高等教育政策

予算執行調査の理研への指摘事項に思う 〜会計検査院の検査とどこが違うのか〜

STAP問題の理研も無駄遣い…指摘改善されず : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 財務省は1日、2013年度の予算の無駄遣いを点検した結果を公表した。対象の58事業には、STAPスタップ細胞の論文問題を抱える理化学研究所の研究事業も含まれ、…

国立大学法人のベンチャーキャピタルに思う 〜それは「出資」なのか〜

国立大、相次ぎベンチャーキャピタル 計1000億円投資 :日本経済新聞 国立大学が再生医療やロボット開発など自らの大学の研究成果を生かした起業を支援するベンチャーキャピタル(VC)を相次ぎ立ち上げる。京都大と大阪大が第1弾となり、今夏にも政府が承…

国立大学法人の教育研究環境に思う 〜教育環境と研究環境、どちらの違いが大きいか〜

以前弊BLOGにて、国公大学の学生教員職員数の関係を示し、国公立大学における教育環境を明らかにしました(国公立大学の教育環境に思う 〜情報の可視化により見えてくること〜 - 大学職員の書き散らかしBLOG)。今回は、費用面から、国立大学の置かれた環境…

改正学校教育法等に思う 〜審議過程から分かること、分からないこと〜

教授会役割限定 改正学校教育法など成立 NHKニュース 学長主導で大学改革を進めるため、多くの大学で事実上の意思決定機関となってきた「教授会」の役割を限定するなどとした改正学校教育法などが、20日の参議院本会議で可決・成立しました。改正学校教育…

スーパーグローバル大学創成支援事業の申請状況に思う 〜切実な国立大学〜

平成26年度「スーパーグローバル大学創成支援」公募申請状況について:文部科学省 平成26年度「スーパーグローバル大学創成支援」公募申請状況について、結果をお知らせいたします。 「スーパーグローバル大学創成支援」(以下、「SG」という。)の申請状況が…

独立行政法人通則法改正案に思う 〜国立大学法人の業務はどのように変わるか〜

稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年4月15日 - 内閣府 本日、独立行政法人改革に関して、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を閣議決定いたしました。 …

外国人の入学拒否に思う 〜安全保障貿易管理の困難性〜

埼玉の専門学校が外国人の入学拒否 NHKニュース 調理師などを養成する埼玉県熊谷市にある専門学校が生徒の募集要項に、「外国人の入学はできません」と記載して入学を断っていたことが分かり、埼玉県は運営する学校法人に改善を指導しましたが、これまでに応…

大学での知的財産教育に思う 〜多様な専門職大学院〜

知財立国へ大学、人材育成 山口大、入門編 全学部で必修化 東京理科大、院で経営視点から講座 :日本経済新聞 大学が特許や著作権など知的財産を担う人材の育成に力を入れ始めた。山口大学は全学部で入門講座を必修とし、他大学にも教材やノウハウを提供でき…

専門学校への支援に思う 〜大学の在り方、職業教育の在り方〜

専修学校生66万人、授業料減免へ…政府検討 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 政府は、全国の専修学校に通う学生を対象に、授業料減免などの経済的支援を行うための検討を始めた。専修学校生は、大学生と比べて経済的に余裕がない家庭の割合が多いこと…

大学の経済効果に思う 〜改めて感じる情報公表の重要性〜

大学で学ぶことの意義とその費用 つまり、(一流)大学に行ったからといってそれで成功する保証はどこにもないにも関わらず、行かないと社会的に成功するために最も簡単な(一流)企業への就職が狭められるという話で、いろいろ思うところがあったが故のエン…

学校教育法及び国立大学法人法の改正案に思う 〜結局、教授会は何を話し合うのか〜

学長主導の大学改革促す 関連法改正案を閣議決定 :日本経済新聞 政府は25日、学校教育法と国立大学法人法の改正案を閣議決定した。学長主導による大学改革を促すため、多くの大学で運営に大きな影響力を持つ教授会の権限を限定。国立大学では重要事項を審議…

COC事業の申請状況に思う 〜公表資料から申請・採択傾向を探る〜

平成26年度「地(知)の拠点整備事業」の申請状況について:文部科学省 平成26年度「地(知)の拠点整備事業」の公募について、各大学長・短期大学長・高等専門学校長あてに通知を行ったところですが、このたび、各大学等からの申請状況を別添のとおりまとめ…

中期目標・中期計画の変更に思う 〜舵をきった文科省〜

国立大学法人評価委員会(第45回) 議事録:文部科学省 平成26年2月18日に開催された国立大学法人評価委員会の議事録が掲載されています。その中で気になる点がありました。 本題に入るまでに、まずは国立大学の評価について、法令等から見てみましょう。 国…

博士論文の疑惑に思う 〜学位授与と大学院教育〜

小保方さんの博士論文、早大が本格調査へ : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダー(30)が早稲田大に2011年に提出した博士論文に、無断引用の疑いが見つかったことなどを受け、早大は、外部の有識者を交えて不…

中央教育審議会に思う 〜外部者のリソースをどう活用するか〜

中教審、安西会長を選出 「主体的に学ぶ力育てる」 :日本経済新聞 中央教育審議会(中教審)は17日、東京都内で総会を開き、会長に前慶応義塾長で日本学術振興会理事長の安西祐一郎氏(67)を選出した。多忙を理由に任期を1年残して退任した三村明夫前会長…

大学通信教育設置基準の改正に思う 〜後続は現れるのか〜

大学通信教育設置基準の改正について:文部科学省 次の事項について,理由を添えて諮問します。 大学通信教育設置基準の改正について (理由) 平成24年4月に構造改革特別区域推進本部で決定された「構造改革特別区域において講じられた規制の特例措置の在り…

島根大学の「市民パスポート会員」制度に思う 〜象牙の塔から象牙の広場への変容〜

市民向け講義受け放題の「パスポート」…島根大 : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 島根大は2014年度から、市民が同大学の授業を受けたり、付属図書館などの施設を利用したりできる「市民パスポート会員」制度を始める。同大学によると、こ…

信州大学法科大学院募停に思う 〜改組の可能性〜

信州大法科大学院、募集停止へ…15年度から : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 信州大(本部・長野県松本市)が、同大法科大学院の学生募集を2015年度からやめる方向で検討していることが6日、分かった。受験者数の減少や司法試験合格率…

2014東京都知事選挙候補者における大学関係の公約・政策について

東京都知事選挙 2月9日(日)わたしたちにできることがある。 平成25年12月25日の東京都選挙管理委員会の決定により、2月9日に東京都知事選挙が行われることとなりました。今回の選挙では、今後4年間の東京都を託すリーダーを選出することになります。有権…

私立大学の定員割れに思う ~国費投入の功罪~

コストの通信簿(1) 細る公費奪い合い 国立・私学、背水の改革 :日本経済新聞 地域の中小私大の経営が悪化する一方で、公立大の新設が全国規模で続く。平成の25年間で、公立大は39大学6万人から、83大学14万人へ倍増した。過去に自治体が誘致し…

大学での起業家教育に思う ~学内リソースの有効活用~

日本にスタートアップブームがやってきた | The New York Times | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト 日本のトップクラスの大学は長い間、成功とはすなわち一流企業や中央官庁への就職だと定義してきた。それが今や学内にインキュ…

教授会の役割制限の検討に思う 〜教授会の祈り〜

文科省:教授会の役割、法で制限を検討 学長権限強化 - 毎日新聞 文部科学省は、あいまいさがあるとされる大学の教授会の審議事項を明確化して、役割を事実上制限するため、学校教育法改正に向けた検討を始めた。教授会については、大学の経営に関する部分ま…

国立大学の設置審査に思う 〜意見伺いと事前伺い〜

大学設置認可制度:文部科学省 公私立大学等を設置する場合には,学校教育法,私立学校法の規定により,文部科学大臣の認可が必要となっています。 前回に引き続き、今回は国立大学の学部設置等に関する話です。 上記の通り、大学設置認可制度を示すHPには、…

大学設置制度の見直しに思う 〜認可か届出か〜

保健衛生と学際領域で、大学届出設置制度を見直し : カレッジマネジメント : リクルート進学総研 来年4月に設置される学部・学科数は、12月16日の答申時点で118件。そのうち6件に1件が看護学科で、ご存じのとおり、看護学科の設置ラッシュが続いている。この…

都道府県別大学入学者数に思う 〜地元志向はほんとうなのか〜

【大学受験2014】早稲田の志願者が1割減…地元志向が影響 | リセマム 河合塾が2014年度入試直前動向についてトピック紹介するシリーズ第5弾として私立大学の動向を発表した。河合塾が実施した全統マーク模試の結果によると、地元志向の影響を強く受け、早稲田…

薬学とMBAのダブルディグリーに思う ~二重学籍への挑戦~

岐阜薬科大でMBA 複数学位取得来春導入、中京大と連携 − 岐阜新聞 Web 岐阜薬科大(岐阜市)と中京大(名古屋市)は27日、薬学、薬科学の博士とMBA(経営管理学修士)の複数学位取得(ダブルディグリー)制度を来年4月から導入する、と発表した。薬…

社会人の学び直しに思う 〜大学院は受け皿となるのか〜

プロフェッショナルスクールの拡充を!「クールジャパン大学」等の設立を! 100の行動51 文部科学5 (1/2) 現在、専門職大学院の学生は約2万人、うち社会人学生は8千人弱で、ここ数年減少傾向にある。学部卒の知識を就職先企業でのOJTで鍛えれば十分であった…

専攻すべきではない学部に思う 〜日本の学科構成は変わってきたのか〜

新年あけましておめでとうございます。本年も弊BLOGをよろしくお願いいたします。 閉鎖を決めた学科も…米国で止まらない大学生の「文系離れ」 ニューヨーク・タイムズ(USA)より | World Biz News | 現代ビジネス [講談社] 米国の大学で人文科学を専攻する…

大学教育再生加速プログラムに思う 〜新しい申請形式は広まるか〜

平成26年度「地(知)の拠点整備事業」公募説明会及び「大学教育再生加速プログラム」事業説明会の開催について:文部科学省 文部科学省では、平成25年度から、大学等が自治体と連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める大学等を支援する…

平成26年度予算に思う 〜運営費交付金はほんとうに増加したのか〜

平成26年度予算:文部科学省 平成26年度予算政府案 : 財務省 文部科学省及び財務省のHPに平成26年度予算(案)が公表されています。国立大学の関係者にとっては、運営費交付金が前年度比どの程度なのかが気になるところですね。実際の数値を見てみましょう。 …