大学職員の働き方考え方

国立大学は職員を育てる必要がなかった。

masterpiece0924.hatenablog.com 少し前に、こちらのブログ記事が話題になっていました。書かれていることはわかりますし、ブコメを見ても概ね賛同意見といったところでしょうか。私は、そもそも国立大学は職員を育てる必要がなかったのではないかと思ってい…

仕事には2種類ある。

最近思うのは、仕事には可逆的なものと不可逆的なものの2種類あるな、ということです。 可逆反応 - Wikipedia 可逆反応(かぎゃくはんのう 独: reversible Reaktion、英:reversible reaction)とは、化学反応のうち、始原系(原料)から生成系(生成物)へ…

1年目で仕事を覚えて・・・では遅すぎる。

最近ではあまり聞きませんが、たまに聞いたのが「異動して1年目で仕事を覚えて2年目に流れを把握して3年目に改善に取り組む」みたいなことです。この流れで出てくるのが「3年目に異動ではようやく改善に取り組み始めたばかりなのに・・・」みたいな台詞…

職員の成長とは働き方の変容である。

大学設置基準等の一部を改正する省令の公布について(通知):文部科学省 今回の改正は,社会のあらゆる分野で急速な変化が進行する中で,大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)がその使命を十全に果たすためには,その運営についても一層の高度化…

前に立ち続けることで学べることもある。

id:shinnji28さんがプレゼン時の謙遜についてBLOGに書かれています。 shinnji28.hatenablog.com 私は彼と面識があり、最近では仕事の相談にのってもらっています。彼らしい姿勢だなと思いながら読んでいたのですが、そういえば私も同じような経験をしたこと…

シニカルなだけではクソの役にも立たない。

冷笑的な態度も結構ですが、周りへの悪影響も自覚してほしいですね。成果が出ているという点は考慮されるべきではあるものの、基本的には「勉強することや努力すること、真剣になることはカッコ悪い」という価値観は唾棄すべきものだと思っています。

愛校心なんてない。

友人を話している中で、唐突に、何年か前に参加した勉強会で将来の中核となる大学職員の必要な要素として、"愛校心"というワードが頻出したことを思い出しました。私はあまり定量的でない言葉や水準が明らかではない言葉には疑ってかかるタイプなので、当時…

処理だけではなく判断をすること

夏の間は平日土日の区別なく同じ仕事にひたすら取り組んでいました。 いわゆるルーチンワークと言われる定常業務は大学職員として働くうえでは避けては通れないものだと思います。同じようなタイミングで同じような手順で同じような結果がでるような、ある意…

上司は孤独である。

異動して職階に似つかわしくない仕事をするようになりました。部下(あまり部下とは思ってませんが。。。)も10名近くになり、一部は離れたキャンパスにいます。そんなポジションになって一ヶ月程度ですが、「上司は孤独」という言葉を実感しつつあるのが正…

わからないということを開き直る。

初めて関わる業務ということもあり、異動してから本当に仕事がわからなくなりました。特に、何をすれば良いのかではなく、どのように処理をすれば良いのかもわからないため、取りこぼしはないかといつもヒヤヒヤしながら事務処理をしています。そんな中、意…

何もない状況から業務を引き継ぐということ

異動後の仕事がわけわからなさすぎて、逆に1周して面白くなっています。 異動した先の仕事が全く経験のない場合、まずは前任者等が作った引継書に沿って対応しましょうということになりますよね。けど、引継書が不十分な場合やそもそもない場合もあり得るで…

結局は、心持ちである。

弊BLOGは結構前向きな感じで書いているのですが、実際にはそんなことばかりではなく、面倒なことや理不尽なことも多々感じているわけです。職場の友人と話していても、わかってくれない上司がいたり、対応が悪いカウンターパートがいたりということは、程度…

論文が書けるように仕事をしたい

以前の記事でも言及した通り、日頃の業務でも研究の作法を考えて取り組むことを意識しています。仮説を立てて方法を検討し、取り組んだ結果を明らかにしさらに改善を検討するということですね。大きな制度の話から細かい手法の話まで、なるべくいろんなこと…

自分を守るためのボス・マネジメント

人事異動などで自分よりも当該業務の経験が浅い上司が赴任することってありますよね。あるいは、能力的にちょっと微妙って人が上司として配置されることもあるかもしれません。通常マネジメントというと上司から部下への方向が多いですが、部下から上司をコ…

創造的な仕事ができないと嘆いている大学職員の方へ

稲盛和夫の名言・格言|創造的な仕事をするヒント 創造的な仕事とは、高度な技術を開発するということばかりではない。今日よりは明日、明日よりは明後日と創意工夫をこらし、改良、改善を積み上げていくことである。一人ひとりが自分の持ち場で、もっと能率…

平常業務外にもチャンスがある

前にも言った通り、基本的には勤務時間内の働き方が大切だと思っていますが、ここで「平常業務」ではなく「勤務時間」としているのには意味があります。平常業務外にも、大いに成長や業務発展のチャンスがあると感じているからです。 平常業務以外の仕事に取…

勉強とか、どうでもいい。

色々なワークショップとかに出席すると、大学職員の専門性や能力開発の話に関連した勉強とか自己研鑽とか、そこらへんの話をよく聞きますね。大変結構なことだと思うのですが、それと同時に、だからどうしたと思うことも多いです。 すごくざっくり言うと、職…

ものづくりを通じた大学職員の資質向上の可能性

先ごろ公開した学校基本調査DataViewは好評をいただいているようでありがとうございます。素人仕事ではありますが、何らかお役に立てれば幸いです。もともとは自分自身あったら良いなと思って作り始めたのですが、もう一つ考えていることがあり学校基本調査D…

引き際を見極める。

いろいろな人と関わる仕事をしていると、対立構造を含む議論になることも多いです。こっちの言い分が通れば良いのですがいつもそんなケースばかりではなく、何らかの譲歩が必要な場合ももちろんあります。その場合はどの段階から譲歩を始めるのかどこまで譲…

(思いつき)活躍している職員のジョブディスクリプションを作成してはどうか。

京都で開催された高等教育研究会・2015年度大学職員フォーラムに参加しました - Clear Consideration(大学職員の教育分析) 2015年度大学職員フォーラムの参加録が出ていました。ぼちぼちと眺めていたのですが、ジョブディスクリプションという話が提示され…

職員としての言葉遣いのこだわり

大学職員として働く上で、どうでもいいほど些細なことですが、言葉の遣い方に対するこだわりがあります。 「本省」と言わない。 法人化以前ならともかく、今更文部科学省のことを「本省」と呼ぶ道理はないだろうということで、「本省」という言葉は言いませ…

プレゼンは身一つで行う。

例えば学内のシンポジウム等に出席したとき、基調講演などでスライドを用いた説明、所謂プレゼンテーションを聞くことがあります。大学職員の研修や勉強会などでも概ねプレゼンテーションが用いられている印象です。その際、大抵は演題の後ろでPCを操作しな…

大学のビジョンは職員には関係ない・・・のか

前回のエントリーはいい感じでメンタルの闇落ち感が出てましたね。読み返すとひどいもんですがエントリー消しは負けだと思うのでそのままで。 東京大学ビジョン2020 | 東京大学 この東京大学の機能転換の理念と具体的方針を、このたび「東京大学ビジョン2020…

若手による業務改善はいずれ行き詰まる。

なんとなく業務改善は若手職員が主になって行うものという空気があるなと感じています。実際、中期目標・中期計画に「若手職員による業務改善を推進する」みたいな文言がある国立大学法人もあります。ただ、大きな目で見ると、これって必ず行き詰まるのでは…

第3期中期目標・中期計画では職員の能力開発はどのように言及されているのか。

各国立大学の第3期中期目標・中期計画の素案(平成27年6月):文部科学省 国立大学法人の第3期中期目標・中期計画の素案が公表されていました。一部ではニュースになっていました。 全国の国立大学 33校が文系学部などの再編計画 NHKニュース 全国86の…

厳しい時こそ姿勢を正す。

ファンランナー程度でありますが、ランニングが好きで仕事が終わった後によく走っています。普段走っている10km弱ならばあまり感じないのですが、中長距離や起伏が激しいコースを走る時は、疲れてくるにつれてどんどんフォームが崩れてくるのを感じます。腕…

組織の課題=個人の課題ではない。

※何かを批判する意図があるエントリーではありません。 第9回コクダイパン会議、終了しました! | コクダイパン会議スタッフのBlog 第9回コクダイパン会議、無事に終了いたしました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。また、ご協力をい…

相場観をもった職業人になろう。

※今回のエントリーは株式投資とはまったく関係ありません。 スーパーグローバル大「外国人教員等」 実態は経験浅い日本人 苅谷剛彦・オックスフォード大教授 :日本経済新聞 文部科学省のスーパーグローバル大学支援について苅谷剛彦オックスフォード大学教…

論点を示さないと議論は始まらない。

大学には議論すべき問題がたくさんあります。教育活動のこと、学生のこと、研究活動のこと、大学運営のこと、挙げていけばきりがありません。しかもたいていの場合、これらは複雑で正解がないため、そもそも何が問題なのかということすら曖昧なことも多々あ…

「自分にしかできないこと」から「みんなにもできること」へ。

大学職員の専門性に関する議論では、誰でもできることではなく専門性を身に付けましょうといった言説を目にします。大学職員は誰でもできる仕事です。これは恐らく間違いないでしょう。正確に言えば「誰でも」とは「一定程度の能力を持った者なら誰でも」で…