まち・ひと・しごと創生基本方針2020の大学関連個所について

関係法令・閣議決定等 - まち・ひと・しごと創生本部

 まち・ひと・しごと創生基本方針2020が閣議決定されました。骨太の方針2020と関連する箇所がありますが、骨太の方針2020と同じように、大学に関連する箇所を以下に示します。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/info/pdf/r02-07-17-kihonhousin2020hontai.pdf

第2章 政策の方向

<今後の取組の進め方>

Ⅲ 強靭な経済構造の構築~危機に強い地域経済~

感染症の克服と強い地域経済の構築を進めるため、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(以下「地方創生臨時交付金」という。)の活用や、地方大学の産学連携強化と体制の充実、リモートワーク推進等による移住の推進等に取り組むとともに、結婚・出産・子育ての希望の実現に向けた取組を推進する。

2.新たな日常に対応した地域経済の構築と東京圏への一極集中の是正

(2)地方への移住・定着の推進
①地方大学の産学連携強化と体制充実

東京圏の大学に進学する者のうち、東京圏外からの進学者は減少傾向にあるものの依然として約3割を占めており、また、地方大学に進学・卒業した者についても、地域によっては半数以上が地域外に就職する傾向があるとの調査もあることから、進学・就職それぞれのタイミングで、地方定着を促していくことが必要である。
地方大学には、地域「ならでは」の人材を育成・定着させ、地域経済を支える基盤となることが求められており、地域の特性やニーズを踏まえた人材育成やイノベーションの創出、社会実装に取り組む地方大学の機能強化を図ることが重要である。また、若者を惹きつけるような魅力的な地方大学を実現するためには、このような地方大学の特色を活かした優れた取組を重点的に支援することが重要である。
このため、地域の課題やニーズに適切かつ迅速に対応できる魅力的な地方大学の実現に向け、地方公共団体や産業界を巻き込んだ検討を行い、地方においても今後更にニーズが高まるSTEAM人材等の育成等に必要な地方国立大学の定員の増員やオンライン教育を活用した国内外の大学との連携等を盛り込んだ、魅力的な地方大学の実現とともに魅力的な雇用の創出・拡大のための改革パッケージを早急に取りまとめる。また、複数の高等教育機関地方公共団体、産業界等が恒常的に連携する「地域連携プラットフォーム(仮称)」の構築や、これを活用した地域産業の推進等に資するエコシステムの構築を推進する等、若者をはじめ地域の様々なステークホルダーにとって魅力的な地方大学を目指す。あわせて、地方大学・地域産業創生交付金により地域の中核的産業の振興に向けた研究開発や人材育成の取組に対して重点的に支援を行い、「キラリと光る地方大学づくり」を進めていく。
また、地方のサテライトキャンパスの設置の促進や、地方における魅力的なインターンシップを推進すること等により、就職先を決める前の段階で地方や地方企業の魅力を知る機会を創出するとともに、奨学金返還支援の取組を更に広げていくことで、若者の地方への定着を強力に促す。

第3章 各分野の政策の推進

1.稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする

(1)地域の特性に応じた、生産性が高く、稼ぐ地域の実現
地域資源・産業を活かした地域の競争力強化
ⅳ地域発イノベーション等の創出と地域産業の新陳代謝促進退
【具体的取組】
(a)地域発のイノベーションの創出の促進

地方公共団体と地方大学が緊密に連携して、中長期的な見通しの下、その地域の活性化及び地域社会課題の解決に必要な研究シーズの社会実装や、そのために必要な人材を将来にわたって確保するために必要な取組を進めることを支援し、もって地方創生に資する科学技術イノベーションが地域において自律的・継続的に創出されるエコシステムを構築する。(文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課)

・企業ネットワークのハブとして活躍する大学等を選抜して伴走支援する「地域オープンイノベーション拠点選抜制度」において、新規市場の開拓や専門家の紹介等を支援する。また、地域企業によるイノベーション創出・生産性向上が進むよう、公設試験研究機関・大学等による企業支援体制を強化する。(経済産業省経済産業政策局地域経済産業グループ地域企業高度化推進課、産業技術環境局技術振興・大学連携推進課大学連携推進室)
・IoT・ビッグデータ・AI等の先進技術を活用して地域課題の解決を実現するとともに、地方の経済発展を推進する取組を「地方版IoT推進ラボ」として選定し、新事業の創出等を支援する。また、地域の中小企業・IT企業・大学等と高度なITスキルを有する人材をマッチングさせ、新たなビジネスモデルを創出する仕組みを構築する。(経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課)
(b)創業支援

・産学金官の連携により、地域の資源と資金を活かした創業や既存事業の新分野展開を後押しするローカル10,000プロジェクトを、事業の効果検証及び優良事例集の周知や効果的な広報を通じ、強力に推進する。(総務省自治行政局地域政策課)

・起業経験者の講師派遣等により教育現場での起業家教育の導入を推進するほか、学生を含む潜在的創業者を対象としたイベントを開催するなど、将来の創業者の育成や起業家となる人材の輩出に向けた創業機運を醸成する。(中小企業庁経営支援部創業・新事業促進課)
・外国人起業活動促進事業に関連する制度・運用の拡充や外国人留学生の大学卒業後の起業促進について、入国・在留管理等に係る制度・運用の見直し等を行い、留学生による我が国での起業の円滑化を実現する。(出入国在留管理庁政策課、経済産業省経済産業政策局産業創造課新規事業創造推進室)
③魅力ある地方大学の実現と地域産業の創出・振興等 【具体的取組】

(a)特色ある地方創生のための地方大学の振興

・「キラリと光る地方大学づくり」を進め、地域における若者の雇用機会の創出を促進する。2018年度に採択された事業については、取組が地域に根付いたものとなるよう資金面の自走化も含めて事業推進を加速する。また、新設した地方公共団体における計画作成の段階から支援する申請枠を通じ、製造業のみならず農林水産業、観光業、情報通信業、文化産業、スポーツ産業等において、特色ある取組を促す。(内閣府地方創生推進事務局)

・大学と産業界・地方公共団体との連携強化を推進し、地域のニーズを踏まえた人材育成等を促進するため、各地域における地域連携プラットフォーム(仮称)の構築や、これを活用した地域産業の推進等に資するエコシステムの構築を推進する。(文部科学省高等教育局高等教育企画課、科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課)
・地方大学において、地域の特性やニーズを踏まえた人材を育成し、地域に着実に定着させるとともに、イノベーションの創出や社会実装により地方における新たな産業や雇用の創出を更に推進するため、STEAM人材の育成や分野融合の教育研究推進とその成果の社会実装等を強化する地方国立大学の定員の増員を含め、今後の地方大学の望ましい在り方を実現するための大胆な改革に向けた検討を速やかに行う。(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、文部科学省総合教育政策局地域学習推進課、高等教育局高等教育企画課、大学振興課、専門教育課、国立大学法人支援課、科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課)

(b)学生等のUIJターンや地元定着の促進

奨学金返還支援事業に係る特別交付税措置の拡充等の支援策について情報発信等を行い、地域産業の担い手となる学生等のUIJターンや地元定着を促進する。また、各地の支援制度の活用を促すため、効果検証に係る調査研究を行うとともに、独立行政法人日本学生支援機構等とも連携し広報活動を強化する。(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、総務省自治財政局財務調査課、文部科学省高等教育局学生・留学生課)

・東京圏の大学等の地方へのサテライトキャンパスの設置を推進するため、地方公共団体と大学等との連携の強化等に取り組む。また、地方創生インターンシップに係る情報発信を行うとともに、質の高いインターンシップの実施に向けて研修会を開催し、学生が就職前に地方の魅力を知る機会を設ける。(内閣府地方創生推進室、文部科学省高等教育局専門教育課、私学部私学助成課)
(c)地域の専門人材の育成

高等専門学校の教育の高度化とともに、高等専門学校のシーズを地域の大学等及び地元企業等が活用できるようにすることで、地域課題の解決や地域産業の活性化を推進する。また、専門職大学専門職短期大学専門職学科について、開設する分野や地域の拡大を進め、実践的な職業教育や地域産業の振興を担う人材の育成を行う。(文部科学省高等教育局専門教育課)

・スーパーグローバル大学創成支援事業及び大学の世界展開力強化事業を通じて、地域の大学と海外の大学等との連携・交流を促進し、グローバルな視点を持ち、地域の振興に貢献できる人材を育成する。(文部科学省高等教育局高等教育企画課国際企画室)

4.ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる

(1)活力を生み、安心な生活を実現する環境の確保
地域資源を活かした個性あふれる地域の形成
【具体的取組】
(d)スポーツ・健康まちづくり
・地域のプロスポーツチーム等と企業、大学等が連携したまちづくりや新たなサービスの創出を目指す地域版のスポーツオープンイノベーションプラットフォーム(地域版SOIP)の構築を促進する。また、地方公共団体を含む関係者との協働により、生活の中で多様なスポーツ機会を提供するための体制構築や、総合型クラブの登録・認証制度の整備、障害者、生活習慣病や運動器疾患等を有する住民等でもスポーツができる環境整備を行う。(スポーツ庁健康スポーツ課、参事官(地域振興担当)、参事官(民間スポーツ担当)、厚生労働省健康局健康課、社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室、経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループサービス政策課、国土交通省都市局まちづくり推進課、公園緑地・景観課、観光庁観光地域振興部観光資源課)

5.多様な人材の活躍を推進する

(1)多様なひとびとの活躍による地方創生の推進

・各省庁や大学、民間企業の協力の下、人材の派遣を行うとともに、派遣協力企業の専門分野等の情報をまとめた協力情報リストを拡充する。(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、内閣府地方創生推進室、総務省自治行政局地域自立応援課)

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 「魅力的な」「キラリと光る」「個性的な」などの文言が踊ります。文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課(いわゆる産地課)が「「組織」対「組織」の本格的な産学連携」とか言い出したときもそう思いましたが、何が「本格的」か、何が「個性的」か、何が「魅力的」かなどをお前らが決めるなよ、と感じますね。