大学事務職員は誰にでもできる仕事です。

 巷には「大学職員論」(この場合、大抵は大学事務職員を指します。)なるものがあり、大学職員とは何か、どのような存在かについて、喧々諤々議論する世界があると聞いています。それはそれで結構ですが、たまに大学職員はいかにも崇高なる存在みたいな感じの論調を見ることがあり、違和感を持ちます。いやいや、大学事務職員は基本的には誰でもできる職業・仕事でしょう。

 私は、世の中の仕事の少なくない部分が、個人の素養や資質などは関係するでしょうが、トレーニングを積めば誰にでもできる職業だと考えています。就活やハローワークなど、就職への機会が開かれているということは、その証左の一つでしょう。大学職員も例外ではなく、特に国立大学法人職員の採用の大部分は公務員と同様の形になっています。申し込みにはある程度条件があるとはいえ、逆にいえば、それをクリアした人は誰でも仕事ができる対象となり得るということです(ただ、誰にでもできる仕事ではありますが、誰でも採用するというわけではありませんね)。

 このことは、大学職員の仕事を「処理」するだけならば誰でもできることを指しているんだろうなと思います。規則やマニュアルに従い、前例を踏まえ、ある程度機械的に対応するという感じでしょうか。基本的には、大学職員の誰もがこの段階から始めるのでしょうね。

 ただ、この段階で停滞しているのでは、学生のためにも教員のためにも組織のためにも、何よりも自分自身のためにもならないのではないか、と私は思っています。あくまでスタート時点の話であり、そこから先は自分自身が職業人として自律していくことが必要でしょう。様々な仕事の中に自分の判断・オリジナリティを発揮し、それを皆ができるように昇華していくことが求められていると感じています。このあたりの話は、以前にも弊BLOGにて言及してきました。

処理だけではなく判断をすること - 大学職員の書き散らかしBLOG

1年目で仕事を覚えて・・・では遅すぎる。 - 大学職員の書き散らかしBLOG

「自分にしかできないこと」から「みんなにもできること」へ。 - 大学職員の書き散らかしBLOG

 冒頭の「大学職員論」についても、入職後の自律に向けた一つの指針としてはあり得るとは思っていますが、大学職員になるにはこういう人以外には難しいみたいな感じにはなってほしくないですね。