創造的な仕事ができないと嘆いている大学職員の方へ

稲盛和夫の名言・格言|創造的な仕事をするヒント

創造的な仕事とは、高度な技術を開発するということばかりではない。今日よりは明日、明日よりは明後日と創意工夫をこらし、改良、改善を積み上げていくことである。一人ひとりが自分の持ち場で、もっと能率の上がる方法はないか、昨日の欠点をどうしたら直せるか、考える習慣をつけることだ。

 稲盛和夫さんの名言ですね。

 ルーチンワークではない仕事やいわゆる大きな仕事みたいなものを想定して創造的な仕事ができないみたいな声を聞きますし、そのような相談を受けたことがあります。その際にはいつも「それはあなたが創造的な人間ではないからだ」と返しています。座して待つだけでは、最低限こなすべき仕事しか来ないのは当然です。もしあなたが本当に自分で思い描く仕事をしたいのであれば、自分自身で思い、考え、行動していくしかありません。

 私が実感しているのは、何よりも「思い」と「行動」が大切だということです。その業務は何を大切にしなければならないもののか、何のためにやるのか、誰のためにやるのかなど、他人にきちんと伝えられるよう、自身のなかで思いをしっかり持つことが必要です。そうでないと他人を説得したり協力を得たりすることはできません。もちろんこれは状況に応じて変化していくべきものですが、少なくともその時点での価値観の軸は行動する勇気を与えるものです。

 どんな良いアイデアを持っていようとも行動しなければ成功も失敗もありません。成功できないことではなく、失敗できないことが恐ろしいのです。失敗から学ぶことができなければ成長はありません。そんな行動を後押しするのが、前述の思いであり勇気だと思っています。行動とは自分一人が動くことではなく、皆と動くことや他人にやってもらうことも想定できます。身体を動かすことだけではなく、学ぶことや聞くことなども含まれるでしょう。何にせよ、思いに沿って行動し、内省し考え改善しながら働くことが、「創造的な仕事」につながると思っています。

 では、思いを持つためにはどうすればいいのか。明確な答えはありませんが、様々な人と仕事について話すことかなと考えています。大学職員に限らず様々な人と自分の仕事のことを話し、他人の仕事のことを聞くことで、徐々に自分の思いがはっきりしてきます。そのチャンスは、平常業務に限らず、業務外にも、学外にもたくさんありますね。

 このように働いていると「創造的な仕事」なんて言葉は絶対に言わなくなります、それが普通の働き方になるんですから。「創造的な仕事」と言っている限り、創造的な仕事はできないのでしょう。

PS 結局「創造的な仕事」ってなんだかよくわかりません。きっと言ってる当人らも良くわかっていないのでしょう。