仕事を断ることができるか。

   働き方改革の影響もあり、超過勤務時間削減や業務方法改変などに取り組んでいます。そんな中、学内外問わずいろんなところからいろんな依頼をされるわけですが、最近考えるのはこの仕事は断ることができるのかと言うことです。特に、学内からの依頼ならともかく、学外から唐突に来る調査いわゆる「調査もの」は、様々な仕事があるなかでストレスの要因となり得ます。

   基幹統計(旧統計法での指定統計)には回答義務がありますが、それ以外の調査ものは基本的には任意の回答のはずです。つまり、回答義務はないものにどこまで回答するのか、という問題が生じます。そもそも、大学に一銭の利益も入らないのになぜ回答しなければならないのでしょうか。ということで、最近では調査ものを素直に回答するのではなく、回答すべきかどうかをまず判断するようにしています。

   判断の際の基準は、だいたい以下の感じです。

  1. 調査元との関係はどのようなものか
  2. 回答を行わないことで調査元との関係は変化するか
  3. 調査票の語句や内容は十分に理解でき、整合性のとれたものとなっているか
  4. 回答すべき内容が想像できるか
  5. 回答の裏付けは既存の資料にありそうか
  6. 回答に要する学内手続きはどのようなものか
  7. 締め切り日の一週間前に回答原案を作成できるか(調査に関する問い合わせを行う必要が想定される場合は、それを踏まえ検討する)
  8. 回答を行うことで本学にどのようなメリットがあるか
  9. 回答を行わないことで本学にどのようなリスクがあるか

   これらをパッと頭の中で考え、総合的に判断して回答するかを検討します。その結果は、私の判断で回答の可否を決められるところもあるのですが、ちょろっと上司に話しておきます。(このあたりは、日頃の上司との関係性にも寄るかもしれません)

   例えば、文科省からの説明会出席者調査は明らかに本学にメリットがあるため回答しますし、大学ランキングに反映される新聞社の調査は(色々思うところがあるものの)回答した方が無難ですね。また、要項に書かれていなかった回答の取りまとめ結果送付を個別に約束して、調査に回答したこともあります。一方、明らかに内容と回答期間がマッチしていないものや他業務が繁忙期であり回答作成に回すマンパワーがない場合などは、申し訳ないのですが回答していないものもあります。

   仕事を断ることが良いと言うのではなく、部署全体、大学全体の業務量、業務時間の適切化が重要です。そのため、私が断ったとしても学内の他者にその仕事が回るようでは、あまり意味がないと考えています。その点では、外部からの依頼は非常に"断りやすい"仕事であるとも言えます。また、回答に労力を要する調査であっても、その課程において新たな事実や課題が発見されることもあり、一概に調査ものがいけないと考えているわけではありません。

   ただ、逆に言えば、自分が誰かに仕事を依頼するときは、背景の説明や調査票の作成など十分に留意しなければならないと感じています。相手の時間を奪う以上は、こちらもそれ相応の準備をしなければならないということですね。