『VIEW21』高校版2016年度8月号は大学関係者も読むべき
VIEW21と言えば幼児教育から大学ひいては教育委員会までを対象をした教育情報誌です(大学版はBetweenと統合しました)。私も大学版は読んでいますが、その他の関係者を対象とした版はあまり読んでいません。ただ、『VIEW21』高校版2016年度8月号は特に質保証に関わる大学関係者は必読であると感じたので、ここで紹介します。
特集:全教師で踏み出す「カリキュラム・マネジメント」実現の第一
【インタビュー】 〝カリ・マネ〟で学校をチーム化し、教育目標のよりよい達成を目指す
【座談会】教育目標の策定や共有に校長や教師はどう取り組むか
【実践事例1】 生徒の実態把握から教育目標を設定し、「学び直し」を教育課程に位置づける
【実践事例2】共学化を機に基本理念を策定し、教育活動を改善し続ける
以下、本書において印象に残った文章です。
カリキュラム・マネジメントは教育目標を達成するために計画されたカリキュラムを適切に実施し、生徒が何を学び、何を学ばなかったのかを評価して改善につなげていく、効果的・効率的な教育活動を実現する考え方、具体的な手法を校内で検討していく活動とも言えます。(P4)
つまり、教師が教科や分掌の枠を超えてつながり、学び合い、支援し合うような学校づくりが求められているのです。(P5)
このように、学校改革、カリキュラム・マネジメントの土台は、生徒との話し合いの中からも生まれます。(P7)
私も、新しい高校に赴任した校長は、いきなり教育目標の設定や学校改革に着手するのではなく、まずは現状を把握することから始める必要があると思います。自校の生徒の学習や行事、部活への取り組み姿勢、教師の学校に対する思いや職員室の雰囲気、保護者の不満や要望、学校に対する地域の評価やニーズなどを、よく観察して把握することで、有効な打ち手を講じることが可能になります。そのためには、生徒の学力や生活状況などをデータ化する体制を校内に構築するとともに、そのデータをしっかりと分析するスキルを教師に育成することが重要です。(P10)
現場が迷わないように、トップがビジョンを明確に示す必要がありますし、現場のリーダーにはトップが示したビジョンを自分の言葉に翻訳して、先生方に伝える役割を担うことが求められるのだと思います。(P14)
カリキュラム・マネジメントとは、組木細工だと考えています。すべてを壊して全く新しいものをつくるのではなく、既存のリソースを組木細工のように組み合わせながら、学校のビジョンや教育目標を実現することが求められます。(P15)