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東京工業大学の修士まで最短4年のニュースに思う

東工大、最短4年で修士に 18年度から :日本経済新聞

 東京工業大は入学から通常6年かかる修士号の取得を最短4年で可能にする新たな制度を、2018年度に全学で導入することを決めた。大学と大学院の全ての授業を難易度に応じて番号付けし、学年ではなく達成度で学生を評価する仕組みに変更。

 東京工業大学は、理学部、工学部、生命理工学部の3学部と6研究科からなる工学系の単科大学です。TIMES Higher Education のWorld University Rankings 2013-14では、日本第3位世界第125位に位置しており、研究型単科大学では日本を代表する存在と言って良いでしょう。そんな東京工業大学が、最短4年間で修士の学位を取得する制度を導入するようです。

 大学を4年を待たずに卒業すること、つまり早期卒業について大学設置基準には明記がありません。しかし、学校教育法の第89条には、早期卒業を認める条文があります。東京工業大学も、本法令に基づき、早期卒業を認める制度を整備しています。

 大学は、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の学生(第八十七条第二項に規定する課程に在学するものを除く。)で当該大学に三年(同条第一項ただし書の規定により修業年限を四年を超えるものとする学部の学生にあつては、三年以上で文部科学大臣の定める期間)以上在学したもの(これに準ずるものとし て文部科学大臣の定める者を含む。)が、卒業の要件として当該大学の定める単位を優秀な成績で修得したと認める場合には、同項の規定にかかわらず、その卒業を認めることができる。

東京工業大学早期卒業に関する規程

http://www.somuka.titech.ac.jp/Kisoku/contents6/6-06.pdf

 記事中、「現在も飛び級制度を利用すれば最短5年で修士号を取れるが~~~学部卒業は認められないことから利用者は毎年数人にとどまっていた」とありますが、「東京工業大学早期卒業に関する規程」はきちんと卒業と書かれておりますので学位は授与されると思われ、記事が誤っているのではないかと考えます。

 本件については、最短4年で修士号が取れることよりも、ナンバリングなどにより学部と大学院の一貫教育の構築を目指しているということが重要と考えます。セメスター制やナンバリング、早期卒業制度を組み合わせ、より高い教育効果を狙うということは、まさに「東工大ビジョン2009」に描かれた「知・技・志・和の理工人」養成に向けた取組と言えるのではないでしょうか。2018年度に向け、カリキュラム改革なども併せて推進し、是非とも素晴らしい人材養成を果たしてほしいと思っています。

 なお、学校教育法第89条に定められた早期卒業について、「逐条学校教育法第7次改訂版」によれば、「責任ある授業運営、学習の履修科目登録数の上限の設定、厳格な成績評価を各大学で行うことを前提として導入されたもの」とあります。例えば、2つめの学習の履修科目登録数の上限の設定、つまりCAP制度について、現在の東京工業大学は各年度60単位を登録申告の上限としています。認証評価の感覚から言えば、少し多いかなと感じてしまいますが、このあたりもきっと制度導入の過程で再度検討されることでしょう。