(思いつき)活躍している職員のジョブディスクリプションを作成してはどうか。

京都で開催された高等教育研究会・2015年度大学職員フォーラムに参加しました - Clear Consideration(大学職員の教育分析)

 2015年度大学職員フォーラムの参加録が出ていました。ぼちぼちと眺めていたのですが、ジョブディスクリプションという話が提示されていますね。

職務記述書 - Wikipedia

ジョブ・ディスクリプションは、職務内容を記載した雇用管理文書である。労働者の職務を明確化することによって「働きの度合い」と「賃金」を繋げる役割がある。成果主義、成果給を導入する際には不可欠なものであり、企業の人事考課方針などに使用される。英語では「job description(ジョブ・ディスクリプション)」といい、評価制度が一般的であるアメリカやヨーロッパでは、雇用管理の土台となる文書として広く用いられている。

 大学職員のジョブディスクリプションについては、以下の論文が公表されていました。

NAGOYA Repository: 大学職員のジョブ・ディスクリプションの可能性と課題に関する考察 : ワシントン大学バセル校における事例と調査をもとに

本論文は、大学職員の職務記述書(以下、「ジョブ・ディスクリプション」とする)の有効性について、アメリカの事例と日本の大学における事務分掌規程中心の業務分担とを比較し、新たな日本型事務組織の構築や職員の働き方について一つの視座を示すことを目的としている。

 ジョブディスクリプションを組織として作るのは難しいだろうなと直感的に思います。欧米の例を見ると最も適切なのは部署ごとに作成することなのかもしれませんし、そうなると採用権限も組織ごとに与えるということになるのが自然なのでしょうね。

 記事を読んでいて、全く別のことを考えていました。組織として作るのが難しいのならば、今活躍している職員の方の現在の働き方をもとに逆算的に個々のジョブディスクリプション的なものを作成してみるのはどうでしょうか。こうすれば職員としての働き方のロールモデル集のようなものもできるでしょうし、その中からコンピテンシーを抽出して帰納的に職員としてのより高度で効果的な働き方の像を描くことも不可能ではないかもしれません。

 弊BLOGでも触れてきましたが、中教審で行なわれている職員高度化に関する議論はあまりに演繹的過ぎて、誰のために何がどう良くなるのかという実際の働き方が見えないことが非常に不安です。演繹的では見えないのならば帰納的に攻めてみるのも一つの手かもしれませんね。