入試問題外注のニュースに思う

大学入試:98大学、問題外注 07年中止要請、逆に拡大−−文科省調査- 毎日jp(毎日新聞)

今春実施された大学入試のうち、全国の98大学が問題の作成を予備校や受験関連企業に委託していたことが、文部科学省の調査で分かった。同省が2007年度に初めて「問題外注」の実態を調査した際は71大学で、当時より4割近く増加している。

  2007年当時の記事はこちらです。

asahi.com:入試「外注」 解決は難問 - 全入時代 - 大学 - 教育

 毎日新聞の記事は正論だなという感想です。ただ、こういった正論の裏で状況が進行しているということは、正論を覆す何らかの要因があるということを認識すべきです。

 私個人としては、入学後の教育が担保できるのであれば入試は外注でもいいじゃないかと思っています。そもそも記事のみでは、外注した試験の種別や外注方法、当該大学が外注試験のみで賄われていたのかどうかがわかりません。外注においても、「うちのAPに沿った問題を作ってくれ」や「作成された問題はうちのAPに合ってないからこのように作り直してくれ」といった過程があることも考えられます。この記事だけでは是非が判断できないというのが正直なところです。外注が非であるならば、大学入試センター試験の結果を用いた私立大学の入試は全て非ということにもなりかねません。

 複数の入試方法を行うということはそれだけ大学側にコストを発生させます。18歳人口の減少、大学全入時代を迎え、入学者を幅広く確保するため多様な入試方法を採用してきた大学にとっては、入試に発生するコストは相当なものと考えられます。外部環境の変化により体力が低下している大学が増えてきたということが今回の事態を引き起こした一因ではないか、と思っています。