1年目で仕事を覚えて・・・では遅すぎる。

 最近ではあまり聞きませんが、たまに聞いたのが「異動して1年目で仕事を覚えて2年目に流れを把握して3年目に改善に取り組む」みたいなことです。この流れで出てくるのが「3年目に異動ではようやく改善に取り組み始めたばかりなのに・・・」みたいな台詞ですね。これらの話を聞くたび、いやいやどんだけのんびりしてるんですか、と思っていました。

 変化が激しく次年度にどうなっているかわからない時代に1年間業務内容や手順を覚えるだけで何もしないと言うことは、全く意味がありません。業務を覚え、こなし、改善するということを同時に行うことが、業務をより効果的に行うために必要になってきます。個人的には、異動して3ヶ月以内に周りの者の期待以上の取組を行うことが目安だと思っています。

 実際、異動して早々に改善に取り組むのはなかなか難しいところもあります。前任者や周りの者に聞きながらまずは仕事を覚えましょうということになるのですが、以下の点を腑に落とせば少しでもより良い業務ができる可能性が高くなると考えます。

  • その業務は誰の、何のために行うのか。
  • その業務で最も大切にしなければならない価値観は何か。また、その業務で行ってはいけないこと、最悪の事態は何か。
  • その業務の実務上の関係者は誰か。また、その中で最も業務に精通している者、最も影響力が大きい者は誰か。
  • その業務は誰からどのような情報を受け取るのか。また、自分の処理後は誰にどのような情報を渡すのか。その情報は渡した先ではどのように扱われるのか。
  • その業務の処理方法としてどのような内容を関係者に公表しているのか。また、自分の手元で処理できる裁量はどの程度か。

 これらを自分なりに同定し、現状の業務がそれと合致しているのか周りと相談しながら検討すれば、業務改善につながる可能性があります。もちろんこれは当座の対応ですので、ある程度業務内容の理解が深まれば、他大学の事例や学会発表などを踏まえ、より高度な改善に取り組んだ方が良いでしょう。なんにせよ、自分なりの業務の軸を持つことが大切だと考えます。