経験学習モデルに思う 〜KolbとSchoen〜

大学職員の職能開発に思う 〜あるいは「専門性」の胡散臭さ〜 - 大学職員の書き散らかしBLOG

 以前記事にした職能開発について、ちょうど良いモデルがありましたので、記しておきます。

経験学習を取り入れた人材開発プログラムのリ・デザイン 経験学習のススメ 経験学習とは

 コルブ(1984)は、知識付与型の学習やトレーニングと区別して、「経験から学ぶプロセス」を経験学習サイクルとしてモデル化しています。この理論では、経験からより良くより深く学ぶには、「具体的な経験」をじっくり振り返るプロセスが大切だと言っています。また振り返ったら、それを次の経験に活かせるように「抽象的概念化」することが重要だ と言っているのです。※抽象的概念化とは、何故そうなったか、どうすればよいか、などの考えを一般的な言葉で整理し表現することだと考えるとよいでしょう。そしてそこで得た新しい考えや方法に基づいて行動を起こせば、今までとは異なる具体的な経験を積むことになり、経験学習はより良い形でまわっていくわけです。 

 Kolbの経験学習モデルは、ビジネスの分野では有名のようですが、教育の職能開発についてはあまり大きく名前を聞いたことがありませんでした。経験を内省し、モデルを構築してそれを基に新たな実践を行うという サイクルは、まさに私が日頃考えていることと一致します。

 経験学習については、Donald Schoenもそのモデルを構築しているようです。Kolbに比べ、内省を実践の中で行っていくという点が異なるようで、イメージとしてはKolbのモデルでは最終週の授業時に授業評価アンケートを取り次期に改善する、Schoenのモデルでは毎回の授業時に学生からコメントを求め次週に改善をするような感じでしょうか。(両者についてはまだ勉強中なので違うかもしれません。。。)

反省的実践家は行為しながら考える(副題より)−『専門家の知恵』

教師力を高める ドナルド・ショーン「専門家の知恵」を読む

 Schoenは専門職の体系的な知識についても言及しているようですので、Kolbと併せてもう少し勉強したいですね。

 何にせよ、このような勉強も「内省」の一環ですので、それを「抽象的概念化」に繋げるため、大学職員に合わせたモデル化を行い、本BLOG等で書き記していきたいと思っています。