職員の成長とは働き方の変容である。

大学設置基準等の一部を改正する省令の公布について(通知):文部科学省

今回の改正は,社会のあらゆる分野で急速な変化が進行する中で,大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)がその使命を十全に果たすためには,その運営についても一層の高度化を図ることが必要であることを踏まえ,全ての大学等に,その職員が大学等の運営に必要な知識・技能を身に付け,能力・資質を向上させるための研修(スタッフ・ディベロップメント。以下「SD」という。)の機会を設けることなどを求めるものです。

 今更ですが、大学設置基準が改正され、SDが義務化されるようになりました。施行は平成29年度からです。この件については様々な方が様々な媒体で触れていますし*1、SDに関する学術論文も多数出版されているところですから、私から言うべきことはあまりありません。ただ、最近思うのが、SD、と言うよりも職員としての成長とは働き方を変容させることではないかということです。

 例えば、今まで気付けなかった問題に気づいて対応する、今まで作ってなかったマニュアルを作る、今まで他人に任せていたものを自分でやってみるなど、職場の中で立ち居振る舞い、つまり働き方を変えることで、新しい知見や経験を得られ、職員として成長することができると思います。その糧になるものが、研修であったり自己研鑽であったりするのでしょう。

 働き方の変容のような行動と研修のような学びは必ずしも一対一対応の因果関係ではなく、職員の広く浅い業務範囲を考えると、むしろそのような場合の方が少ないと推測します(もちろん、研修の目的が何でもいいという話ではありません。)。様々な学びをストックする中から、行動への発意やアイデアを発生させていくものなのでしょうね。そう考えると「学びを業務に活かす」といった学び主体の表現ではなく、「業務に学びを活かす」といった業務主体の表現の方が適切である気がします。