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地域における国立大学の役割に思う その4

(続く)

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 図13に、自治体調査における大学と地域との交流の障害について地域側に問題があると回答した要因の結果を示します。各設問において、比較的ポジティブ回答の割合が高く、自治体の者としては大学よりも地域側に障害が多いと認識している可能性が示唆されます。特に、交流ビジョンや予算については、3大学においてポジティブ回答割合が7割を超えており、各地域において障害であると認識されているようです。なお、「公立大学が設置されているため、国立大学を必要としていない」という問において広島大学のみが高いポジティブ回答割合を示していますが、これは広島県内に公立大学が4校あるためでしょうね。

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 図14に、自治体調査における大学の今後の在り方に関する結果を示します。(A)が地域を考慮した在り方、(B)が地域を考慮しない在り方です。図14から、概ね各大学との同じ傾向にあること、どちらかと広島大学香川大学岩手大学の順で(B)の回答割合が高いことがわかります。大学の規模が大きくなるほど、地域を超え全国的・世界的な大学の在り方を求められているということでしょう。

 また、図14から、特に問1の人材養成に関する設問、問3の研究活動に関する設問について、3大学との「A,Bともに行うべきである」という回答が多いことがわかります。人材養成と研究活動については、地域の観点のみならず、複数の役割が求められていることが示唆されます。

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 図15に、自治体調査における大学に期待することの結果を示します。図15から、概ね各大学関係自治体とも同じ傾向を示していることがわかります。ただ、問1「地域住民子弟の入学のための優先枠を設ける」や問3「県・市の資金を大学が受け入れる制度をより充実させる」では、一部の大学が若干異なる傾向を示しています。この当たりは、各自治体の事情とも関係してくるのでしょう。

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 図16に、自治体調査における大学の役割・存在意義の結果を示します。これは、「地方に立地する国立大学の役割や存在意義を考えるとき、どのような観点を重視すべきか」という問への回答です。図16から、各大学によって少し回答傾向が異なることがわかります。特に、問1「低所得層への教育機会」問2「地域住民への教育機会の提供」問3「社会の指導的な人材の養成」問10「産官学の連携による地域の活性化」について、岩手大学関係自治体の「とても重要である」という回答割合が他大学よりも高いですね。岩手県や各市では地方国立大学に対し、人材育成や地域活性化を特に求めていると考えます。また、これまでにも述べてきたとおり、岩手大学はこのような期待に応えていると認識されているからこそ、高い評価を得ているのでしょう。

 問9「大学間の機能分化や統廃合」については、明らかに他設問よりポジティブ回答割合が低く、地方自治体は地方国立大学の機能分化や統廃合にそれほど前向きではない可能性が示唆されます。