大分大学の禁煙推進担当学長特別補佐のニュースに思う

大分大に禁煙推進担当…学生喫煙率ゼロ目指す : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 健康増進法などもあり、公共スペースから喫煙場所がどんどん隔離および消滅しています。私は喫煙者ではないので特に思うところはありませんが、喫煙者の皆さんにとってはつらい状況なのでしょうか。そんな中、大分大学が禁煙推進担当学長特別補佐を新たに設け、学生の喫煙対策に乗り出すそうです。
 大分大学は、教育福祉科学部、経済学部、医学部、工学部の4学部と5研究科からなる比較的中規模な総合大学です。本部等がある旦野原キャンパス、医学部及び附属病院がある挾間キャンパス、附属学校がある王子キャンパスの3キャンパスで構成されています。
 記事中には、まだ具体的な活動は未定とありますが、2009年時に11.5%だった学生の喫煙率を0%にすることを目指すように読み取れます。2011年に構内全面禁煙を定めておきながら、2年後の今に禁煙推進担当学長特別補佐を置くということは、構内全面禁煙が実質的に浸透していないのかもしれません。
 記事中、特に気になったのは、こちら。

将来は、教授や職員の喫煙もゼロにしたい意向だ。

 先に述べたとおり構内全面禁煙を定めた以上は、学生のみならず教職員も構内では禁煙なのは当然です。しかし、この文章から、それが守られていない状況にあることは容易に想像がつきます。学生に禁煙するよう言ったとしても、隠れて吸っている教職員がいることを指摘されたとしたら、ぐうの音も出ません。「ゼロにしたい意向」と言うのではなく、学生の禁煙と並行して教職員の禁煙も強力に推進していってほしいです。先ず隗から始めよ、ということで。
 なお、大分大学医学部附属病院では、2007年から敷地内全面禁煙が行われています。これは、禁煙外来による禁煙治療を健康保険適応とするために必要な措置であったためと考えられます。このような対応は全国の大学病院で進められており、2013年5月時点では、禁煙治療を行う大学医学部附属病院のうち80%において敷地内禁煙が実施されているようです。

各種病院の禁煙治療の保険適用の有無

 また、2010年5月17日の朝日新聞の記事によると、東北文化学園大学において構内のみならず大学の周囲2-3kmを禁煙区域とし職員が巡回している事例などが紹介されています。また、構内全面禁煙のほうが受験生や保護者のイメージが良いといったことも記載されています。「「タバコのない学校」推進プロジェクト」によれば、2013年5月時点で、140大学178カ所で敷地内禁煙が実施されているそうです。

 禁煙なのか分煙なのかといった判断もあるでしょうが、学生の禁煙推進や構内全面禁煙というのはある種の全国的なトレンドなのかもしれません。