2015-01-01から1年間の記事一覧

それは研修なのか?説明会なのか?

先日学内のとある研修会に出席した際、研修会と名前が付いているにも関わらず、終わってから「う〜ん、これは果たして研修だったのだろうか」という思いになりました。学内の研修や説明会に参加する際あるいは自分自身も企画運営に関わる際にちょっと考えて…

明治大学の新しい時間割・学年歴は設置基準違反なのか?

2017年度からの本学授業時間割の変更について(お知らせ) | 明治大学 本学は,2017年度の春学期から,これまでの「1コマ90分7講時制」の時間割を,「1コマ100分6講時制」へ変更し,かつ,授業期間を現行の半期「15週」から「14週」へと短…

長崎大学はBSL4施設の夢を見るか

毎日数多くのニュースが流れる中、目をひくものというのはそんなに多くありません。そんな中、「おっ」と声が出てしまったニュースがこちらです。 “危険病原体”扱う実験施設 近く稼働へ NHKニュース 塩崎厚生労働大臣は、エボラ出血熱など危険度の高い感染症…

日本学術会議公開シンポジウム「人文・社会科学と大学のゆくえ」に参加してきました。

http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/215-s-1a.pdf 文部科学大臣は去る6月8日、各国立大学法人に対して、「国立大学法人等の組織及び 業務全般の見直しについて」の通知を行ないました。そこでは、国立大学法人の組織の見 直しにさいして「特に教員養成系学…

誰のために仕事をするのか。

ここ何ヶ月かは「この業務は誰のためにするのか、誰の何にどう役立つのか」ということを考えながら、仕事をしています。それはひとえに、自分の業務の成果をどう捉えるかを考えているためです。以前弊BLOGでも述べたとおり、成果とは結果を受け取る相手が必…

大学職員に能力開発は必要なのか?

大学分科会(第123回) 配付資料:文部科学省 大学運営の一層の改善・充実のための方策について(案) (PDF:187KB) PDF 大学運営の一層の改善・充実のための方策について(案)(参考資料) (PDF:248KB) PDF 中央教育審議会大学分科会(第123回)の配布…

NEWS23「国立大学改革に疑問...」を見ました。

平成27年7月8日(水)夜に放送されたJNN-NEWS23の「国立大学改革に疑問...」を見ました。7分間程度のミニコーナーといった感じでしたが、概ね今まで報道等で言われているような「国立大学から文系"廃止"!?」といった内容でした。おおまかな放送内容の流れは…

高等教育シンポジウム2015「今問いなおす、高等教育システム-職業教育と大学、求められる人材像-」に参加してきました。

高等教育シンポジウム2015「今問いなおす、高等教育システム-職業教育と大学、求められる人材像-」に参加してきました。一時期G型L型で世間を騒がした冨山さんの話が聞けるということでかなり楽しみにして行ったのですが、予想通り色々と考える観点をいた…

「職場としての大学」の良さ

関東甲信越地区国立大学法人等職員採用試験 平成27年度関東甲信越地区国立大学法人等職員採用試験受付期間 平成27年7月1日(水)10:00~7月15日(水)17:00(受信完了分まで有効) 国立大学法人職員統一採用試験の受付が、各地区の採用試験事務室にて開始…

「研修」という言葉にあるどうしようもないほどのネガティブ感。

最近では、学外の研究会等の企画のみならず、学内業務としての研修企画にもちょこちょこと携わるようになりました。本務とは全く異なる研修事業に関わっていく中で感じるのは、「研修」という言葉は構成員に対してネガティブな感情を与える可能性が非常に高…

データ可視化サイトテンプレートを作りました。

大学業界ではIRがじわじわと浸透してきているところだろうと思います。例えば大阪大学では、「学びの実態調査」として、様々なデータを可視化して公表しています。当該ウェブサイトのソースを見ると、charts.jsというjavascriptライブラリを利用しているよう…

ここ最近の大学改革の流れと今後の国立大学。

ふと「そういや、今騒がれてる国立大学改革の話ってどこから始まったんだっけ?」と思ったので、改めて今に至る流れを図で表してみました。大学全体の改革の話ならば1991年の大学設置基準大綱化から、国立大学ならば1996年の行政改革会議から話し始めるのが…

大学改革を巡る話のめんどうなところ。

一時期よりも少し落ち着いたかもしれませんが、教育改革をめぐる話は常に何かしら聞くような状況です。最近ですと職業教育学校の話が新聞報道等されていましたね。 政府、ITに特化した高等教育機関 成長戦略の人材育成策 :日本経済新聞 政府の産業競争力…

やる気やモチベーションなんて、ない。

よく「やる気あるね」「モチベーション高いね」と声をかけられることがあります。その度、曖昧な笑顔で受け流しているのですが、どうにもモヤモヤした気持ちを持ってしまいます。だって、やる気やモチベーションなんてないんですから。 上記の話を受けるたび…

人文社会科学系の再編騒ぎはどのような背景があるのか。

いつぞやに引き続き、またしても人文社会科学系の改廃について話題になっているようです。本件については、弊BLOGでも言及してきたところです。 「文学部はなぜ必要なのか?」不要論者の多い文学部について考える人々 - Togetterまとめ 教員養成・人文社会科…

「成果」とは一体何なのか?国立大学に対する成果評価への期待と不安

気がつけば3ヶ月近くご無沙汰していました。年度末の状況が引き続き世紀末レベルに達しています。とは言いつつも、書くトレーニングも進めたいところですので、こちらも少しづつ進めていきます。 さて、4月に「第3期中期目標期間における国立大学法人運営費…

「IRという言葉が先行しすぎているのではないか」

この言葉は先日友人と飲んでいた際に出てきました。その後いろいろ話をしているうちに、「IR」という言葉が流行り言葉になっているような今の状況はもしかして良くない結果を招くのではないかという懸念を抱いたところです。今回はそんな不安について。 最近…

横浜国立大学APフォーラムに参加してきました。

大学教育再生加速プログラム (AP) 推進フォーラム 横浜国立大学は,平成26(2014)年度公募の大学教育再生加速プログラム(AP)テーマII「学修成果の可視化」の採択を受けました。学修成果の可視化においては,各種データを用いて学修成果の可視化を行い,その…

国立大学の予算配分に反映する評価等(素案)に思う 〜どのような指標が示されているのか〜

国立大学法人は平成27年度に第2期中期目標期間の最終年度を迎えます。現在は、平成28年度から始まる第3期中期目標期間に向け、各法人で中期目標・中期計画の策定が進められていることと思います。併せて、文部科学省内では第3期における国立大学運営費交付金…

京都工芸繊維大学の新学科設置構想に思う 〜攻める国立大学〜

両丹日日新聞 : 公立大学検討会議、学科変更への意見相次ぐ 福知山市が設置している有識者による公立大学検討会議の第3回会合が13日、市役所で開かれた。前回に引き続き、市が成美大の校舎などを活用し、16年4月の開学を目指している市立大学の基本構想(素…

フォーラム「世界大学ランキングと国際的研究評価を問う」に参加してきました。

大阪大学未来戦略フォーラムを開催します。(2015年2月6日) 大阪大学未来戦略機構戦略企画室では大阪大学未来戦略フォーラム(スーパーグローバル大学創成支援事業)「世界大学ランキングと国際的研究評価を問う:現状・課題・展望」"Global Universi…

まち・ひと・しごと創生法に思う その3 〜大学は何をすべきなのか〜

前々回、前回に引き続き、創生法に関連して今後5か年の目標や施策や基本的な方向を提示する「まち・ひと・しごと創生総合戦略(総合戦略)」について、大学に関連する部分を確認します。今回は、「(2)地方への新しいひとの流れをつくる(ウ)地方大学等の活…

まち・ひと・しごと創生法に思う その2〜KPI目標は達成されるのか〜

前回に引き続き、創生法に関連して今後5か年の目標や施策や基本的な方向を提示する「まち・ひと・しごと創生総合戦略(総合戦略)」について、大学に関連する部分を確認します。今回は、まさに大学のことが中心に語られている「(2)地方への新しいひとの流…

まち・ひと・しごと創生法に思う 〜大学には何が求められているのか〜

昨年、まち・ひと・しごと創生法(以下、「創生法」という。)が成立し、国として人口減少、地方創生に対応する体制の整備が行われたことはまだ記憶に新しいところです。創生法は、 基本理念、国等の責務、政府が講ずべきまち・ひと・しごと創生に関する施…

職員と学生の関わりに思う 〜非学務系職員は学生と関われるのか?〜

早速ですが、私には大学職員である上での負い目があります。それは、学生と関わったことがほとんどないということです。大学は学生のためにあるという言説は理解できるし納得もできるのですが、それを切実感を持って語れないことは経験年数が上がってくるに…

地域における国立大学の役割に思う その5

(続く) 図17及び図18に、有識者調査及び自治体調査における大学院就学への対応の回答を示します。図17が有識者調査の結果、図18が自治体調査の結果です。図17から、各大学とも概ね同じ傾向であり、8割程度の有識者は原則として大学院就学を認めていないこ…

地域における国立大学の役割に思う その4

(続く) 図13に、自治体調査における大学と地域との交流の障害について地域側に問題があると回答した要因の結果を示します。各設問において、比較的ポジティブ回答の割合が高く、自治体の者としては大学よりも地域側に障害が多いと認識している可能性が示唆…

地域における国立大学の役割に思う その3

前回までの有識者調査結果の分析に引き続き、今回は自治体調査結果の分析を行います。なお、自治体調査は、各大学が設置されている県及び県内各市の中堅幹部(課長)を対象として行われました。 図9に、自治体調査における各大学の総合評価の結果を示します…

地域における国立大学の役割に思う その2

(前回から続く) 図5に、大学と地域との交流の障害について大学側に問題があると回答した要因の割合を示します。概ね各大学が同様の傾向を示し、問5「教員の研究分野・研究課題が分かりづらい・PR不足」が3大学との高いポジティブ回答割合を示しています。…

地域における国立大学の役割に思う その1

一般社団法人 国立大学協会 <What's New> 「政策研究所 研究報告書「地域における国立大学の役割に関する調査研究(Web版)」(12/12) 「政策研究所 研究報告書「地域における国立大学の役割に関する調査研究(Web版)」を公開しました。 一般社団法人国…