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学内SDに思う 〜SDの効果を高めるためには〜

 前記事にてStaff Development(SD)について触れたので、引き続きBLOGのネタとしてSDに関する専攻研究を調べました。例えば、

名古屋大学 高等教育研究センター(大学職員の主体性を尊重した職務遂行能力の形成-国立大学を中心に-,夏目)

CiNii 論文 -  大学職員(SD)に関する研究の展開

センター刊行物:佐賀大学高等教育開発センター(大学職員のSDの必要性と課題,岩崎)

紀要16号(現場から見た職員の能力開発と「大学職員論」再考―実践的SD 論への道標―,山本)

 これらを見ると、それぞれの大学や団体、個人が様々活動していることがわかります。SDを大学職員の職能開発とすると、その「職能」が明確でない以上、一義的に大学に関連する取組は全てSDと分類した方が合理的でしょう。実施主体等から見たSDの分類と各類型における特徴については、またの機会にお話しするとして、今回は各大学が学内の者に行うSDについて考えてみたいと思います。

 各大学では、初任者研修から階層別研修、分野別研修など、学内の者を対象として目的に応じて様々な研修が行われていると思います。また、他大学と共同で行う外部の研修などにも、職員を派遣している場合もあるでしょう。その場合は、よりSDの効果を高めるためにも、大学の対応として以下の2点が大切かなと思います。

 まずは、人事記録と関連づけること。各人が参加した研修等を記録するとともに、上司や人事部署が把握し、育成してきた能力等を基に人材育成に繋げることができます。もちろん、実際は受けてきた研修内容だけを基に人事を決めているわけではなく、直接人事と結びつけることはなかなか上手くいかないことが考えられます。しかし、それにしても全く何も書いていなければ、人事上の判断は難しいでしょう。実際、四国地区大学教職員能力開発ネットワークSPODの中心校である愛媛大学では、職員の研修歴などを詳細に記したスタッフ・ポートフォリオを全事務職員に導入し、メンタリングなどと組み合わせた人事運用を行っていると聞きます。

 もう一つは、実践の場を設けること。研修のスタイルは座学やワークショップ形式など様々でしょうが、研修中に実際の業務現場における企画や運用を想定した内容というのは、なかなかないのではないでしょうか。学んだ内容や手法を実際に運用してみなければ、おそらく研修の効果は発揮されなません。ちょうどプロスポーツ選手が練習を積み重ね本番を迎えるように、実践の場を積み重ねることでより職能の高い職員に近づいていくでしょう。また、企画・運用の実践自体、課題設定や調整など様々な能力の涵養に繋がり、研修の目的以上の効果を上げることも考えられます。

 もちろん、各自研修を受け、個別の職場で小さい改善を積み重ねているとは思います。それとは別に、例えば管理職が横断的な課題解決プロジェクトを立ち上げ、研修を受けた者を含めて課題解決の実践を行うことなどが考えられます。このようなリーダーシップの発揮方法もあるのかな、と思っています。もちろんこの場合は、常に状況をモニタリングしつつ、必要に応じて助言や人的・予算的な支援を行うことが管理職には求められるでしょう。

 最も「役に立つ」研修とは、学内の担当係長が学内者に向けて行う研修だと思っています。参加者にとっては明日から役に立つ実践的な内容であるとともに、実施者である担当係長にとっては自身の業務の体系化や他大学等外部情報の収集整理などが必要であり、理想的には参加者実施者ともに即効性が高い研修となるはずです。もちろん、実施者の能力などに依るところも多いので、それをカバーする必要がありますが。大学での研修と言えば、外部の専門会社に依頼して行うことも多いとは思いますが、学内のリソースを活用した研修の仕組みを構築することで、職員の職能向上に貢献できないかと考えています。