信州大学法科大学院募停に思う 〜改組の可能性〜

信州大法科大学院、募集停止へ…15年度から : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 信州大(本部・長野県松本市)が、同大法科大学院の学生募集を2015年度からやめる方向で検討していることが6日、分かった。受験者数の減少や司法試験合格率の低迷が背景にあり、募集停止が決まると、既に廃止された法科大学院を含め全国10例目、国公立では島根大に続き2例目となる。

 信州大学法科大学院が募集停止を検討しているニュースが出ていました。記事中にもあるとおり、島根大学法科大学院に続き、国立大学では2校目の募集停止検討ですね。ただ、島根大学は他大学との連合法科大学院も検討してるようですので、信州大学が単なる募集停止なのか、次の一手があるのかはわからないところです。

法科大学院、下位校厳しい生き残り対策「連合、簡単でない」 - MSN産経ニュース

 島根大学信州大学では、法科大学院募停は異なる意味を持つと考えます。それは、島根大学では「法文学部」があるのみ対し、信州大学は「法」と付く学部がないためです。現在の法科大学院専任教員は、研究科廃止後どのように扱われるのか、撤退へ至るルートをどのように考えているのかという点で、ちょっと見る目が変わってきます。

| 信州大学大学院 | 法曹法務研究科 |

経済システム法学科|信州大学経済学部

 信州大学大学院法曹法務研究科HPの教員情報では、研究家教員であろうと思われる方の前所属は「同大学経済学部経済システム法学科」となっている方が多いです。たしかに、同大学経済学部には経済システム法学科があり、

 経済システム法学科は、いま大きな変化の中にある地域社会・企業社会が直面する様々な課題を発見し、対処する能力を持つ実践的人間-法と政策のエキスパート-を養成することを目的としています。そのため、本学科では、法律学と政治・政策系の科目を中心にカリキュラムが編成されています。

とあるため、法科大学院廃止後は教員はここに配属されるのかな、とも思います。

 ただ、同学部には、直接接続している大学院がないように見受けられます。学部のみ担当して大学院の指導を行わないというのもありえるかもしれませんが、ちょっとイメージが沸きにくいと感じています。そうなると、人文科学研究科や経済・社会政策科学研究科も巻き込んだ研究科の改組も十分にあり得ますね。

 信州大学は、8学部を有するという学部数もさることながら、学部キャンパスが長野県内5箇所に分散するという広範囲な規模感を有する大学です。単純に改組と言っても、学部研究科を横断する場合は相当大変だろうなという気持ちです。ただ、これまでの考え方に立てば、国立大学の募集停止とは次のステップの前段階というイメージがあります。単純に募集停止とすれば、それまでの国費投入が回収できなくなると国が判断する可能性があるからです。

 信州大学が次の一手をどう打つのか、注目しています。