。

1.CiNii

CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所

 CiNii(NII論文情報ナビゲータ[サイニィ])は、論文や図書・雑誌などの学術情報で検索できるデータベース・サービスです。どなたでもご利用いただけます。一部の論文本文など、有料の部分については「機関定額制(法人単位のご利用登録)」やID(個人単位のご利用登録)を取得すると、料金優待などの特典があります。「CiNii Articles - 日本の論文をさがす」では、学協会刊行物・大学研究紀要・国立国会図書館雑誌記事索引データベースなどの学術論文情報を検索できます。

 CiNiiは国立情報学研究所(Nii)が運用する学術情報プラットフォームであり、各大学の紀要など、日本語の論文を検索できます。詳細検索欄で「CiNiiに本文あり」にチェックを入れると、pdf等ファイルがある論文が抽出されますので、普段利用する際はチェックをいれて検索しています。

2.J-STAGE

J-STAGE トップ

 J-STAGEは、日本国内の科学技術情報関係の電子ジャーナル発行を支援するシステムです。 J-STAGEがJSTリンクセンターと連携することにより、J-STAGE上で公開されている論文は、 ChemPort、PubMed、CrossRefを経由し、海外の様々な電子ジャーナルサイト上の論文と相互にリンクされます。 

 J-STAGEは科学技術振興機構(JST)が運用する科学技術情報発信・流通総合システムです。様々な学会等の紀要などが収録されています。CiNiiとJ-STAGEの収録論文の違いはよくわかりませんが、登録データは違いそうですので、別データベースと考えた方がより幅広に情報を収集できそうです。

3.KAKEN: 科学研究費助成事業データベース

KAKEN - 科学研究費助成事業データベース

 科学研究費助成事業データベースは、文部科学省及び日本学術振興会が交付する科学研究費助成事業により行われた研究の当初採択時のデータ(採択課題)、研究成果の概要(研究実績 報告、研究成果概要)、研究成果報告書及び自己評価報告書を収録したデータベースです。科学研究費助成事業は全ての学問領域にわたって幅広く交付されていますので、本データベースにより、我が国における全分野の最新の研究情報について検索することができます。

 KAKENは国立情報学研究所文部科学省日本学術振興会と協力して作成・公開しているデータベースです。科研費の研究課題などについて検索できますので、最新の研究動向を確認できます。また、詳細検索欄には、報告書PDF全文検索ができるようになっていますので、実際の成果報告書を確認することができます。ただ、大学職員が科研費の申請対象となっている「研究種目:奨励研究」については報告書PDF全文検索の対象外となっており、その点は大変残念です。

 これらのデータベースを横断的に検索できるGiNiiというサービスもあります。ただ、報告書等全文の有無が指定できないため私はあまり使用しておらず、各データベースHPで直接検索しています。

GeNii (NII学術コンテンツ・ポータル)

 さて、これらのデータベースにどのようなキーワードを入れて検索するかです。もちろん、「大学職員」「高等教育政策」といった概念的キーワードや皆さんの業務に沿ったキーワードを入れれば良いと思いますし、SD関係ですと「組織学習」「人材育成」「能力開発」などをキーワードとして良く使用しています。データベースから離れたところでは、各大学にある高等教育研究開発センターなどのHPに掲載されている紀要などがよい情報源になるでしょう。それ以外では、SDの理論的裏付けとして、南山大学人間関係研究センターの研究紀要「人間関係研究」を良く見ています。

南山大学 紀要一覧

 経験と直感だけに依存した取組では、その知見は各個人の中にしか存在しないことになります。研究論文等を参照しながら、自らの取組を一般化し、大学の構成員や他大学の皆さんと共有できていければ、もっと良い大学運営ができるのではないかと考えています。