宇都宮大学のゆるキャラ募集に思う 〜実践型SDの一形態〜

栃木)宇都宮大学版ゆるキャラでメジャーデビューだ:朝日新聞デジタル

 多くの人に大学を知ってもらおうと、宇都宮大学がオリジナルキャラクター製作に乗り出した。デザイン募集が始まっており、5月15日までに所定の応募用紙に描いて提出する。最優秀作品はキャラクターの原案として採用され、今秋にも着ぐるみになってデビューする予定だ。

 キャラクターづくりを発案したのは同大の若手職員でつくるSD(Staff Developmentの略)グループ「宇大あぴ~る隊」。大学の活性化や職員の資質向上を図ることを目的に、部課を超えて昨年1月に設置された。

 宇都宮大学ゆるキャラ作成のニュースが出ていました。SDの取組として取り上げられるのは、なかなか聞かないですね。

「宇都宮大学オリジナルキャラクター」デザインを募集します!!(募集期間:平成26年4月10日(木)~5月15日(木)) | 宇都宮大学:UTSUNOMIYA UNIVERSITY

 宇都宮大学では、より親しみやすく、愛される大学を目指し、宇都宮大学の“顔”となる、オリジナルキャラクターを製作することとなりました。キャラクターと一緒に、宇都宮大学を盛り上げましょう!!

 宇都宮大学のHPにも掲載されていましたが、学内者しか応募できないみたいですね。募集案内中には、

最優秀作品は、宇都宮大学のオリジナルキャラクターの原案として採用されます。なお、実際のキャラクター製作に当たってはプロのデザイナーに依頼し改めてデザインする

とあるため、あくまでも大まかな原案を募集するということでしょうか。

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 U-tunesは宇都宮大学の生の姿(ライブ)をお伝えすることを目的に、学生スタッフと教職員で運営しているWEBサイトです。

 宇都宮大学は学問を介して地域や世界につながっています。そして、そのようなつながりの中で、学生が生き生きと成長しています。その生き生きとしたエネルギーが産み出す新たな知と活動を、できるだけ多くの方々に知っていただきたい。地域の皆様と学生、教職員がつながるネットワークのハブになりたい。そんな思いを込めて配信していきます。

 宇都宮大学が地域連携に力を入れていることランキング等からも明らかですが、数年前の公式HP全面刷新以降、広報活動にも力を入れているなと感じていました。特に、動画コンテンツの豊富さは、他の国立大学ではなかなか見ることができません。

 そういえば、2年ほど前にAKB48のロケが行われたとtwitter上でも話題になっていたことを思い出しました。確かに、宇都宮大学フランス式庭園はパッと見て大学内だとは思えないですね。

大学生によるまちづくり提案に関する検討・取組状況|宇都宮市

 本市では、大学生にまちづくりへの参画機会を提供すること、また、大学生の意見を市政運営に活かすことを目的に、平成17年度から毎年「大学生によるまちづくり提案」を募集しています。 

 宇都宮市では大学生の提案を受け入れる仕組みがあるようですが、平成22年度に

思わず自慢したくなるまちを目指して 宇都宮市のキャラクター「ミヤリー」の活用(宇都宮大学陣内研究室ゆるキャラ研究会)

という提案事項があります。住居学や都市計画学を専門としている教員がいるようですし、だからこそ今回のゆるキャラ作りに繋がったのかもしれないと思っています。もちろん、最終的に着ぐるみを作るようですし、法人として予算をつけて事業化するという大学側の意向もあったのでしょうけど。

業務に関する情報 | 宇都宮大学:UTSUNOMIYA UNIVERSITY

 新たに「宇都宮大学若手職員SDグループ」を立ち上げ、公募により「学生窓口対応向上グループ」と「宇大あぴーる隊!」の2グループが活動を開始した。

 宇都宮大学の「平成24事業年度に係る業務の実績に関する報告書」には、SDの取組について、上記の記述があります。この報告書は各法人の各年度の取組を記述するものですし、同グループの結成自体は法人として推進したことなのかもしれません。このように実際の提案事項の実行に際しある程度リソースが割かれる、つまり法人の支援があるのであれば、SDに参加している側にとってみたら成功体験に繋がって良いですね。特に、広報活動は国立大学にとってまだまだ途上の分野ですし、職員一人一人の力が反映しやすいのかなとも考えています。

 かなり実践型のSDだと思いますので、ここまでたどり着くには、参加したメンバーにかなりの苦労があったのではないかと推察します。どの程度のメンバーで、どの程度の議論・期間・上役との折衝を経て募集に至ったのか、非常に興味があります。