前に立ち続けることで学べることもある。

 id:shinnji28さんがプレゼン時の謙遜についてBLOGに書かれています。

shinnji28.hatenablog.com

 私は彼と面識があり、最近では仕事の相談にのってもらっています。彼らしい姿勢だなと思いながら読んでいたのですが、そういえば私も同じような経験をしたことを思い出しました。

 何年か前、とあるアマチュア合唱団の演奏会を聴きに行った時のことです。すべてのプログラムが終わり、アンコール曲を演奏する前に指揮者が話し始めました。曰く、練習時間が十分に取れなかった、喉の調子が悪い団員もいる、アンコールはうまく演奏できるかわからない。はっきりと覚えてはいないのですが、お客を前にしてこんなことを言うのかとかなり驚愕しました。決して悪い演奏ではなかったと思うのですが、それ以降その指揮者の演奏会には行っていません。

 前に立つ人には常に期待される役割があります。それに応えつつ、時には戦略的にそれを外し、様々な知見や思いなどを聴衆に抱いてもらうことが大切なのだろうと思います。

 ただ、松宮さんもおっしゃっているように、そのような働きは一朝一夕に身につくものではありません。皆の前に立ち続け、失敗と手応えを常に感じることで徐々にできるようになってくるものなのでしょうね。私の特技の一つに「少ししか知らないことをさもよく知っているかのように話す」というものがありますが、これも様々な場で前に立ち話し続けたからこそ身につけられたものだと自負しています。

 必ずしも聴衆から登壇者へというだけではなく、参加者から企画者へという変化の中でも、同じように学べるものはたくさんあると思います。話を聞くだけではなく、自分自身の思いを話すことで、逆に自身を客観視できることもあるのでしょう。皆の前に立って話す機会はこれからも大切にしていきたいです。

 とりあえず、謙遜は言葉を重ねず一言サラッと、というのが無難なのかもしれませんね。