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大学職員が講義を履修してみた。

 以前弊BLOG(学内リソースの有効活用に思う ~講義を履修する大学職員~ - 大学職員の書き散らかしBLOG)にて、職員が自大学の講義等を受講する可能性を述べました。自分から書いたのに実行しないのもちょっと不誠実だなと思っていたので、今年度前期に実際に本学で開講された講義を受講してみました。今回は、その感想やそこから考えたことについてお話しします。

  • 講義属性:全学共通科目
  • 講義内容:教育工学
  • 受講者数:60名程度
  • 受講者内訳:本学のとある学部の2,3年生が9割以上。他学部、他大学学生各1名。社会人学生1名(私)。
  • 開講形式:休日にスクーリングを4回程度。スクーリング時はグループワーク有り。その他の時間はe-Learning学習。

 基本的な講義情報を示します。通常平日学内で行われている講義と異なり、休日のスクーリングとe-Learningを組み合わせた講義でした。だからこそ社会人が受講できたとも言えます。受講のきっかけは、知り合いの教員が行う講義が社会人にも開放されていると知ったことです。

 もともと私は勤務校の出身ではなく、前述の弊BLOG記事でも書いたとおり、本学の講義を受講したいとずっと思っていました。そこで、通常の講義と同様にほぼ学生のみであるということを承知した上で、申し込んだというわけです。なお、学籍登録等はしていませんので、成績等はつかず、聴講生以下の「なぜかそこにいる人」という扱いであると言うことを後日知りました。(とはいえ、各課題や小テスト、最終テストはちゃんとこなしましたが。)

 講義の内容についても、大学職員として教育理論を学んでおきたいと思っていたので、学部生レベルという初歩的な内容から触れられたのは良かったです。特に、今盛んに言われている学修成果やグループワーク学習の根底をなす教育理論を学ぶことができたのは、今後の業務(や弊BLOGの記事)を考える際にも役に立ちそうです。

 講義を受講した感想は、以下の2点です。

1.グループワークがある講義で社会人一人だと精神的に辛い

 前述のとおり、社会人は私一人でしたので、グループワークがとても辛かったです。何というか「異物感の自覚」が自分の中でふくれあがりました。一度学生に話しかけるとそうでもないのですが、そこに至るまではかなり精神的障壁を乗り越えないといけません。このような事情もあり、他学部や他大学などマイノリティ属性の出席者とグループワークをしたり、時にはグループワークの準備や見回り、議論誘導などTA的な役割を担うこともありました(担当教員と仲が良く信頼されているからこそだと思いますが。。。)。担当教員もマイノリティな属性を持つ受講学生には少し気を遣ったと言っていましたし、社会人学生がもっと多ければ状況が違っていたのかもしれません。グループワークを伴う授業の場合は、受講生の属性も勘案した方がより良い効果を上げられるのでしょうね。

2.学生は勉強をする

 今の大学生は勉強をしないと言われていますが、周りの受講学生はしっかりと勉強をしているという印象を受けました。e-Learning討議でも投稿をし、グループワークではちゃんと意見を言い合いそれをまとめて、講義中紹介されたことも興味を持って調べているようでした。これにはかなり驚きました。スクーリング中寝ている学生もいたのですが、それはごく一部で、大半の学生は能動的に学んでいるようでした。ここから、一定程度の「枠」を作ってあげれば、まずはその中で学生は能動的に動くのではないか、場合によっては枠を飛び出していくのではないかと考えています。このような印象は、学習時間アンケート等の数値では分からず、実際に学生とともに講義を受講しなければ得られなかったものです。

 大学教育を論じる際によく言われている学修時間について、講義と同程度の予習復習時間を確保するということは知っていますが、実際に学生の立場になるとこれはなかなか難しいなと言うことを実感しました。テストがあるため復習はできます。ただ、予習が難しいのです。

 直接的に予習課題を指定しない限り、何を行えば良いのかがわかりません。参考図書を指定したとしても、それを読んだことが直接講義に反映されなければ予習としての意味がありません。私自身も、テストのために復習をし紹介された参考図書を読みましたが、予習はほぼ行いませんでした。よっぽど綿密な授業設計をしなければ、予習をちゃんと授業の中に取り入れていくことは困難でしょうね。併せて、少しでも学生の予習復習時間を確保するためには、奨学金等の拡充が必要だと実感した次第です。

 私自身は今年度上半期の個人目標(自己啓発)に講義受講を掲げていますが、講義資料やレポートなど受講した根拠資料はたくさんあるため、成績や履修証明書等が出なくても特に困ることはありません。しかし、今後職員の能力開発の一環として講義の受講を位置付ける場合には、成績評価やポートフォリオが残るような形態が必要でしょう。それに至らずとも、学生や授業のライブ感を体感するという点では、講義受講はとても意味があった体験です。今後とも同様の機会を探っていきたいと思っています。