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プレゼンは身一つで行う。

 例えば学内のシンポジウム等に出席したとき、基調講演などでスライドを用いた説明、所謂プレゼンテーションを聞くことがあります。大学職員の研修や勉強会などでも概ねプレゼンテーションが用いられている印象です。その際、大抵は演題の後ろでPCを操作しながらマイクを使ってという講演者の姿が多いですが、これって自分が話してる側であっても、自分が聞いてる側であっても、ちゃんとコミュニケーションできるのか不安になります。ということで、私がプレゼンをする際は極力身一つで行うようにしています。

 身一つとはどういうことか。もちろん服は着ています。手に持っているのが遠隔操作ポインタ一つで、その他は資料もなにも持ちません。演題の後ろではなくスクリーンと聴衆の間のバランスが取れた位置に立ちますし、部屋の大きさによってはマイクも使いません。周りに手を置くところすらないと不安になるのですが、そこを堪えて聴衆に向き合うことを意識しています。プレゼンテーションとは聴衆へのプレゼントであると思っており、プレゼントをうまく受け取ってもらうためには自分をしっかりと出しながらも適度な緊張感と距離感を保つことが必要だと考えているからです(私が普段使っている遠隔操作ポインタはロジクール ワイヤレス プレゼンター R400tです。ポインタの光量が弱いのは難点ですが、触り心地が良く握りやすい形状をしているので緊張を解すため握りしめるには最適です。)。

 うまくいくためには練習も必要です。私の場合、話す言葉を一言一句原稿に起こしそれを確認しながら時間調整や抑揚等所作のリハーサルを繰り返すとともに、ある程度身についたら原稿を捨てます。ベースラインをしっかり作って、あとは聴衆の空気感でしゃべるスピードや抑揚を変えるというのがいつもスタイルです。基本は胸を張った直立不動であり、トラベリングを取られない程度に身体を動かします。よく勘違いされるのですが、これが「緊張した姿」なんです。前に立つとこうなるようにセットされてしまいました。

 アマチュア合唱音楽の世界では「暗譜(楽譜を持たないでステージに立つこと)の方が聴衆に音楽が伝わる」という言説があると聞いたことがあります。検証したわけではないのでこれが本当なのかどうか分からないですが、楽譜を見ていても良い演奏をすることはありますし、100%正しいというわけではないのでしょう。ただ、そのためには卓越した演奏技術が必要であり、そうでない場合は暗譜が一定程度の効果を持つというのもまた事実だと思います。プレゼンもこれと同じで、優れた講演者ならば配付資料読み上げても聴衆に訴えかけることができるでしょうが、そうでなければしっかり準備をして望む必要があります。内容の無さを勢いで誤魔化すわけではなく、両方大切ということですね。

 厳密に言えば、講演会におけるプレゼンや研修会におけるプレゼン、説明会におけるプレゼンなど、目的に合わせてポイントが若干異なるのでしょう。職員としてプレゼン能力を向上させたいのであれば、SPODが実施するSDコーディネーター養成講座(のフォローアップセミナー)がおすすめです。