一番文字数が多い大学名、ご存知ですか?

 大学名がずらっと掲載された書類(補助金の採択リストなど)を見るのは、自分の知らない大学を知ることができて結構好きです。大学のリストといえば、「全国大学一覧」ですね。"あの"文教協会が作成していたことでもおなじみの、角が頭にあたれば流血必死の分厚い冊子です。今回は、全国大学一覧に掲載された大学名をいろんな視点で整理してみました。なお、私の手元には平成28年度版しかなかったため、一部情報が古くなっているところがあるかもしれません。また、学生募集を停止した大学は除いています。

大学名の文字数

  大学名の文字数を多い順に並べます。なお、小書き文字、濁点、半濁点は1文字として計上しています。

文字数 大学名
20文字 LEC東京リーガルマインド大学院大学
17文字 ビジネス・ブレイクスルー大学
16文字 大阪河﨑リハビリテーション大学
15文字 山陽小野田市立山口東京理科大学
14文字 日本ウェルネススポーツ大学
新潟リハビリテーション大学
デジタルハリウッド大学
13文字 北陸先端科学技術大学院大学
奈良先端科学技術大学院大学
文化ファッション大学院大学
情報セキュリティ大学院大学
ノートルダム清心女子大学
日本赤十字九州国際看護大学

ひらがなが含まれる大学名

 ひらがなが含まれる大学名を以下に列挙します。

アルファベットが含まれる大学名

 アルファベットが含まれる大学名を以下に列挙します。

地名が冒頭につく大学名

  地名が冒頭につく大学名のうち、特に多い地名を以下に列挙します。京都より大阪のほうが多いことは少し意外でした。

地名 大学名
東北(11大学) 東北大学
東北医科薬科大学
東北学院大学
東北芸術工科大学
東北公益文科大学
東北工業大学
東北女子大学
東北生活文化大学
東北福祉大学
東北文化学園大学
東北文教大学
新潟(11大学) 新潟大学
新潟医療福祉大学
新潟経営大学
新潟県立大学
新潟県立看護大学
新潟工科大学
新潟国際情報大学
新潟産業大学
新潟青陵大学
新潟薬科大学
新潟リハビリテーション大学
東京(39大学) 東京大学
東京有明医療大学
東京医科大学
東京医科歯科大学
東京医療学院大学
東京医療保健大学
東京音楽大学
東京外国語大学
東京海洋大学
東京学芸大学
東京家政大学
東京家政学院大学
東京基督教大学
東京経済大学
東京芸術大学
東京工科大学
東京工業大学
東京工芸大学
東京国際大学
東京歯科大学
東京慈恵会医科大学
東京純心大学
東京情報大学
東京女子大学
東京女子医科大学
東京女子体育大学
東京神学大学
東京聖栄大学
東京成徳大学
東京造形大学
東京電機大学
東京都市大学
東京農業大学
東京農工大学
東京福祉大学
東京富士大学
東京未来大学
東京薬科大学
東京理科大学
愛知(14大学) 愛知大学
愛知医科大学
愛知学院大学
愛知学泉大学
愛知教育大学
愛知県立大学
愛知県立芸術大学
愛知工科大学
愛知工業大学
愛知産業大学
愛知淑徳大学
愛知東邦大学
愛知文教大学
愛知みずほ大学
名古屋(14大学) 名古屋大学
名古屋音楽大学
名古屋外国語大学
名古屋学院大学
名古屋学芸大学
名古屋経済大学
名古屋芸術大学
名古屋工業大学
名古屋産業大学
名古屋商科大学
名古屋女子大学
名古屋市立大学
名古屋造形大学
名古屋文理大学
大阪(30大学) 大阪大学
大阪青山大学
大阪医科大学
大阪大谷大学
大阪音楽大学
大阪学院大学
大阪河﨑リハビリテーション大学
大阪観光大学
大阪教育大学
大阪経済大学
大阪経済法科大学
大阪芸術大学
大阪工業大学
大阪国際大学
大阪産業大学
大阪歯科大学
大阪樟蔭女子大学
大阪商業大学
大阪女学院大学
大阪市立大学
大阪成蹊大学
大阪総合保育大学
大阪体育大学
大阪電子通信大学
大阪人間科学大学
大阪物療大学
大阪府立大学
大阪保健医療大学
大阪薬科大学
大阪行岡医療大学
京都(23大学) 京都大学
京都医療科学大学
京都外国語大学
京都学園大学
京都華頂大学
京都看護大学
京都教育大学
京都光華女子大学
京都工芸繊維大学
京都嵯峨芸術大学
京都産業大学
京都情報大学院大学
京都女子大学
京都市立芸術大学
京都精華大学
京都造形芸術大学
京都橘大学
京都ノートルダム女子大学
京都美術工芸大学
京都府立大学
京都府立医科大学
京都文教大学
京都薬科大学
神戸(16大学) 神戸大学
神戸医療福祉大学
神戸海星女子学院大学
神戸学院大学
神戸芸術工科大学
神戸国際大学
神戸市外国語大学
神戸市看護大学
神戸松蔭女子学院大学
神戸情報大学院大学
神戸女学院大学
神戸女子大学
神戸親和女子大学
神戸常磐大学
神戸薬科大学
神戸山手大学
広島(11大学) 広島大学
広島経済大学
広島工業大学
広島国際大学
広島国際学院大学
広島修道大学
広島女学院大学
広島市立大学
広島都市学園大学
広島文化学園大学
広島文教女子大学
九州(12大学) 九州大学
九州栄養福祉大学
九州看護福祉大学
九州共立大学
九州工業大学
九州国際大学
九州産業大学
九州歯科大学
九州情報大学
九州女子大学
九州保健福祉大学
九州ルーテル学院大学
日本(27大学)

日本大学
日本医科大学
日本医療大学
日本医療科学大学
日本ウェルネススポーツ大学
日本映画大学
日本教育大学院大学
日本経済大学
日本工業大学
日本歯科大学
日本社会事業大学
日本獣医生命科学大学
日本女子大学
日本女子体育大学
日本赤十字看護大学
日本赤十字秋田看護大学
日本赤十字九州国際看護大学
日本赤十字豊田看護大学

日本赤十字広島看護大学
日本赤十字北海道看護大学
日本体育大学
日本福祉大学
日本文化大学
日本文理大学
日本保健医療大学
日本薬科大学

東京と名が付きつつもキャンパスが都内にない大学

 東京という文字が冒頭についてはいるものの、キャンパス(主として学部教育を行うキャンパス)が東京都内にない大学を以下に列挙します。

大学名 学部・キャンパス名 所在地
東京家政大学 看護学科、子供学部 埼玉県狭山市
東京工芸大学 工学部、芸術学部の1・2年次 神奈川県厚木市
東京成徳大学 人文学部応用心理学 千葉県八千代市
東京電機大学 理工学部 埼玉県比企郡
同上 情報環境学 千葉県印西市
東京都市大学 環境学部、メディア情報学部 神奈川県横浜市
東京農業大学 農学部 神奈川県厚木市
同上 生物産業学 北海道網走市
東京理科大学 薬学部、理工学部 千葉県野田市
同上 基礎工学部1年次 北海道山越郡
東京工業大学 すずかけ台キャンパス 神奈川県横浜市
東京国際大学 全学部 埼玉県川越市
東京基督教大学 神学部 千葉県印西市
東京情報大学 総合情報学部 千葉県千葉市
東京福祉大学 伊勢崎キャンパス 群馬県伊勢崎市
同上 名古屋キャンパス 愛知県名古屋市

将来構想部会(第8回)の議事録はおもしろい。

将来構想部会(第9期~)(第8回) 議事録:文部科学省

 中央教育審議会大学分科会将来構想部会の第8回の議事録が公表されました。本部会では、先日、今後の高等教育の将来像の提示に向けた論点整理が公表されたところですね。中教審の議事録はテープ起こし業者から事務チェック、委員チェックを経るため、公表が遅くなる傾向にあります。今回公表された第8回も11月8日に開催されたものであり、論点整理の初期段階といったところです。この議事録、眺めてみると結構おもしろいですね。各委員の大学観や現場での所管などが、いろいろと話されています。

 特に気になった個所を委員名とともに引用します。

(有信)連携ということは非常に重要だと思うのですけれども,ここに挙げられた個別の現状や論点を見ていると,何となく少し視点が違うような気がしています。基本的には,大学の自律性・自主性ということをどのように考えるのかということが非常に重要だと思うのです。(略)もう少し学生と大学との間の関係で,学生が複数の大学で自分が身に付けたい資質や能力についての学びの設計ができて,それをきちんと身に付けられるという視点を実現するような形でのフォーメーションも考えるべきではないかと思います。

(村田)地域における高等教育機関をどう保つかという話だと思うんですが,そこのところは連携では難しいのではないかと思っております。現在私は,大学コンソーシアムひょうご神戸の副理事長,そして,西宮市大学交流協議会の議長をしております。実際,複数の大学の連携というのは,確かに緩い形ではできるのですけれども,学生一人一人の教育に責任を持つのは,やはりそれぞれの大学でしかないわけです。それを連携によって救えるというのは単なる夢物語でしかなくて,失敗するのが目に見えていると私は思っております。

(金子)この専任教員という考え方自体が,社会における大学の地位にかなりそぐわないものになってきているということは事実で,これをどのような形で編成し直すのかということがこれから問題になるのだと思うのですが,まず,第一に申し上げたいのは,この問題の出し方について,教員は一つの大学に限り専任になるという原則が問題だということですけれども,一方で,社会,企業と大学を兼任する場合はどうなのかという問題もあると思うのです。(略)そういった意味で,大学教員がどこに属するのか。それはどのような仕事を与えられるかというのと同時に,どのような権利を与えられるのかということとも関連しているので,かなり幅広に考えなければいけないということを申し上げておきたいと思います。

(前野)国立の場合,独立行政法人という形で機構が置かれており,国立大学法人とは異なる形態になっております。(略)ただ,一方で,独立行政法人の場合,予算がどんどん切られますので,高等専門学校は非常に厳しい状態でございまして,理工系の高等専門学校でありながら,人件費が非常に高い割合を占めています。大学に負けずに外部資金は取っているんですが,やはり厳しい状態にあります。そうしますと,長期の視点から見ると,理工系の設備をどのように更新して維持していくのか。そして,教育研究をどうやって維持するのかということは非常にシビアになっております。

(福田)設置基準は一つの中で,例えば統合にしましても,連携にしましても,大阪では大阪府立大学大阪市立大学が議会の承認を得て一緒になっていくスケジュールになっていますけれども,これが私立大学でどこまでできるのか。それを一つの基準でやっていくと,非常に難しいと思います,片方は完全につぶれるまでは統合ではなく吸収しかないかと思います。品位がない話かもしれませんが,経営ありきなのです。経営をよくするためにはどのような学生サービスをするのか,どのような教育をしていくのか,どのような研究を発表していくのかという,全て経営につながるのが私立大学だと思っております。

(両角)私立大学が統合した事例について何件もインタビューをしたことがあるのですが,実際,これまでに統合したところは,いわゆる対等合併の例は余りなく,吸収合併が多かったのです。その理由を聞いていくと,もともと連携の歴史があるとか,建学の精神が近いとか共通の土台があるのですが,それだけではなくて,やはり吸収される側(がわ)というのは,経営が厳しくなっている大学であることが多く,例えば少なくとも,施設の更新などは全然できていないような状態なのです。吸収する側(がわ)に経済的な負担が相当にかかっています。(略)あと,このような私立大学の統合の話をされるときに,私立大学の経営が厳しくなったところをどうするかという話が出てくるんですけれども,実際,厳しくなるのは地方の小規模な大学であることが多いのです。そうすると,それを吸収するような学校というのはその地域にはどこにもない。それだけの体力がある学校は都市部にあるので,そういったところがわざわざ吸収するメリットというのはあまりないわけです。ボランティアではないのだとおっしゃる大学さんもありまして,もっと強くなるための統合の制度で改善すべき点はたくさんあると思うのですが,経営の危機といったものを統合で何とかしようというのは,少し厳しいのではないかというのがこれまで見てきた印象です。

(黒田)複数の大学を持つことになれば,法人の長(おさ)と学長は別にした方がいいと思います。たまたま複数の大学の中の一人が法人の長(おさ)になってもいいわけですけれども,責任が全く違うと思いますので,分けるべきであると私は考えます。そうしていくことによって,国立大学は地方においても活性化してくると思うのです。今,それぞれの国立大学がそれぞれの立場でどこかのまねをしているという状態です。独自性が全く国立大学にないわけですから,そういうことをしっかりとやっていただきたいと思います。

(金子)私は国立大学法人に複数大学を置くというのは,やって意味がある例が本当にあるのか,ないのか,非常に疑問に思っています。需要があるならば,議論すればいいのですけれども,その形を私立大学とそろえるというのは,ほとんど意味がないと思います。それから,アメリカの州立大学システムの制度は,やはり歴史的な事業があって成立したのであって,要するに半分は文部科学省みたいなシステムなのです。そのような行政的な機能を政府との間に一つかませているだけで,それを日本でやる意味は私はないと思います。一法人が複数大学を持つというのはほとんど日本だけなのです。アメリカの州立大学制度も性格が異なるものであると思います。それについては,本当にやりたいところが出てくれば議論すればいいと思いますが,私は今,何で議論するのかということが余りよく分かりません。

 黒田委員の発言の趣旨はちょっとわかりませんね。同部会の第6回では、同委員は、

(黒田)国立大学は国立としての役割があります。公立大学は公立の役割があるだろうと思います。そのことをしっかりとやっていただくことが必要だと思います。

と発言しています。一般的に国立大学の役割の一部として、その成立過程を踏まえると、国内各地にあまねく高等教育を行き渡らせることだとも考えられますので、独自性なく真似事をしているという批判は、過去のご自身の発言を踏まえるとちょっと一貫性に乏しいなと思えます(あくまで、浅学の徒である私個人の印象です)。もちろん、それにおごることなく、法人化以降、ミッションの再定義などを踏まえ、個性の伸長に資する取り組みを各国立大学とも推進してきたところだと認識しています。その成果の一部は、ほかでもない同部会において事例紹介の形で開陳されているはずです。逆に言えば、すべての私立大学が確固たる独自性のもとに唯一無二の取り組みを行っているわけでもないだろうと推測します。

 これに対し、金子委員は極めて否定的に国立大学一法人複数大学制に対する意見を述べています。弊BLOGでも、メリットが不明確である点を指摘しましたね。

kakichirashi.hatenadiary

 本部会は、平成30年秋ごろの答申に向け、今後も検討を進めていく予定です。引き続き注目していきたいですね。

2017年の大学業界を振り返る。

 気がつけばもうすぐ2017年も終わりますね。そこで、2017年の大学業界を振り返ってみます。

 以下に、朝日新聞データベース聞蔵Ⅱより「大学」とキーワード検索した結果の一部を示します。なお、事項の抽出は個人的にポイントだと思うことのみとなっています。(8月はうまく見つけられなかったのでなしとしています。)

1月

  • 阪大院教授を収賄容疑で再逮捕 
  • 東海大に再開求め嘆願書 南阿蘇村区長会が署名添え
  • 試用期間改ざん、ソフト不正利用 東京情報大生42人
  • イノベーティブな大学ランキングが公表 
  • 2017年度国立大学運営費交付金の再配分額が公表 
  • 岡山理科大獣医学部申請を国が認める 
  • 長崎大が東京に大学院新設
  • プール学院大が名称変更「桃山学院教育大学」へ
  • 都留文科大、新たに履修漏れ 
  • 薬科大教授、論文に不適切行為で処分
  • 首都圏に43年ぶり医学部、国際医療福祉大が開設
  • 文科省天下りが発覚 
  • 私立旭川大の市立化の検討が大幅遅れ見通し
  • 苫小牧駒沢大の経営、京都育英館に譲渡へ 
  • 長野大の志願者、公立化で8倍に 
  • 学生成績原簿、354人分を紛失 奈良先端科学技術大 

2月

3月

  • 山口大学の2次試験で出題ミス
  • 東京大学の論文不正、4人懲戒解雇相当 
  • 文科省の元局長、無届けで学長に
  • 名大院の准教授、物品不適切購入
  • 法大で4.3万件の情報流出 
  • 名大「明確な軍事研究せず」指針策定へ、学術憲章を基に 
  • 長崎大、核軍縮学ぶ研究科新設
  • 違法天下りについて文科省が最終調査報告
  • 大学ランキング日本版が公表

4月

  • 「給付型奨学金」6月支給開始へ 改正法が成立
  • 内定58人、200社争奪戦 破産手続き中のてるみくらぶ 
  • インターン「1日」でもOK 6月選考解禁は継続 19年春入社の就職活動 
  • 英語、民間試験2回まで可能 国語記述、80〜120字含む数問 センター試験後継、今の中3から 
  • 名大の准教授、アカハラ処分 学生に不適切な言動

5月

  • 大学生の23区集中「待った」 政府会議、定員抑制など提言 
  • JASRAC「HP掲載、使用料の可能性」 ディラン歌詞、京大総長の式辞に引用 
  • 名大病院で医療事故 手術翌日に患者死亡 院内ガイドライン徹底せず
  • 専門職大、開設可能に 19年4月から、実習重視 
  • 名大院元准教授、経費を私的流用 諭旨退職の処分相当 
  • 立教大、法科大学院募集停止

6月

7月

9月

  • 東大教授の論文、不正認定 
  • 23区の私大定員増、文科省認めぬ方針 告示改正案を公表
  • 高等教育無償化2案 卒業後に拠出金納付・給付型奨学金を拡張 
  • 大阪府立大・市立大、22年春の統合案決定 府市会議
  • 「卓越大学院」選出へ 文科省 
  • 名市大に総合生命理学部
  • 東京学芸大教授がアカハラ 
  • 短大募集停止「無効」訴え 立教女学院、教職員ら仮処分申請
  • 長崎大受験者の調査書紛失

10月

  • 「共通テスト」、来月試行調査 大学入試センター 
  • 滋賀県立大教授がセクハラ 
  • 英語入試、両方必須 マークシート方式と民間試験 センター後継、国大協方針 
  • 学生にセクハラ、金沢大教授懲戒
  • 文科省、大学効率化で方針 私大の合併、国立大の複数大学経営可
  • 組合活動の2教授解雇 名古屋芸大「運営妨害した」
  • 中央大の学長就任を否決 評議員会と理事会、賛成少数

11月

  • 加計獣医学部、認める方針 来春の開学可能に 文科省審議会
  • 大阪府大・市大の法人統合案、府議会で可決へ
  • 法科大学院受験、適性試験課さず 来年度
  • 法科大学院、未修者枠撤廃へ 「法学部以外から3割」難しく 
  • 大学授業料支援へ「出世払い」案了承 所得制限なし 自民党内組織 
  • 船で学生に暴行、広大教授に罰金 東広島簡裁
  • 東京23区の大学、定員増を認めず 有識者会議、報告書素案 
  • 出口治明氏がAPU学長に ライフネット生命創業 
  • 京大立て看板、景観損ねる? 「広告物」市が条例違反指摘
  • 兵庫教育大の元教授ら、アカハラで賠償命令
  • 「教育無償」に財源の壁 自民改憲原案、明記見送りへ

12月

  • 共通テスト試行調査問題公表 
  • 公立大、評価機関新設へ 特徴配慮されず、既存の評価不満
  • 三重大特任教授、学生にセクハラ 出勤停止処分
  • 大学定員増抑制へ新法 東京23区内 政府、来年国会に提案 
  • 生活保護世帯の子、大学入学に一時金 政府方針、最大30万円 
  • 東大、5年雇い止め撤廃へ 来年4月 有期から無期雇用に道
  • 大阪大学で個人情報8万件超漏洩か、管理者IDで不正ログインの可能性
  • 名工大の建物で水素爆発発生か
  • 岐阜大に経営学部新設へ 20年4月予定、地元要望で
  • 法科大学院補助金ゼロは1校 神戸大など12校が100%超

 国政的には獣医学部問題と文科省天下り問題が大きな話題でしたね。大学業界としては無償化・奨学金の話と23区大学等の定員抑制の話が気になりました。今後も、地方創生関係や法人再編、中教審大学分科会制度・教育改革ワーキンググループの審議状況など、大学経営・運営に大きく影響を与えそうなポイントには注目していきたいですね。

なぜ更新講習の修了確認期限に係る生年月日は4月2日起算なのか。

 今回は非常にニッチな話です。

修了確認期限をチェック:文部科学省

平成21年3月31日までに授与された教諭免許状又は養護教諭免許状を持つ方(栄養教諭免許状を持つ方を除く)の最初の修了確認期限は、表1のように割り振られます。

 教員免許更新制が導入されて以降、平成21年度以降に取得した免許状(正確には、平成21年度以降に初めて免許状を取得した者の免許状)には有効期間が設定され、それを更新するために教員免許状更新講習を受講・修了し、免許管理者への申請を行わなければならないようになりました。また、平成20年度以前に免許状を取得した者(旧免許状所持者)には、生年月日に応じた修了確認期限が設定され、修了確認期限までに同様に更新講習を受講・修了し、免許管理者への申請を行わなければならないようになりました。

 文科省のウェブページでもわかるとおり、この生年月日は昭和○○年4月2日~昭和○○年4月1日と設定されています。何の気なしに運用していたのですが、ある日海外の研究者と日本の免許更新制に関する意見交換をしていた際、「生年月日により修了確認期限が設けられていることは理解したが、なぜ設定された生年月日は4月1日ではなく4月2日起算なのか?」と問われて答えられないことがありました。今まで当たり前のようにこのような生年月日対応表を使ってきたのですが、確かに言われてみればなぜ4月2日起算なのでしょうか。これは、法律上の年齢の数え方が大きく関係しています。

 まずは、根拠法を確認します。旧免許状所持者の修了確認期限については、教育職員免許法施行規則附則にて規定があります。

附 則 (平成二〇年三月三一日文部科学省令第九号) 抄
第五条 改正法附則第二条第三項第一号に規定する文部科学省令で定める年度の末日は、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める日とする。
一 平成二十三年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者(改正法附則第二条第一項に規定する旧免許状所持者をいう。以下同じ。) 平成二十三年三月三十一日

二 平成二十四年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成二十四年三月三十一日

三 平成二十五年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成二十五年三月三十一日

四 平成二十六年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成二十六年三月三十一日

五 平成二十七年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成二十七年三月三十一日

六 平成二十八年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成二十八年三月三十一日

七 平成二十九年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成二十九年三月三十一日

八 平成三十年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成三十年三月三十一日

九 平成三十一年三月三十一日において、満三十五歳、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成三十一年三月三十一日

十 平成三十二年三月三十一日において、満三十五歳以下、満四十五歳又は満五十五歳である旧免許状所持者 平成三十二年三月三十一日

 ここでポイントなのは、法令上は生年月日ではなく満年齢により修了確認期限が定められているという点です。つまり、文科省ウェブページなどにある生年月日は、法令上定められた満年齢を踏まえて、教員免許更新制の実施に係る関係省令等の整備について(通知)(平成20年4月1日文部科学事務次官)の別紙1にてより分かりやすくするために記載されているものと推測できます。それでは、この「満年齢」はどのように算出されるのでしょうか。

 法律上の年齢計算は、明治35年に制定された年齢計算ニ関スル法律及び民法第143条に根拠があります。

年齢計算ニ関スル法律

1 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス

2 民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス

3 明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス

民法

第143条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

 この件で有名なのが、4月1日生まれの児童生徒の学年に関する対応です。

1.4月1日生まれの児童生徒の学年について:文部科学省

Q 4月1日生まれの児童生徒の学年についてどうなるのでしょうか。

 年齢の計算については、年齢計算ニ関スル法律民法第143条によりその考え方が示されており、それによれば、人は誕生日の前日が終了する時(午後12時)に年を一つとる(満年齢に達する)、とされています。これを4月1日生まれの子どもに当てはめると、誕生日の前日である3月31日の終了時(午後12時)に満6歳になることになります。
(中略)
 よって、4月1日生まれの児童生徒の学年は、翌日の4月2日以降生まれの児童生徒の学年より一つ上、ということになり、一学年は4月2日生まれから翌年の4月1日生まれの児童生徒までで構成されることになります。

法制執務コラム:4月1日生まれの子どもは早生まれ?

 それでは、子どもが満6歳になるのはいつでしょうか。生まれた日と同じ月の同じ日に誕生日を祝う日常生活の感覚からは、平成3年の4月1日に生まれた子どもは、平成9年の4月1日に満6歳になるようにも思われます。しかし、年齢計算ニ関スル法律という法律があって、その第1項には「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」と規定されています。つまり、生まれた時刻が何時かを問わず、その生まれた日を第1日目として年齢を計算することになっているのです。そうすると、平成3年4月1日生まれの子どもは、平成9年3月31日限りをもって満6歳になり、翌日の4月1日から小学校に入学するため、「早生まれ」ということになります。

 つまり、4月1日生まれの者は、3月31日に満年齢を迎えるため3月31日が属する年度により対応するということですね。これを前述の修了確認期限に当てはめると、例えば平成23年3月31日において満35歳となる者の生年月日は、昭和50年4月2日から昭和51年4月1日となります。このように、修了確認期限の生年月日が4月2日起算なのは、法令上の年齢の数え方によるものとであると考えられます。

 このことについて、後日、意見交換をした者に対しメールにて、日本の不思議な慣習によるものであることを回答したところです。些細な点ではありますが、しっかりと根拠を確認することの大切さを感じることができました。

平成30年度予算案が閣議決定されました。

news.yahoo.co.jp

政府は22日、2018年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は97兆7128億円で、17年度当初予算(97兆4547億円)から2581億円(0.3%)増加し、6年連続で過去最大を更新した。高齢化で社会保障費が伸びたほか、防衛費も過去最大を更新し歳出全体を押し上げた。

 次年度の予算案が閣議決定されました。例年通り、クリスマス予算となりましたね。次年度予算における大学関連予算の状況を確認します。

平成30年度文教・科学技術予算のポイント

◆ 文教予算のポイント

4 高等教育(大学等)

(1)国立大学法人運営費交付金

国立大学法人運営費交付金

29年度   30年度  
10,971億円 10,971億円 (-)

 国立大学自らの改革への取組みを進めるとともに、前年度に引き続き実施する再配分等を加速し、メリハリある配分を実施する。

○国立大学経営改革促進事業

29年度   30年度  
    40億円 (新規)

 第4 期中期目標期間へ向けて、大学の経営改革を進めるため、「国立大学経営改革促進事業」を創設し、運営費交付金等に含まれる学長裁量経費と併せて施策の展開を図る。

(2)私学助成

○私立大学等経常費補助

29年度   30年度  
3,153億円 3,154億円 (+0.0%)

 教育の質に係る客観的指標による調整等の配分見直しを30 年度に先行導入、31 年度に本格実施することで、教育の質の確保とメリハリある配分を進める。

 また、定員割れ私立大学等への補助が近年増加していることを踏まえ、定員充足率を確実に反映するよう、定員未充足による調整を30 年度から強化する。

 更に、定員割れ私立大学への補助額増加等の要因となっている特別補助について、交付要件・対象や、審査方法・項目を見直すとともに、経営改善など、政策効果が認められない大学等を対象外とするなど、支援対象を重点化する。

(3)育英事業費等

○給付型奨学金の着実な実施

29年度   30年度  
70億円 105億円 (+50%)

 低所得世帯の子供たちの進学を後押しするため、29 年度に創設・先行実施した給付型奨学金を着実に実施する。

 具体的には、30 年度進学者について、国公私立の学生等(2 万人)を対象として、国公私の別、自宅・自宅外の別に設定した給付額(月額2~4 万円)を支給する。また、社会的養護が必要な学生等については、初年度に入学金相当額(24 万円)を別途給付する。

 これらの施策の円滑かつ着実な実施を図るため、30 年度においては、(独)日本学生支援機構に造成した学資支給基金に105 億円の積み増しを行う。

○無利子奨学金の拡充等

29年度   30年度  
885億円 958億円 (+8.3%)

 無利子奨学金については、29 年度から進められている①低所得世帯の子供に係る成績基準の実質的撤廃及び②残存適格者の解消について、30 年度においても着実に実施する。そのため、政府貸付金による新規貸与枠を拡充(+2.8 万人)するほか、財政融資資金を活用した利子補給方式による対応を行う(+1.6 万人)。

※  29 年度から導入した「所得連動返還型奨学金制度」について、貸与終了者からの返還が本格的に開始する31 年度に向け、29 年度補正予算において、奨学金業務システムの開発経費(14億円)を計上。

○授業料減免対象者の拡大 国立大学法人運営費交付金、私立大学等経常費補助金の内数

  29年度   30年度  
国立大学における授業料減免 333億円 350億円 (+5.2%)
私立大学における授業料減免 102億円 130億円 (+27.9%)

 経済的な理由によって授業料の納付が困難で、かつ、学業成績が優秀な者等に対する授業料減免枠を拡大する。これにより、対象者数は、国立大学は約0.4 万人増(約6.1 万人→約6.5 万人)、私立大学は約1.3 万人増(約5.8 万人→約7.1 万人)となる。

 特に、育英事業費等の増加が目立ちます。教育無償化や給付型奨学金など、政府の意向が大きく反映されているものと推測できます。

 やはり気になるのが、国立大学法人運営費交付金等です。こちらは、前年度と同額となっており、法人化以降進んでいた削減が下げ止まったように感じられます。さらに、新たに国立大学経営改革促進事業40億円が加わり、国立大学全体でみれば若干の上昇傾向にあると言っていいでしょう。ただし、この中から、基盤的な予算、競争的な予算と分かれていきますので、実質的にどのような配分になるのかはあまり楽観的にはなれないのかもしれません。

 

 科学技術予算でも、新規事業:オープンイノベーション加速のための体制整備等や世界トップレベルの研究拠点形成の予算増額など、大学に関連する予算が見て取れます。

 そのほか、内閣・内閣本府等関係予算でも、地方創生に関連して、大学関係予算が計上されています。

平成30年度内閣、復興、外務・経済協力係関係予算のポイント

2.地方創生の推進

○地方大学・地域産業創生交付金

29年度   30年度  
- 20億円 (新規)

 首長のリーダーシップの下、産官学連携により、地域の中核的産業の振興や専門人材育成などを行う優れた取組を支援。

※ このほか、地方創生推進交付金の活用分(50億円)、文部科学省計上分(25億円)及び関連事業(地方と東京圏の大学生対流促進事業、地方創生インターンシップ事業(内閣官房において計上)及び地方へのサテライトキャンパス設置に関する調査研究事業(内閣官房において計上)等5億円)を合わせ、地方大学・地域産業創生事業として合計100億円を計上。

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 あれっと思ったのが、ポンチ絵の事業イメージ文中にある

新たな交付金の対象となる大学においては、文部科学省計上分(国立大学法人運営費交付金及び私立大学等改革総合支援事業のうち25億円分)を内閣府交付金と連動して執行。

という記述です。私の記憶にある以前までの図にはなかった文章だと思いますし、この書きぶりでは内閣府交付金の対象となった大学に運営費補助金または改革総合支援事業費を支給するようにも読み取れます。どのようなスキームで予算配分が行われるのか、注視する必要がありますね。

 

専門職大学及び専門職短期大学の設置認可申請について

平成29年11月末申請の大学等の設置認可の諮問について:文部科学省

1.諮問内容について

平成31年度開設予定の設置認可申請があった大学等
(専門職大学及び専門職短期大学)

 平成31年度の設置に向け、専門職大学及び専門職短期大学の設置認可申請結果が公表されました。今後、大学設置・学校法人審議会にて審査が行われます。

専門職大学・専門職短期大学:文部科学省

 専門職大学及び専門職短期大学は、学校教育法の改正により、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として平成31年度から設置できるようになったものです。従来の大学や短期大学と比べ、教育課程における実習等の義務付けや実務家教員の配置などが特徴とされています。本件については弊BLOGでも言及してきましたが、元々は専門学校の一条校から始まった話であり、中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会の審議が中心となった答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」における「職業実践的な教育に特化した枠組み」が発端となっていると理解しています。

 さて、今回申請があったものを以下表に整理しました。また、申請した学校法人を踏まえ、基礎・基盤となったと推測される学校等も記載しました(妄想です)。

設置者 大学等名 学部・学科等名 定員 位置 基礎・基盤の学校等 備考
学校法人日本教育財団 国際工科専門職大学 東京工科学部
 先端情報工学
 カーデザイン学科
 デジタルエンタテインメント学科
大阪工科学部
 先端情報工学
 カーデザイン学科
 デジタルエンタテインメント学科
名古屋工科学部
 先端情報工学
 カーデザイン学科
 デジタルエンタテインメント学科
550 東京都新宿区
大阪府大阪市
愛知県名古屋市
HAL東京
HAL大阪
HAL名古屋
学校法人日本教育財団は旧称「学校法人モード学園
学校法人日本教育財団 国際ファッション専門職大学 国際ファッション学部
 ファッションクリエイション学科
 ファッションビジネス学科
 大阪ファッション学科
 名古屋ファッション学科
200 東京都新宿区
大阪府大阪市
愛知県名古屋市
東京モード学園
大阪モード学園
名古屋モード学園
学校法人日本教育財団は旧称「学校法人モード学園
学校法人小関学 専門職大学 東都学院大学 保健医療学部
 理学療法学科
80 東京都目黒区
神奈川県茅ケ崎
専門学校東都リハビリテーション学院  
学校法人日本教育財団 東京医療福祉専門職大学 医療福祉学部
 生命医療学科
  救急救命コース
  臨床工学コースⅠ
  臨床工学コースⅡ
  口腔歯科コースⅠ
  口腔歯科コースⅡ
 医療技術学科
  理学療法コースⅠ
  理学療法コースⅡ
  作業療法コースⅠ
  作業療法コースⅡ
  言語聴覚コース
  視能療法コース
 東洋医療学科
  鍼灸コースⅠ(昼間部)
  鍼灸コースⅡ(夜間部)
  柔道整復コースⅠ(昼間部)
  柔道整復コースⅡ(夜間部)
 福祉心理学科
  社会福祉・精神保健福祉コース
  社会福祉・精神保健福祉・介護福祉コース
看護保健学部
 高度看護学
  高度看護コースⅠ
  高度看護コースⅡ
880 東京都新宿区 首都医校 学校法人日本教育財団は旧称「学校法人モード学園
学校法人敬心学園 東京専門職大学 医療福祉学部
 リハビリテーション学科
  理学療法専攻 昼間コース
  理学療法専攻 夜間コース
  作業療法専攻 昼間コース
  作業療法専攻 夜間コース
 福祉介護イノベーション学科
280 東京都江東区 日本福祉教育専門学校
日本リハビリテーション専門学校
臨床福祉専門学校
 
学校法人国際ビジネス学院 金沢専門職大学 職業経営学
 職業経営学
80 石川県白山市 不明 当該法人はスーパースイーツ製菓専門学校、スーパースイーツ調理専門学校、専門学校金沢美専、金沢医療事務専門学校、金沢観光専門学校、国際ホテル&ブライダル専門学校、国際ペット専門学校、国際サイクル専門学校を設置
学校法人日本教育財団 名古屋医療福祉専門職大学 医療福祉学部
 生命医療学科
  救急救命コース
  臨床工学コース
  口腔歯科コースⅠ
  口腔歯科コースⅡ
 医療技術学科
  理学療法コースⅠ
  理学療法コースⅡ
  作業療法コースⅠ
  作業療法コースⅡ
  言語聴覚コース
  視能療法コース
 東洋医療学科
  鍼灸コースⅠ(昼間部)
  鍼灸コースⅡ(夜間部)
  柔道整復コースⅠ(昼間部)
  柔道整復コースⅡ(夜間部)
 福祉心理学科
  社会福祉・精神保健福祉コース
  社会福祉・精神保健福祉・介護福祉コース
看護保健学部
 高度看護学
  高度看護コースⅠ
  高度看護コースⅡ
720 愛知県名古屋市 名古屋医専 学校法人日本教育財団は旧称「学校法人モード学園
学校法人大和学園学 京都専門職大学 実践栄養調理学部
 栄養マネジメント学科
 和食ビジネス学科
100 京都府京都市 京都栄養医療専門学校
京都調理師専門学校
 
学校法人日本教育財団 大阪医療福祉専門職大学 医療福祉学部
 生命医療学科
  救急救命コース
  臨床工学コース
 医療技術学科
  理学療法コースⅠ
  理学療法コースⅡ
  作業療法コースⅠ
  作業療法コースⅡ
  言語聴覚コース
  視能療法コース
 東洋医療学科
  鍼灸コースⅠ(昼間部)
  鍼灸コースⅡ(夜間部)
  柔道整復コースⅠ(昼間部)
  柔道整復コースⅡ(夜間部)
 福祉心理学科
  社会福祉・精神保健福祉コース
看護保健学部
 高度看護学
  高度看護コースⅠ(昼間主コース
  高度看護コースⅡ(夜間主コース
640 大阪府大阪市 大阪医専 学校法人日本教育財団は旧称「学校法人モード学園
学校法人仁多学園 島根保健福祉専門職大学 保健科学部
 理学療法学科
 作業療法学科
70 島根県仁多郡奥出雲町 島根リハビリテーション学院  
学校法人本山学園 岡山医療専門職大学 健康科学部
 理学療法学科
 作業療法学科
119 岡山県岡山市 岡山医療技術専門学校  
1学校法人高知学園 高知リハビリテーション専門職大学 リハビリテーション学部
 リハビリテーション学科
  理学療法学専攻
  作業療法学専攻
  言語聴覚学専攻
150 高知県土佐市 高知リハビリテーション学院  
学校法人福岡医療学院 福岡専門職大学 保健医療学部
 柔道整復学科
 鍼灸学科
 理学療法学科
 診療放射線学科
 看護学
360 福岡県福岡市 福岡医療専門学校  
学校法人ヤマザキ学園 ヤマザキ動物看護専門職短期大学 動物トータルケア学科 80 東京都渋谷区 ヤマザキ動物専門学校
ヤマザキ学園大学
 
学校法人染葉学園 日本歯科専門職短期大学 歯科衛生学科
 昼間部
 夜間部
80 静岡県磐田市 静岡歯科衛生士専門学校  
学校法人村川学園 大阪調理専門職短期大学 食育学科 35 大阪府泉大津市 大阪健康福祉専門学校
大阪調理製菓専門学校
 

 以下、簡単に気づいた点です。

1.特定の学校法人が多い

 学校法人日本教育財団(旧称:学校法人モード学園)からの申請が5件と最も多いです。特に、国際工科専門職大学において、同一学部に学科を東京・大阪・名古屋と各地に設置している点はあまり例を聞きません。一方、医療福祉専門職大学においては、東京・大阪・名古屋にそれぞれ大学を設置しています。この違いは非常に気になりますね。

2.基礎・基盤となっているのは専門学校が多い

 基礎・基盤となっていると推測される学校は、専門学校が多いと思われます。必ずしも全てが専門学校から専門大学・短期大学に移行という訳ではないでしょうが、従来想定されていた大学や短期大学からの移行は現時点は少ないですね。特に、金沢専門職大学では、これまで同法人が設置していた専門学校の延長ではなく、それらを横断的にカバーするであろう職業経営学部を設置するという点は興味深いですね。

3.医療・保健系が多い

 分野として、医療・保健系が多いなという印象です。当初の制度設計時点では、農業や観光、情報系の分野が打ち出されていたように記憶しています。これら分野の発展は今後に期待といったところでしょうか。

4.名称がバラバラ

 大学等の名称として、分野名を含むものや地域名称のみのものなどが混在しています。4年制大学では地域名称のみを含む名称は総合大学という感覚がありますが、今回の場合はどのような意図があるのでしょうか。単純に、早いもの勝ちなのかもしれませんが・・・。

 設置申請書が公表されていませんので具体的な教育課程等はわかりませんが、いずれ公表されるであろう審査意見等が楽しみですね。

大学教員は更新講習を受講することができない。

 最近、教員から何件か教員免許状更新講習(更新講習)に関する相談を受けています。その内容は、講習の内容ではなく、「自分の持っている教員免許状が修了確認期限を迎えるのだがどうすれば良いか」「今年の更新講習で講師を務めたが、講習は免除されるのか」といったものです。結論から言うと、そもそも大学教員が更新講習を受講できるケースは少なく、結果として保有する免許状は一時的な休眠あるいは失効状態になることが多いと考えます。

 まずは根拠法を確認します。

教育職員免許法(抄)

(効力)
第九条 普通免許状は、その授与の日の翌日から起算して十年を経過する日の属する年度の末日まで、すべての都道府県(中学校及び高等学校の教員の宗教の教科についての免許状にあつては、国立学校又は公立学校の場合を除く。次項及び第三項において同じ。)において効力を有する。

(有効期間の更新及び延長)
第九条の二 免許管理者は、普通免許状又は特別免許状の有効期間を、その満了の際、その免許状を有する者の申請により更新することができる。
3 第一項の規定による更新は、その申請をした者が当該普通免許状又は特別免許状の有効期間の満了する日までの文部科学省令で定める二年以上の期間内において免許状更新講習の課程を修了した者である場合又は知識技能その他の事項を勘案して免許状更新講習を受ける必要がないものとして文部科学省令で定めるところにより免許管理者が認めた者である場合に限り、行うものとする。

(免許状更新講習)
第九条の三 
3 免許状更新講習は、次に掲げる者に限り、受けることができる。
一 教育職員及び文部科学省令で定める教育の職にある者
二 教育職員に任命され、又は雇用されることとなつている者及びこれに準ずるものとして文部科学省令で定める者

教育職員免許法施行規則(抄)

第六十一条の四 免許管理者は、免許法第九条の二第一項の規定による申請をした者(免許法第九条の三第三項各号に掲げる者に限る。)が次の各号のいずれかに該当する者(第一号、第二号及び第五号に掲げる者については、最新の知識技能を十分に有していないと免許管理者が認める者を除く。)であるときは、免許法第九条の二第三項の規定により、免許状更新講習を受ける必要がないものとして認めるものとする。

三 免許状更新講習の講師

四 国若しくは地方公共団体の職員又は次に掲げる法人の役員若しくは職員で、前二号に掲げる者に準ずる者として免許管理者が定める者

イ 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人及び同条第三項に規定する大学共同利用機関法人

ロ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人

ハ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人

免許状更新講習規則(抄)

(講習を受講できる者)

第九条 免許法第九条の三第三項第一号に規定する文部科学省令で定める教育の職にある者は、次に掲げる者であって、普通免許状若しくは特別免許状を有する者、普通免許状に係る所要資格を得た者、教員資格認定試験に合格した者、免許法第十六条の三第二項若しくは第十七条第一項に規定する文部科学省令で定める資格を有する者又は教育職員免許法施行法(昭和二十四年法律第百四十八号)第二条の表の上欄各号に掲げる者とする。

一 校長、副校長、教頭、実習助手寄宿舎指導員、学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第七条に規定する職員その他の学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員のうち栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭並びに栄養教諭以外の者並びに教育委員会の事務局において学校給食の適切な実施に係る指導を担当する者並びに免許法施行規則第六十九条の三に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校又は就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(以下「幼保連携型認定こども園」という。)(次項第一号において「学校」という。)において専ら幼児、児童又は生徒の養護に従事する職員で常時勤務に服する者

二 指導主事、社会教育主事その他教育委員会において学校教育又は社会教育に関する専門的事項の指導等に関する事務に従事している者として免許管理者が定める者

三 国若しくは地方公共団体の職員又は次に掲げる法人の役員若しくは職員で、前号に掲げる者に準ずる者として免許管理者が定める者

イ 国立大学法人法第二条第一項に規定する国立大学法人及び同条第三項に規定する大学共同利用機関法人

ロ 地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人

ハ 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人

ニ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条に規定する社会福祉法人(幼保連携型認定こども園を設置するものに限る。)

ホ 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であつて、文部科学大臣が指定したもの

四 前三号に掲げる者のほか、文部科学大臣が別に定める者

2 免許法第九条の三第三項第二号に規定する文部科学省令で定める者は、次に掲げる者であって、普通免許状若しくは特別免許状を有する者、普通免許状に係る所要資格を得た者、教員資格認定試験に合格した者、免許法第十六条の三第二項若しくは第十七条第一項に規定する文部科学省令で定める資格を有する者又は教育職員免許法施行法第二条の表の上欄各号に掲げる者とする。

一 学校の校長、副校長、教頭又は教育職員であった者であって、教育職員となることを希望する者(前項第一号から第三号までに該当する者を除く。)

二 次に掲げる施設に勤務する保育士(国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の四第五項に規定する事業実施区域内にある施設にあっては、保育士又は当該事業実施区域に係る国家戦略特別区域限定保育士)

イ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第二条第六項に規定する認定こども園(幼保連携型認定こども園を除く。)

ロ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十九条第一項に規定する保育所

ハ 児童福祉法第五十九条第一項に規定する施設のうち同法第三十九条第一項に規定する業務を目的とするもの(幼稚園を設置する者が設置するものに限る。)

三 教育職員に任命され、又は雇用されることが見込まれる者

  おそらく、教育職員免許法施行規則第61条の4第1項第3号に更新講習の講師は更新講習を受講する必要がない旨規定されているため、講師を務めた自分自身の取り扱いについて疑義が生じているものと推測できます。ただし、そもそも、更新講習規則第9条第1項及び第2項に定める更新講習を受講できる者に「大学教員」は含まれていません。そのため、「大学教員」という立場だけでは、基本的には更新講習を受講できず、免許状を更新することができないと考えます。

 ちなみに、教育職員免許法施行規則第61条の4第1項第4号には大学の職員に関する言及がありますが、教員免許更新制の実施に係る関係省令等の整備について(通知)(平成20年4月1日文部科学事務次官)では、

具体的には以下の職にある者が想定されるが、この他の職にある者についても、上記の観点から各都道府県の判断により適切に定めること。

学校法人の理事長

学校法人の理事

第61条の4第1項第1号及び第2号に定める職に就いたことのある者であって、国等の学校教育又は社会教育に関する専門的事項に関する職にある者

と例示されています。また、例えば和歌山県教育委員会の例を見ると、大学等に派遣されている元学校教員などが想定されているのだと思われます。この点は各都道府県教育委員会によって異なると思われますので、必要に応じて確認が必要でしょう。

 さて、基本的には大学教員は更新講習を受講できないとしましたが、以下の場合においては、現在の立場が「大学教員」であっても更新講習を受講できると考えます。

  1. 過去に学校にて教育職員として勤務した経験がある者(更新講習規則第9条第2項第1号)
  2. 学校の教育職員を兼務している者(例:教育学部教授が附属学校長となっている場合、大学教員が同一法人内の学校で非常勤講師として勤務している場合など)(更新講習規則第9条第1項第1号)
  3. 教育委員会や学校法人等との協議の上、当該機関等で勤務する者を一括して「教育職員となることが見込まれる者」と取り扱う場合に含まれる者

 3番目のケースについては、教員免許更新制の実施に係る関係省令等の整備について(通知)(平成20年4月1日文部科学事務次官)において

また、大学、高等専門学校、研究機関、青少年教育施設その他の特定の機関等に勤務する者について教員になる可能性が高いと認められる場合には、当該機関等と教育委員会や学校法人等との協議の上、当該機関等で勤務する者を一括して「教育職員となることが見込まれる者」として認めることも可能とすること。

とあるため、対応は不可能ではないと考えています。ただし、私はこの例を適用している機関を知りません。もしかしたら、教育単科大学にて教育委員会との協議の上対応している例があるのかもしれません(しかし、この場合は受講対象者である証明を誰からもらうのでしょうか)。

 もし、上記の3ケースに該当し、かつ、更新講習受講期間(修了確認期限または有効期間満了日の2年2ヶ月前から2ヶ月前までの間)に更新講習の講師を務めた場合は、更新講習の受講が免除される可能性があります(厳密に言えば、旧免許状所持者の場合は、2番目のケースのみ免除される可能性があり、1番目と3番目のケースは免除の対象となりません)。免除を受けるには各都道府県教育委員会に申請が必要となりますので、忘れずに問い合わせる必要がありますね。

 このように、教員免許更新制から大学教員は除外されていると感じますが、良し悪しもあるなと思っています。特に、国立大学の教員養成系学部においては「ミッションの再定義」にて学校現場で指導経験のある大学教員の割合を向上させる目標を記載している(実質的には書かされた?)こと、また、教員需要の減少期における教員養成・研修機能の強化に向けて―国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議報告書―において教育学部と附属学校との連携の重要性が記載されている状況の中で、附属学校の教育活動に大学教員が携わる際に必ずしも教員免許状が必要ではないとは言え、そもそも大学教員は更新講習の受講すらできないということはもう少し何とかならないかと感じています。