「仕事は楽ですか?」と聞くセンスのなさ

 最近では「大学(事務)職員の仕事は楽だ論」があり、まぁまぁ各人が言う分には結構なんじゃないんですかねと思いながら眺めています。私も先日、知り合いから「仕事は楽ですか?」と聞かれました。

 ただ、これはいろんな職業にも言えることかもしれませんが、飲み会の雑談ならともかく、求職者や入職者が「仕事は楽ですか?」と聞くことはちょっといただけないな、と感じています。その理由を以下に整理します。

1.「楽」とは主観的な価値判断である

 楽かどうかとは主観的な価値判断であり、当該者でなければその理由や価値が生じません。外的再現性がないため、答えをもらっても質問者にはその答えに意味を見いだすことはできないでしょう。

2.質問者にとって楽かどうかはわからない

 1.と重複しますが、主観的な価値判断であるため、仮に「楽ですよ」と答えを得たとしても、質問者にとって楽かどうかはわかりません。

3.質問の理由がわからない

 そもそも、なぜ「仕事は楽ですか?」と質問するでしょうか。残業をしたくないのであれば「残業はどの程度ありますか?」、肉体労働が嫌なのであれば「体を動かす仕事はどの程度ありますか?」などと聞けば良いでしょう。「仕事は楽ですか?」と聞くのは、その仕事に対するイメージが全くないか、質問そのものに意味がないか、どちらかかなと考えてしまいます。